現在の採光計算では、「採光補正係数」という考え方が使われています。隣地まで十分な距離がある場合などは、補正係数を最大3倍まで見ることができます。逆に、隣地が近すぎる場合は、係数がゼロやマイナスとなり、採光上有効な開口部として扱えません。
ただし、道路に面している場合は、マイナス計算となっても補正係数を「1」として扱える仕組みがあります。つまり現在の採光規定は、「本当に光が入る窓なのか?」をかなり合理的に評価しているわけです。
採光補正係数は平成12年から導入された
実は、この採光補正係数が導入されたのは平成12年の法改正からです。それ以前には、「採光補正係数」という考え方自体がありませんでした。
では、昔はどうやって採光を見ていたのか?
かなりシンプルです。一定の条件を満たせば「採光に使える窓」。条件を満たさなければ「採光に使えない窓」。それだけでした。
現在のように、「隣地まで距離があるから有利に評価する」という考え方はありません。どれだけ前面空地が広くても、補正係数を最大3まで評価することはできませんでした。
つまり、昔の採光検討は、「使える窓か、使えない窓か」をシンプルに判断する制度だったとも言えます。
採光計算は、今でも敷地形状や建物配置によって設計の自由度を大きく左右します。しかし、平成12年以前は、現在のような合理的な補正計算がなかったため、設計者にとっては今以上に厳しい場面も多かったのかもしれません。
