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東京都福祉のまちづくり条例│届出の対象建築物とは?調べ方を解説

東京都福祉のまちづくり条例の対象建築物とは?確認方法と調べ方を解説

東京都福祉のまちづくり条例って、どんな建物が届出の対象?

自分の計画している建物が、届出の対象になるのか知りたい

バリアフリー法や建築物バリアフリー条例との関係も知りたい

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

福祉のまちづくり条例の対象は「都市施設」に該当する建築物

このうち、用途と規模が一定以上のものが「特定都市施設」として届出の対象になる

東京都バリアフリー条例とは対象となる規模が異なる点に注意が必要

ただし、バリアフリー条例の対象となる建築物は福祉のまちづくり条例の届出は不要です。

この記事の最後に、行政庁が公表している解説をQA形式でまとめています。

実務で迷いやすいポイントも整理していますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

どのような建物が条例の対象になる?

東京都福祉局が公表している「東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル」では、条例の対象となる建築物の用途が一覧表で細かく整理されています。

引用:福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアルを一部加工

原資料をもとに、両開きで見やすい形に整理しています。2ページ構成になっていますので、全体像の確認にご利用ください。

対象となる用途の例としては、病院や診療所、社会福祉施設、物販店舗や飲食店などの商業施設、学校や学習施設、集会場などが挙げられます。
それぞれの用途ごとに、「特定都市施設」として届出が必要になる規模が定められています。

用途と延べ面積を組み合わせて確認するんですね。

この表は少し見慣れないと難しく感じます。

最初は少し戸惑いますが、よく使う用途だけでも印を付けておくと確認がかなり楽になります。

特定都市施設の一覧表は手元に一冊置いておくと重宝します。

具体的な見方は次のセクションで解説します。

この表の見方はこう読む。届出対象の確認手順

まず、計画している建築物の用途を一覧表から探す

次に、その行を右へたどり、延べ面積が該当する区分を確認

その面積区分に対応して、右ページの「整備項目」欄に〇が付いているものが、今回の届出対象となる整備項目

ケース1 【具体例で確認】300㎡の飲食店は届出が必要になる?

面積が200㎡を超えるため、このケースでは特定都市施設に該当し、届出が必要になります。
一覧表を右へたどり、●が付いている項目については、届出の中で適合していることを明示する必要があります。
例えば、②出入口には黒丸が付いているため届出対象の整備項目ですが、③廊下等は黒丸がないため対象外となります。

ケース2 【意外と見落としやすい】100㎡の物販店でも届出は必要?

このケースは延べ面積が200㎡未満の区分に該当するため、特定都市施設として届出が必要になります。
一覧表を右へたどり、★印が付いている項目についてのみ、届出の中で適合していることを明示します。
★印は三つしかないため、届出の項目は比較的少なくなります。
なお、200㎡未満であっても届出の対象となるため、極端に言えば5㎡程度の小規模な物販店であっても届出の手続き自体は必要です。

ケース3 【ここが分かれ目】700㎡のクリニックはどの条例が適用される?

このケースは延べ面積が500㎡を超える区分に該当するため、〇によりバリアフリー条例の対象となります。
そのため、確認申請の際にバリアフリー条例への適合性について審査が行われることになり、福祉のまちづくり条例の届出は不要となります。

用途と面積で該当箇所を探すんですね

まずは用途と面積で該当する区分を確認します。

該当する場合は届出が必要となり、右へ見て届出対象の項目について図面を作成し添付することになります。

対象になったら何をすればいい?届出までの流れ

特定都市施設に該当する場合は、所管する区市町村へ届出が必要

届出は工事に着手する30日前までに行う必要があり、配置図や平面図などの図面を添付して、基準への適合状況を示す必要がある

引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。 概要(P.概-6)

30日前までに届出が必要なんですね。

着工直前では間に合わないので注意します。

施行規則では「工事に着手する日の30日前まで」とだけ定められています。

そのため、確認申請を伴う場合は、着工の30日前と確認申請のうち、早い方を目安に届出の時期を考えると安心です。

東京都バリアフリー条例の対象になった場合、福祉のまちづくり条例の届出も必要ですか

東京都建築物バリアフリー条例の義務化対象となる建築物については、福祉のまちづくり条例の届出は不要です。
これは、確認申請の審査の中でバリアフリー条例への適合性が確認されるため、別途福祉のまちづくり条例の届出を求めていないためです。
この取扱いの根拠は、東京都福祉のまちづくり条例第18条第1項ただし書に定められています。

引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(P.1-16)

よくある誤解や疑問の一覧

東京都や23区のホームページに記載の解説をQA形式でまとめています。

東京都内はすべて同じ条例が適用されますか?

原則として東京都内の各市区町村が対象になっているようです。ただし、9区市(新宿区・世田谷区・練馬区・府中市・調布市・町田市・小平市・日野市・狛江市)では、各区市において定めた独自条例が適用されます。
なお、東京都バリアフリー条例・東京都福祉のまちづくり条例・独自条例の関係性については所管行政庁に確認することをお勧めします。

引用:東京都福祉のまちづくり条例 届出先区市町村一覧|
都市施設と特定都市施設はどう違うのですか?

特定都市施設は都市施設の中の一部という位置づけです。
まず用途として都市施設に該当するかを確認します。
そのうえで一定の規模を超えたものだけが特定都市施設になります。
例えばホテルは都市施設に該当しますが、延べ面積が1000平方メートルを超えると特定都市施設となり届出が必要になります。

都市施設と特定都市施設の関係性のイメージ図
引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。 概要(P.概-6)を参考に筆者が作成
引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。 概要(P.概-5)

左の列には都市施設に該当する用途が並んでいます。
その中で一定の規模を超えるものが特定都市施設となり右の列に示されています。

都市施設と特定都市施設のうち、どちらに該当するときに届出が必要になりますか?

届出が必要になるのは特定都市施設に該当する場合です。
都市施設にとどまる場合は、原則として届出は不要です。

引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。 概要(P.概-5)
完了検査は行われるのですか?

福祉のまちづくり条例では届出が義務付けられていますが、条例上の完了検査制度はありません。
ただし、整備基準にすべて適合しているとして整備基準適合証の交付を請求する場合は、現地確認が行われる可能性があります。
所管行政庁への事前確認をおすすめします。

特定都市施設に該当する場合、整備基準への適合は義務になりますか?

特定都市施設に該当する場合は、届出が必要となるだけでなく、整備基準への適合も義務となります。
一方で、都市施設に該当する場合は届出は不要であり、整備基準については努力義務にとどまります。

引用:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。 概要(P.概-6)
整備基準に適合していない場合、どのような対応が取られますか?

整備基準に適合しない場合は、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、指導や助言、報告の求め、勧告、公表といった段階的な措置が規定されているようです。

まとめ

東京都福祉のまちづくり条例の対象となる建築物は、用途と規模によって分類される都市施設のうち、一定規模以上のもの

このうち「特定都市施設」に該当する場合に限り、工事に着手する三十日前までに届出が必要

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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