当サイトは【毎週月曜】に新しい記事を更新しています。

【建築法規小ネタ】特定行政庁が許可できないと判断した場合、建築審査会に同意を求めてもらえる?

建築基準法の許可制度では、特定行政庁の許可にあたって、建築審査会の同意が必要となるものがあります。では、特定行政庁から「この計画は許可できない」と言われたものの、その判断に納得できない場合はどうでしょうか。

「建築審査会がダメと判断するなら諦めるので、とりあえず建築審査会に諮ってほしい」

このように考える方もいるかもしれません。しかし、結論からいうと、建築審査会は特定行政庁に代わって許可の可否を判断する機関ではありません。ポイントとなるのは、建築基準法における「許可」と「同意」の関係です。

許可するのは建築審査会ではなく「特定行政庁」

まず確認したいのが、誰が許可をするのかです。建築基準法の許可規定を見ると、一般的に「特定行政庁が○○と認めて許可した場合は、この限りでない」といった規定になっています。

つまり、許可をする主体はあくまで特定行政庁です。一方、建築審査会については、許可をするのではなく、特定行政庁が許可をする際に「同意」をする立場となっています。ここは似ているようで、役割が大きく異なります。

特定行政庁が許可の可否を判断する

許可しようとする場合に建築審査会へ同意を求める

建築審査会の同意を得る

特定行政庁が許可する

ざっくり整理すると、このような流れです。建築審査会が先に計画を審査して、「この計画なら許可してもよい」と特定行政庁に許可を求める仕組みではありません。

また、特定行政庁が許可できないと判断した場合には、建築審査会に同意を求めることなく、不許可とすることも可能です。つまり、「建築審査会の同意が必要」というのは、許可・不許可のいずれの場合にも必ず建築審査会を経なければならないという意味ではありません。あくまで、特定行政庁が許可をしようとする場合に、建築審査会の同意を得る必要があるということです。

「建築審査会だけでも判断してほしい」はできる?

では、特定行政庁から許可できないと言われた場合に、申請者から「それでも建築審査会に諮ってください」と求めることはできるのでしょうか。ここで重要になるのが、先ほどの許可の仕組みです。

建築審査会への同意は、特定行政庁が行う許可という行政処分を補完するものと考えると分かりやすいです(※あくまでイメージです)。たとえば、建築審査会へ同意を求める際には、「この計画について支障がないと認めて許可したいので、建築審査会の同意を求めます」といった関係になります。

逆に、特定行政庁自身が「この計画は許可に相当しない」と判断しているのであれば、「許可するつもりはないが、建築審査会だけで判断してください」という流れには基本的になりません。建築審査会は、申請者と特定行政庁のどちらの判断が正しいのかを判定するために、許可手続の途中で利用する第三者機関ではないためです。

では、申請そのものもできない?

特定行政庁との事前相談で「許可は難しい」と言われたとしても、正式に許可申請を行うことまでできないわけではありません。

ただし、正式に申請すれば、必ず建築審査会に諮ってもらえるわけではありません。特定行政庁が申請内容を審査した結果、許可できないと判断すれば、建築審査会に同意を求めることなく不許可とすることも可能です。

まとめ

建築基準法の許可制度では、建築審査会の同意が必要となる場合があります。ただし、許可を行う主体はあくまで特定行政庁です。

建築審査会は、特定行政庁とは別に許可の可否を判断する「もう一人の許可権者」ではなく、特定行政庁が行う許可を補完する立場にあります。そのため、特定行政庁が「許可に相当しない」と判断している計画について、単に「建築審査会の判断だけでも聞きたい」という理由で、建築審査会に同意を求めるという制度にはなっていません。

また、特定行政庁が許可できないと判断した場合には、建築審査会に同意を求めることなく不許可とすることも可能です。

「建築審査会にも判断してもらいたい」と思う場面もあるかもしれませんが、制度上は、まず特定行政庁が許可できると判断し、そのうえで建築審査会の同意を得るという流れになっています。

この記事の流れ