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【具体例付き】最低敷地面積とは?下回る場合の建て替え・必要書類を解説

最低敷地面積とは?下回る場合の建て替え・緩和制度を解説

土地が最低敷地面積を下回っていると、建て替えできないの?

今の家が建っているなら、そのまま建て替えはできる?

建て替えするにはどんな書類や手続きが必要?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

最低敷地面積を下回る場合は既存不適格に該当すれば建て替えできる

つまり、規制ができる前から最低敷地面積を下回っている場合は、建て替えが可能

既存不適格に該当するかどうかの基準は、大きく分けて2つある

ただし、確認申請の際には、土地の登記簿などの資料を添付する必要がある

この記事では、既存不適格の2つの基準をそれぞれ解説しています。

長めの内容となるため、基準を混同しないように読み進めてください。

この記事の流れ

下回ると建て替えできる?既存不適格の基本的な考え方

最低敷地面積は敷地の細分化を防ぐ規制で、基準を下回る場合は原則建築できない

ただし、既存不適格に該当する場合は建て替えが可能

既存不適格となる主なケースは次のとおりであり、いずれかに該当すればよいとされている
① 規制前から、基準を下回る敷地を所有していた場合
② 規制前から、基準を下回る敷地に建物が建っていた場合

①「敷地を所有していた場合」
②「建物が建っていた場合」
のどちらかに該当すればいいんですね。

それぞれどういう意味ですか?

最低敷地面積の規制は、既存不適格という救済措置が設けられています。

概要は次のとおりです。

次のセクションでは、具体例とあわせて、既存不適格であることを証明するための資料について解説します

建て替え可能な基準趣旨
1.敷地を所有していた場合規制前からその土地の権利を有していたため、将来の建築利用に配慮して既存不適格として扱われます
2.建物が建っていた場合既に建物の敷地として使われていたため、利用実態を保護する観点から既存不適格として扱われます

ここからは、1つ目の既存不適格・「敷地を所有していた場合」の基準について解説します。

こちらに該当するケースが圧倒的に多いので、丁寧に確認することをお勧めします。

1.【具体例付き】敷地を所有していたとは?

「敷地を所有していた」とは、基準日より前から敷地面積が基準を下回っている土地のこと

基準日以前からの状態であるため、建て替えができなくなる不利益を避ける目的で救済措置が設けられている

その後の所有権の移転はあっても問題ない

必要書類は、一般的には公図・土地の登記簿謄本

このケースにより既存不適格を証明する事例が圧倒的に多い

事例として、平成16年に85㎡の規制がある地域について解説します。

既存不適格に該当するか確認する書類は、次の2つです

(1)公図
(2)土地の登記簿謄本

必要な書類理由
(1)公図公図により、計画地の筆が周辺と分かれていること、また問題となる筆がないことを確認するため。
(2)土地の登記簿謄本土地の登記簿謄本により、基準となる指定日前から分筆により85㎡を下回っていることが確認するため。

【これで判断】具体例で必要書類と確認ポイントを整理

①敷地面積の最低限度と、基準日となる指定年月日を確認

行政庁のホームページを確認すると、最低敷地面積の規制が平成16年に指定されたこと、また最低敷地面積が85㎡であることが確認できます

② 公図で筆が分かれていることと、問題のある筆がないことを確認

公図により、計画地の敷地が周辺と筆が分かれていることが確認できます。また、問題となる筆が特にないことも確認できます。

③ 土地の登記簿謄本で分筆日と基準未満の敷地面積を確認

土地の登記簿謄本から、基準となる指定日前より分筆により85㎡を下回っていることが確認できます。これにより、既存不適格である敷地であることが確認できます。
よって、建て替えは可能です。

ここで解消|最低敷地面積のよくある疑問

最低敷地面積を下回る筆がありますが、隣の筆も所有しています。2つの筆を合わせると基準を上回りますが、それぞれの筆に住宅を新築してもよいですか。

行政庁によっては、隣接する筆ごとに所有関係を確認し、個別の敷地として判断します。そのため、「下回る敷地を所有していた」に該当しないと判断される場合があります。

引用:横浜市 最低限敷地面積に満たない敷地での建築について

横浜市役所では、すべての隣接地の土地所有者を確認しているようです。

親から相続した土地ですが、最低敷地面積の対象になりますか。最近相続や売買をしていても大丈夫ですか。

ポイントは、基準日より前から基準を下回っていた敷地かどうかです。
その条件を満たしていれば、その後に相続や売買があっても既存不適格であることに変わりはなく、建て替えは可能です。

引用:技術的助言の抜粋

続いて、2つ目の既存不適格・「建物が建っていた場合」の基準について解説します。

まったく別の基準となるため、混同しないようにしてください。

2.【具体例付き】建築物の敷地として利用していたとは?

「建築物の敷地として利用していた」とは、基準日に実際に建物が建っていた土地であること

次の2つをいずれも満たす場合に、該当すると判断されます。
① 基準時に、敷地面積が基準を下回る面積で使用していたこと
② 基準時に、建物が建っていること


これら2つを証明する資料をそろえるのは、非常に手間がかかる場合も

既存不適格に該当するかを確認するための書類は、下記の表のとおりです。

必要な書類の一例理由
(1)概要書・借地契約書・記載事項証明書基準時より前から、建築物の敷地として使用していた面積が基準を下回っていることを確認するために必要です。
(2)検査済証・建物の登記簿・航空写真(基準時前)・建物の課税証明基準時より前から建物が存在していたことを示すために必要です。
(3)写真・解体の契約書・住宅地図・航空写真(基準時以降)・建物の課税証明・建物の登記簿(解体済みの時)基準時以降も建物が存在していたことを示すために必要です。

(1)は、敷地面積が基準を下回る面積で使用していたことを確認するための資料です。
(2)(3)は、基準時に建物が建っていたことを確認するための資料です。
これら(1)・(2)・(3)の各資料をそろえることが必要です。
また、各項目には複数の資料が想定されますが、資料が多いほど審査がスムーズに進む傾向があります。
なお、必要書類は確認申請先によって大きく異なるため、指定確認検査機関または行政庁に確認することをお勧めします。

これで理解|基本的な考え方を時系列で整理

【これで判断】具体例で必要書類と確認ポイントを整理

①敷地面積の最低限度と、基準日となる指定年月日を確認

行政庁のホームページを確認すると、最低敷地面積の規制が平成16年に指定されたこと、また最低敷地面積が70㎡であることが確認できます

②敷地面積が基準を下回る面積で使用していたことを確認

今回の最低敷地面積は70㎡ですが、既存建築物の建築計画概要書から、敷地面積がこれを下回っていることが確認できます。
これにより、基準時より前から基準を下回る面積で、建築物の敷地として使用されていたことが確認できます。

③台帳証明書で、完了検査により基準時前に建っていることを確認

完了検査を受けていれば、基準時より前に建物が建てられていることを確認できます。
検査済証がない場合は、建物登記簿の新築の登記日+航空写真+建物の課税証明書を組み合わせて確認する方法も考えられます。

④現在も建っていることが分かる写真

現在も建物が残っている場合は、写真を撮っておくことをおすすめします。
解体している場合は、基準時以降に解体されたことが分かる資料が必要です。
航空写真や解体契約書、滅失登記などを組み合わせて確認する方法も考えられます。

ここで解消|最低敷地面積のよくある疑問

基準時に建物が建っているというのは、今も建物があればよいのですか。見た目は古いです。

現在建物が残っている場合でも、それだけで判断されるわけではありません。
重要なのは、基準日に建物が存在していたことです。そのため、基準日の写真があれば理想ですが、実際に保管されているケースはほとんどありません。
一般的には、建物登記や検査済証で基準日前からの存在を確認し、あわせて現在の写真などにより継続して建っていることを示します。
これらを組み合わせることで、基準時点でも建物が存在していたと判断されることが一般的です。

昔は家がありましたが、今は更地です。この場合でも対象になりますか。

ポイントは、基準日時点に、建物の敷地として利用されていたかどうかです。
現在が更地であっても、基準時に建物が存在していたことが確認できれば既存不適格のため建てられます。

完了検査を受けていない場合でも問題ありませんか。建築計画概要書があれば、それで代用できませんか。

基準日より前に建物が存在していたことの証明として、検査済証があれば有効です。
ただし、検査済証がない場合でも、建物登記や固定資産税の資料などにより、基準時より前に建物の存在を確認できれば対応可能なケースもあります。

なお、建築計画概要書は、あくまで最低敷地面積を下回る面積であることを確認するための資料です。
そのとおりに建物が建てられていたことを直接証明するものではありません。

一方、検査済証は、基準時より前に建物が建てられていたことを示す資料となります。
このように、両者は目的が異なります。

ポイントは、次の2つをいずれも満たす場合に建て替えができます。
① 基準時に、敷地面積が基準を下回る面積で使用していたこと→概要書
② 基準時に、建物が建っていること
→検査済証や建物登記+現在の写真

解体していない場合でも、確認申請の前に解体してもよいですか?

確認申請の前に解体すること自体は、一般的には問題ありません。ただし、基準時後も建物が存在していたことを示すため、解体前に日付入りの写真を残しておくことをおすすめします。あわせて、「建物の登記簿」や「固定資産税の課税証明」などの資料など、基準時前に建物の存在を示す資料を確保しておくと、審査時の説明がスムーズになります。

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現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

2筆に一つの建物が建っています。除却後、それぞれに建物を建てても良いですか

質問で想定しているケースを図で示しています。

一般的には、それぞれに建築することは難しいと判断されるケースが多いとされています。
ただし、2筆がもともと別々の所有者であった場合など、状況によっては既存不適格として扱われる可能性もあります。
一方で、同一所有者のまま各敷地に建築できるとする解釈は認められないと判断されるケースが多いとされています。

引用:京都市役所

引用:京都市役所 最低敷地面積

京都市役所では、このようなケースについて明確に不可とされています。実務上も同様の取扱いをしている行政庁も多く、慎重な判断が求められます。
一方で、既存不適格に該当するとして、それぞれの筆で建築可能と判断する行政庁もあります。

まとめ

最低敷地面積は敷地の細分化を防ぐための規制

基準を下回る場合は建て替えが制限されることがある

既存不適格であれば建て替えできる可能性がある

事前相談と必要書類の準備が重要となる

あわせて確認されることが多い規定

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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