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東京都安全条例|窓先空地の大きさ・窓の寸法・避難経路の幅をわかりやすく解説してみた!

東京都安全条例|窓先空地の大きさ・窓の寸法・避難経路の幅をわかりやすく解説してみた!

窓先空地の大きさはどれくらい必要?

令和7年4月に窓先空地の幅員の算定方法が変わったって本当?

窓の寸法やサイズ、決まりはある?

避難経路の幅はどのくらい必要?

ピロティ経由の避難経路の時、自転車駐輪場を設置することはできる?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

窓先空地の大きさは、当該窓先空地に面する住戸の合計面積で算定
(以前は「全住戸」の床面積の合計で算定。令和7年4月に改正されました)

耐火建築物の場合、面積を2倍に計算できる(緩和あり)

窓のサイズは有効で幅75cm×高さ120cm以上必要

窓先空地から道路まで、避難経路の確保が必要

ピロティ経由の避難経路の場合、自転車駐輪場が設置可能かは記事後半のQAで解説します

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この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

窓先空地とは?

共同住宅では、「窓先空地」または「道路」に面した窓を設置することが必要

さらに、その窓から避難できるように、「避難器具の設置」と「避難経路の確保」も必要

窓先空地を設けた計画
道路に直接面する窓を設けた計画

「窓先空地」の名称をよく聞きます


道路に面する窓とは、何が違うのでしょう?

住戸の窓の正面には「窓先空地」「道路」が必要です。


そのため、どちらかの計画にする必要があります。

道路が正面にあれば、窓先空地は不要ですか?

その場合、窓先空地は不要です。


「窓先空地」か「道路」のいずれかが必要だからです。

関連記事では、窓先空地の扱いや技術的助言のポイントも詳しく紹介しています。より理解が深まるので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

窓先空地の大きさは?

窓先空地の大きさは、「住戸の合計面積」で決まる

住戸の合計床面積窓先空地の幅
100㎡以下1.5m
100㎡~300㎡2.0m
300㎡~500㎡3.0m
500㎡超4.0m
住戸面積に応じた窓先空地のサイズ表
※この表は耐火建築物以外に適用され、耐火建築物の場合は次の表を用います

耐火建築物の時、先ほどの表の住戸面積を2倍にして、窓先空地のサイズを決めることができます。

いわゆる緩和規定です。

耐火建築物の場合

住戸の合計床面積窓先空地の幅
100㎡以下   →  200㎡以下1.5m
100㎡~300㎡ → 200㎡~600㎡2.0m
300㎡~500㎡ → 600㎡~1000㎡3.0m
500㎡超     → 1000㎡超4.0m
耐火建築物における住戸面積に応じた窓先空地の基準です。
先ほどの表と比べると、住戸面積の数値が2倍に設定されています。

耐火建築物だと、面積を2倍にして計算できるんですね。

都内は狭小敷地が多いので、窓先空地が納まらない場合、耐火建築物にする方法もあります。

耐火建築物のみ適用できる緩和規定のため、準耐火建築物ではダメです。

窓先空地を各住戸で兼用することは可能?

窓先空地を、各住戸で共用することは可能ですか?

窓先空地を共用することは原則できます。


東京都の技術的助言に記載されているので、参考にしましょう。

引用:東京都「東京都建築安全条例第19条の運用の明確化について(技術的助言)」

窓先空地の幅員算定に関する注意点とは?

<令和7年3月以前>
全住戸の床面積の合計で、窓先空地の幅員を決定
 
<令和7年4月以降>
当該窓先空地に面する住戸の床面積で、窓先空地の幅員を決めてよい

これまでは、「全住戸の床面積の合計」で窓先空地の面積を決めていました。

条例の改正があったのでしょうか?

図で説明してもらえると嬉しいです。

令和7年4月に安全条例の改正がありました。

連続しない窓先空地が複数ある場合、それぞれの住戸の面積で窓先空地の幅員を決定できるようになりました。


文章だけではわかりにくいため、図で説明します。

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

これまでは、住戸A~CとE~Gの6住戸の面積で窓先空地の幅を算定していました。


窓先空地が明確に分かれているのに、全住戸の面積を合算して算定するのは納得できませんでした。


住戸A~CとE~Gを別々に算定したいと考えていたのですが、令和7年の改正でそれが実現されたのですか?

令和7年4月の条例改正で、図に示す通り、「A~C」と「E~G」の窓先空地は別々に算定することになりました。


この改正により、より合理的な設計が可能になりました。


なお、DとHは道路に面した窓を持つ住戸なので、以前から面積算定から除外されています。

窓先空地の窓サイズについて

窓先空地の窓のサイズは幅750×高さ1200以上必要

引用:東京都「東京都建築安全条例第19条の運用の明確化について(技術的助言)」

このサイズは有効寸法ですか?

技術的助言に「避難時の出入りに支障ないよう開放できるものとする必要がある」と書かれています。

そのため、一般的には有効寸法を求めています。

引用:新宿区 道路又は窓先空地に直接面する窓について

窓先空地から道路までの避難経路とは?

窓先空地から道路まで、避難経路の確保が必要

避難経路の幅は、住戸の合計面積で決まる

窓先空地から道路までの避難経路幅

住戸の合計床面積避難経路の幅
200㎡以下1.5m
200㎡超え2.0m
住戸の合計面積によって、1.5mか2mの避難経路幅が必要

避難経路も必要なんですね

シンプルな敷地と建物であれば、避難経路の確保は比較的簡単です。


ただ、複雑な敷地や建物、道路の接道状況では、設計が難しくなることがあります。

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

窓先空地からの避難経路がピロティを経由しています。ピロティに駐輪場を設けてもよいのでしょうか?

一般的に、ピロティに設置する場合は自転車駐輪場と「避難上有効に区画すること」・「屋外に十分開放されていること」が必要になっているため、認められないケースも少なくありません。しかしながら、最終的には行政庁や指定確認検査機関の判断になるため、確認申請先に相談することをおすすめします。
※屋内側か屋外側か、平置きかどうかなど、設置方法によって判断する確認申請先もあるようです

(参考)技術的助言 「屋外に十分開放」・「避難上有効に区画」について

引用:東京都 東京都建築安全条例第19条の運用の明確化について(技術的助言)
防火避難規定の解説では、敷地内通路のピロティ内に平置き駐輪場が認められています。では、窓先空地からの避難経路で判断が異なる確認申請先があるのはなぜでしょうか。

敷地内通路のピロティ経由については、政令第128条に明確な規定がないため、防火避難規定の解説を参考にした運用が一般的です。
一方、窓先空地からの避難経路については、条例の本文に「屋外に十分開放」や「避難上有効に区画」と明記されているため、同一の扱いが難しいと考える行政庁や指定確認検査機関も少なくありません。

引用:東京都建築安全条例第19条第2項本文
ピロティに自転車駐車場を設置する際の取扱いを公開している行政庁や指定確認検査機関はありますか。

公開している行政庁は限られていますが、その中から参考になりそうな事例をご紹介します。

引用:大田区 窓先空地からの屋外通路における自転車駐車場等の取扱い

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

窓先空地ってなんのためにあるの?

どんな効果のある規定?

東京都は狭小敷地が多く、道路も狭いにも関わらず指定容積率が高いため、密集度が高いです。


窓先空地の規定で「採光と通風の確保」や「2方向避難の確保」が求められているため一定の効果はあると考えられます。

窓先空地で注意すべきことはありますか?

窓先空地内では、次の2点が必須です。


①採光、通風及び避難上支障となる障害物を設置しないこと

②避難上支障となる段差、傾斜を設けないこと

地階の住戸でも窓先空地は必要ですか?

地階にも窓先空地は必須です。


そのため、窓先空地として「からぼり」を設ける計画にする必要があります。

まとめ

窓先空地の大きさは住戸の合計面積で決まる


耐火建築物の場合、面積を2倍に計算できる(緩和あり)


窓のサイズは有効で幅75cm×高さ120cm以上必要

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この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁出身)×確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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