当サイトは【毎週月曜】に新しい記事を更新しています。

簡易耐火建築物とは?準耐火建築物との違いと旧制度・現行法をわかりやすく解説

簡易耐火建築物とは?準耐火建築物との違いと旧制度・現行法をわかりやすく解説

簡易耐火建築物って、結局なんなの?

昔の建物で聞いたことあるけど、今も使うの?

準耐火建築物と何が違うの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

簡易耐火建築物は、昔の建築基準法で使われていた旧区分

現在は「準耐火建築物」に整理され、建築基準法上の名称としては使われていない

簡易耐火建築物は、建築基準法の性能規定化に伴う法改正前の旧名称

簡易耐火建築物=準耐火建築物の認識でOK

この記事の最後のQ&Aでも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

あわせて確認されることが多い規定

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ

簡易耐火建築物とは?今はもう存在しない?

簡易耐火建築物は、昔の建築基準法で使われていた分類

現在の建築基準法では「準耐火建築物」に整理されている

古い確認申請書や不動産資料で見かけることがあるが、現在は使われていない

簡易耐火建築物=準耐火建築物と同じ性能である

簡易耐火って書いてあるけど、古い建物で使う言葉?

今の法律では違反なの?

昔の建物だけの言葉なのかな

簡易耐火建築物は、昔の建築基準法で正式に使われていた用語です

その後、建築基準法の性能規定化に伴う改正で、「準耐火建築物」という名称へ整理されました

そのため、古い確認申請書・検査済証・不動産資料などでは、現在でも「簡易耐火建築物」という表記が残っていることがあります。

違反建築物になるわけではありません。

簡易耐火建築物=準耐火建築物と考えて、一般的には問題ありません。

建築基準法ではどのように変わった?簡易耐火建築物から準耐火建築物へ

昭和25年当時は「耐火構造」と「防火構造」のみであった

つまり、建築基準法が制定されたときは耐火建築物・簡易耐火建築物・準耐火建築物といった名称はなかった

その後、昭和34年に「耐火建築物」と「簡易耐火建築物」が新設された

平成5年の性能規定化により、現在の簡易耐火建築物は「準耐火建築物」へ整理された

時代建築基準法の分類内容
昭和25年耐火構造・防火構造部材単位の規定が中心
(延焼ライン開口部を防火設備の規定なし)
昭和34年耐火建築物・簡易耐火建築物の創設建築物全体としての分類が登場
└昭和34年の簡易耐火「イ」現在のロ-1準耐火と同等外壁耐火構造+屋根不燃+延焼ライン開口部を防火設備
└昭和34年の簡易耐火「ロ」現在のロ-2準耐火と同等柱・梁を不燃材料+延焼ライン開口部を防火設備
平成5年以降~現在準耐火建築物
(イ準耐火・ロ-1準耐火・ロ-2準耐火)
性能規定化に伴い名称整理。
基本的な構造の考え方は旧制度から継続

簡易耐火建築物って、途中で消えた制度なの?

昔と今で、中身まで変わったの?

準耐火建築物とは別物?

実は、現在の準耐火建築物は、昔の簡易耐火建築物を整理・再編したものです。

ただし、簡易耐火建築物の時代から、
・外壁を耐火構造とするタイプ
・柱・梁などの軸組を不燃化するタイプ

という、現在の
「ロ-1準耐火」
「ロ-2準耐火」

につながる考え方が採用されていました。

つまり、平成5年の改正で名称は「準耐火建築物」に整理されたものの、構造の基本的な考え方自体は現在と大きく変わっていません。

昭和25年の建築基準法では、「耐火構造」「防火構造」といった構造に着目した規定でした。

その後、昭和34年改正で、
・耐火建築物
簡易耐火建築物
という“建築物全体”の区分が登場します。

当時の簡易耐火建築物は、

 外壁を耐火構造
 屋根を不燃材料
 延焼のおそれのある部分の開口部を防火設備

 柱・梁を不燃材料
 延焼のおそれのある部分の開口部を防火設備
という分類でした。

これは現在でいう、
・イ → ロ-1準耐火建築物
・ロ → ロ-2準耐火建築物
に近い考え方です。

そして平成5年の改正で、性能規定化に合わせて「準耐火建築物」という名称へ整理されました。
そのため、名称は変わっていますが、基本的な構造の考え方自体は大きく変わっていません

ちなみに、現在の「イ準耐火建築物」は、主要構造部を準耐火構造とする建築物ですが、この考え方は平成5年改正で新しく登場したものです。

それ以前の簡易耐火建築物では、外壁を耐火構造とする、柱・梁を不燃材料とするといった仕様は規定されていましたが、「準耐火構造」という考え方自体は存在していませんでした。

つまり、「準耐火構造」という概念や文言は、平成5年改正で新しく登場したものです。

建築基準法で簡易耐火建築物の条文をチェック!

建築基準法第2条
九の三:簡易耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、イ又は口のいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に政令で定める構造の防火戸その他の防火設備を有するものをいう。

イ:外壁を耐火構造とし、かつ、屋根を不燃材料で造り、又はふき、政令で定める防火性能を有する構造としたもの

ロ:主要構造部である柱及びはりを不燃材料で、その他の主要構造部を不燃材料又は政令で定めるこれに準ずる材料で造り、外壁の延焼のおそれのある部分、屋根及び床を政令で定める防火性能を有する構造としたもの

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

イ準耐火とか、ロ準耐火、ロ-1やロ-2とはなんですか?

建築基準法では、準耐火建築物を「イ」「ロ」などの区分で規定しています。

そのため、実務では「イ」号に該当する準耐火建築物を「イ準耐火」「ロ」号に該当する準耐火建築物を「ロ準耐火」と呼ぶのが一般的です。
※本来、法令上は「イ号」「ロ号」という表現ではありませんが、イメージしやすくするため、上記では便宜上そのように表現しています。

さらに、「ロ」号は(1)と(2)に分かれているため、区別しやすいように「ロ-1」「ロ-2」と表記することが一般的です。

古い確認申請書に「簡易耐火建築物」と書いてあっても問題ない?

「簡易耐火建築物」は、当時の建築基準法で正式に使われていた用語です。現在は「準耐火建築物」という名称へ整理されていますが、古い確認申請書や検査済証では今でも見かけます。

法律改正で名称が変わっただけであり、「簡易耐火建築物」と書かれているから違反建築物になるわけではありません。

簡易耐火建築物は、現在の準耐火建築物と同じ?既存不適格になる?

簡易耐火建築物は、現在の準耐火建築物へ整理された制度であり、基本的な考え方は当時から大きく変わっていません。

そのため、法律改正で名称が変わったからといって、既存不適格建築物になるわけではなく、違反建築物にもなりません。

一般的には、「当時の法令に適合していた建築物」として扱われます。

ただし、実際に使用されている材料や仕様によっては、現在の基準を満たせず、既存不適格建築物に該当する場合もあるため注意が必要です(実務上はほとんど想定しないレベルと思われますが、特殊な材料や仕様の場合は個別確認がした方が安心と思われます)。

1時間耐火・2時間耐火という用語はいつできた?

「1時間耐火」「2時間耐火」といった考え方は、昭和39年1月15日施行の建築基準法施行令第107条で初めて規定されました。

それまでは、現在のように「何時間火に耐えるか」という整理は明確ではなく、昭和39年改正で耐火性能を時間で評価する考え方が導入されています。

まとめ

簡易耐火建築物は、現在の「準耐火建築物」の旧名称

昭和34年に登場し、平成5年の性能規定化で準耐火建築物に整理された

外壁耐火・軸組不燃という考え方は、現在の準耐火建築物にも引き継がれている

「準耐火構造」という概念自体は、平成5年改正で新しく登場したもの

あわせて確認されることが多い規定

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ