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審査・設計の実務で必須な本と、これまでの実務書の記録

この記事では、本サイトで提供している情報や解説の根拠となっている文献や資料を紹介します。
特に、昭和から平成初期に刊行された文献や、現在は絶版となっている実務書を優先的に取り上げています。審査や設計の実務で今も参考になる書籍についても順次紹介していく予定です。

審査・設計で必須な本

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書籍特徴お勧め度

建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例
建築確認の審査に携わる人であれば、一人一冊、机の上に置かれていることも多いほど、実務で頻繁に参照されてきた書籍
建築基準法の総則規定および集団規定について整理されており、条文解説にとどまらず、注意点についても言及されている構成になっている
審査や設計の場面で悩みやすい、接道長さ、用途規制、容積率、高さ制限、面積や階数の算定といった項目について、確認申請時に判断が分かれやすい論点を中心に、結論に至る考え方が示されている
日本建築行政会議が編集している書籍であるため、特定の行政庁に偏らず、全国的に一般的な実務資料として用いられている


日本建築行政会 編集
出版社:一般財団法人建築行政情報センター
出版日:2023年10月
本書は数年単位で内容の見直しや更新が行われています
★★★★★
建築物の防火避難規定の解説建築確認の審査を行う現場では、一人一冊持っていることも珍しくなく、判断に迷った際に繰り返し参照されてきた書籍
防火区画、内装制限、直通階段、非常用照明、排煙など、設計・審査の現場で混乱しやすい論点について、条文の背景と実務上の確認ポイントが紹介されている
設計者だけでなく、確認審査や行政協議に関わる立場の人が、判断の前提をそろえるために参照している実務書
編集主体が日本建築行政会議であることから、個別行政庁の独自運用に寄らず、全国レベルで共有されてきた実務資料


日本建築行政会 編集
出版社:ぎょうせい
出版日:2025年5月
本書は数年単位で内容の見直しや更新が行われています
★★★★★
確認申請[面積・高さ]算定ガイド建築確認申請において、基本となる「面積」と「高さ」の算定に特化して解説している
この一冊で、面積・高さの算定について簡潔に図解でまとめられており、全体を把握しやすい構成になっている
面積と高さを一体的に整理しているため、個別規定を横断的に確認したり、相互に比較しながら整理することができる編実務上で判断に迷いやすい点についても触れられている箇所が多く、細かな確認が必要な場面でも参照しやすい


ビューローベリタスジャパン株式会社建築認証事業本部 著
出版社:エクスナレッジ

出版日:2024年2月(第2版)
★★★★★
プロのための建築法規ハンドブック 六訂版 建築確認申請の中でも、実務で判断に迷いやすい部分を重点的に解説しており、「困りやすい点」「迷いやすい点」は本書を参照することで整理しやすい
専門知識が十分でない初学者であっても理解しやすいよう、考え方が平易に解説されている
内容が簡潔にまとめられているため、他の解説書と比べても把握しやすく、理解しやすい構成になっている
目次の構成がやや独特であるため、目的の項目を探す際に該当ページが分かりにくい場合がある
広く解説されている一方で、「建築申請memo」などの網羅性の高い実務書と比べると情報量は限定的であり、建築基準法の条文と本書だけでは補足資料が必要と感じる場面もある


建築規定運用研究会 著
出版社:ぎょうせい
出版日:2024年12月
本書は数年単位で内容の見直しや更新が行われています
★★★★★
建築申請memo建築基準法について、特定の条文や分野に限らず、全体を広く網羅的に解説している
概要にとどまらず、条文ごとの考え方や細かな論点まで整理されており、実務で確認が必要な点も拾いやすい構成になっている
毎年改訂・発行されているため、法改正や告示改正を反映した最新の内容を参照できる
建築基準法の条文だけでは理解しにくい場合や、規定の趣旨や背景が分かりにくい場面で併せて参照することで、制度全体への理解を深めやすい
情報量が多く、独特のレイアウトで構成されているため、読みやすさについては好みが分かれる面がある


建築申請実務研究会 編集
出版社:新日本法規出版株式会社

出版日:毎年1月頃
★★★★★
建築法規 図解建築申請法規マニュアル・確認申請memoのレイアウト作成が苦手な人に、特におすすめできる一冊

イラストや図表を豊富に用い、平易な表現で各種申請業務に必要な法規制をわかりやすく解説している

実務で迷いやすいポイントについて、随所に注目点として丁寧な補足解説がある

利用者目線で図解されており、「なぜそうなるのか」が直感的に理解できる構成

条文を読む前の整理や、申請書作成時の確認用として手元に置いておきたい実務書
建築申請memoと本書のどちらかを辞書的に参照する使い方が向いている

図解建築法規研究会 編集

出版社:第一法規株式会社

出版日:毎年1月頃
★★★★★
逐条解説 建築基準法 改訂版建築基準法の条文を一条ずつ取り上げ、立法趣旨・解釈・運用上の考え方を整理しているため、条文だけでは読み取れない背景を確認しやすい構成になっている
令和6年4月1日施行までの改正内容を反映しており、現行法令に基づいて条文理解を深めたい場面で参照できる最新版である
今回の改訂から上下巻構成となり、総則・集団規定から単体規定までを含め、建築基準法全体を網羅的に確認できる分量と構成になっている
逐条解説形式であるため、特定の条文について「なぜこの規定が置かれているのか」「どう解釈されてきたのか」を確認する用途に向いている
行政庁では、確認申請に限らず、許可・認定・認可・違反指導など幅広い相談や判断が求められるため、職場に備え付けがない場合は導入を検討してもよい一冊といえる
また、建築確認を扱う指定確認検査機関においても支店に一冊は置いておきたい実務資料
★★★★★
行政庁の職員に特にお勧めの一冊

建築基準法

昭和から平成初期に刊行された文献を中心に、現在は絶版となっている実務書を優先的に取り上げています。

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書籍特徴おすすめ度

建築基準法50講(第3版)
西欧やアメリカの集団規定と単体規定について解説がある
特定行政庁と建築主事について、詳細に解説されている
都道府県知事と特定行政庁の関係について説明あり(法的には別人格として地位を兼ねていない))
法律家の視点での解説が少し不足している


遠藤 浩 荒 秀 中村 博英/編
出版社:有斐閣双書
出版日:1983年3月
★★☆☆☆

新建築基準法50講
審査請求の成り立ちについて、詳細な説明がある
最高裁判例に加え、判事の反対意見も紹介されている
一般的な解釈に関する説明が中心となっている


荒 秀/編
出版社:有斐閣双書
出版日:1994年1月
★★☆☆☆
建築基準法の知識
すぐに役立つ建築基準法の知識
<改訂版>
当時の一般的な解釈が記載されている
一般的な解釈にとどまっている
現在では建築基準法の解説本が充実しているため、優先的に読まなくても可


遠藤浩 荒 秀 中村博英/編
出版社:有斐閣双書
出版日:1990年5月
★☆☆☆☆
建築基準法のチェックポイント
事例による建築基準法のチェックポイント
一般的な建築物の10事例をもとに、実際に法適合をチェックしている
審査のチェックリストがあり、要点や項目が整理されている
現在は法改正により、チェックリストを参考にすることができなくなった


建築基準法実務研究会編著
出版社:鹿島出版会
出版日:1997年4月
★☆☆☆☆
日影とその対策
だれにもわかる日影規制とその対策
日影規制の制定背景、用語の解説、日影図の作成方法が記載されている
緯度別の日差し長さの表も掲載されており、一冊で日影規制の内容が網羅されている
著者は日照基準専門委員会の委員である
工学的な考えに基づいた一冊工学的な視点に基づいた一冊であるが、著者は委員に過ぎないため、当時の建設省の考えと一致するかは不明(委員会は諮問機関であり、答申に拘束力はない)


武井正昭 (工学博士・日照基準専門委員)
出版社:オーム社
出版日:1978年9月

『日本近代建築法制の100年 ― 市街地建築物法から建築基準法まで』のP.372には、制定当時の職員へのインタビューが掲載されており、あわせて読むと理解がより深まります
★★★★☆

よくわかる改正都市計画法 建築基準法の要点
平成4年に改正された建築基準法と都市計画法における用途地域の変更内容が簡潔にまとめられている
用途地域が細分化され、これに伴い店舗や車庫の建築可能面積の変更前後について説明がある
車庫の建築可能面積が緩和された背景についても触れられている
新たに導入された誘導容積制度について、詳細な説明とその背景が記されている
許可条件を付けることができるように改正した理由も記載されている
木造3階建て共同住宅の建築が可能となった背景についても説明がある(従来、耐火または簡易耐火建築物にする必要があるため建築ができなかったが、簡易耐火建築物より広い準耐火建築物が導入され、これに伴い27条も改正された)
著者は弁護士であるが、法律家の視点からの解説がない(一方で、客観的な説明であるため正確性は非常に高く、わかりやすい)


上田智司 著 (弁護士)
出版社:法学書院
出版日:1992年7月
★☆☆☆☆

改訂3版
わかりやすい建築基準法
筆者は元東京都職員であるため、行政の視点から一歩踏み込んだ説明がされている
行政実例や判例を交えた具体的な解説があり、筆者の説明であるか、行政実例・判例であるか明確に示されている
東京都安全条例についても若干の説明があり、東京都特有の規定が紹介されている
東京都内における指定や事例の有無についても記述されている
東京都における高度地区の指定の時期について記載がある
日影規制の審査について東京都通達(昭和53年8月18日都市局建築指導部)が紹介されている
危険物の算定方法やその考え方についても若干ではあるが説明があり、行政の実務に役立つ情報が提供されている
一歩踏み込んだ説明文があるため非常に面白いが、求める内容によっては「質疑応答集」の文献で十分に対応できる


足利温司 著 (元東京都庁)
出版社:大成出版社
出版日:1988年12月
★★☆☆☆

図解
建築法規の学び方
簡潔な説明文で分かりやすい
図を用いた説明も豊富なため、初学者でも理解しやすい
一級建築士による解説のため、建築主事目線の解説ではない
簡潔で分かりやすく、初学者向きであるが、現在では建築基準法の解説本が充実しているため、優先的に読まなくても可


山田 修 著 (一級建築士)
出版社:オーム社
出版日:1988年10月
★☆☆☆☆
建築法規の変遷とその背景
明治から現在まで
市街地建築物法や建築基準法に加えて、旧・東京市条例についての説明も含まれており、興味深い内容になっている

市街地建築物法の立法の過程では、東京・大阪・名古屋・神戸・横浜といった大都市の意見も取り上げられており、当時の行政側の認識と、それぞれの都市の街並みと法のギャップが伺える
市街地建築物の条文の解説だけでなく、立法の趣旨や改正の背景についても詳細に記載されている
市街地建築物法が制定された当時の諸外国の建築規制について、詳細に説明されている
当時の建築線や工場(職工数・馬力)の変遷も取り上げられている
東京都建築安全条例の制定の経緯や、各種規制の制定理由が書いてある
東京都文京地区建築条例の制定の経緯について取り上げられている
道路幅員の「4m」の理由について記載されている
本書は制度の変遷や背景・立法の趣旨を扱ったものであり、個別の条文解釈に踏み込んだものではない



大河原 春雄 著 (旧警視庁建築課・東京都庁)
出版社:鹿島出版会
出版日:1982年6月

確認審査の実務に直接役立つ内容ではありませんが、読み物としては非常に興味深く、おすすめできる一冊です(★★★★★)
著者は多くの文献を発表しているため、いずれ一覧表に載せたいと考えています。
『日本近代建築法制の100年』とセットで読むとかなり面白いです。内容の重複もなく、違った視点で楽しめます。
★☆☆☆☆
新図解建築法規現在も発行されている書籍であり、当時としてもわかりやすい解説となっている
各規定について図を用いており、視覚的にも理解しやすい構成
当時の様式も掲載されていて、実務の参考になる
筆者自身の言葉で説明されているため、条項によっては非常に有益な解説となっている
避難階段の防火シャッター+くぐり戸が不可と明確に記載
立法の趣旨についての言及はない
現在も改訂版が市販されている書籍のた優先的に読まなくても可


水越 義幸 著 (元 建設省建築指導課建設専門官)
出版社:新日本法規出版
出版日:1984年3月
★★☆☆☆

図解でわかる建築法規 建築基準法&関連法令を豊富な例題で完全マスター
コンパクトに一冊にまとめられており、全体を通して読みやすい
解説は簡潔でわかりやすく、初学者にも理解しやすい構成
基本的な内容の解説が中心となっている(一部に筆者独自の表現あり)
シンプルにまとめられている反面、内容は一般的な入門解説書に近い
初学者には適しているが、現在は建築基準法の参考書が多く出版されているため、必ずしも優先して読む必要はない

高木 任之 著(元建設省)
出版社:日本実業出版
出版日:2000年8月
★☆☆☆☆

住宅設計の法規チェックリスト 第2版
筆者が元建設省の職員であるため、丁寧な解説となっており、随所に筆者の言葉での説明が見られる
図を使った説明が中心で、視覚的にも理解しやすい構成になっている
「東京都建築安全条例の全面対応版」と記載されているが、実際にはチェックリストが対応しているのみで、条例そのものの解説は非常に少ない

平尾寛 柳沢厚 井上勝徳 小林恭一
 (元建設省・国交省など)
出版社:彰国社
出版日:1996年3月
★☆☆☆☆(1.5)

建築法規入門
荒氏が担当した章は法律家ならではの視点から解説されており、他の文献には見られない記述がある
敷地の二重使用が認められない理由について、一敷地一建物の原則に基づき丁寧に解説されている。あわせて、確認済証が交付できる場合とできない場合についても判例を用いて具体的に言及されており、実務上の判断に役立つ内容になっている(P.104)
確認申請を不受理とした行為が違法とされた判例についての紹介がある(P.21)
計画変更に関する規定が整備される前の手続き方法や、変更時の対応について説明されている(P.36 重要でない細部の変更は12条報告で対処。なお、参考判例として横浜地裁昭和42年10月19日が紹介されており、「著しく同一性を欠く場合には改めて確認申請が必要だが、それ以外の場合には再確認は不要」としている)
「使用権のない土地上の建築に対する確認」について法律家視点がまとめられている(P.40土地の権利関係は民事なので確認とは別問題。確認を受けても所有権を奪われたことにはならないため、確認の取り消しを求める行政訴訟は厳格適格はない。権利関係の書類を求め、それが無い時に受理を拒否・確認の留保をすると違法のため、行政訴訟で取り消し・不作為の違法確認の訴え・国家賠償法の問題になる)
建築確認を受けた地位の相続・譲渡について法律家としての考えや都市計画法と比較した説明文が記述されている(P.42建築確認は、建築主が誰であろうと建築物の安全性が確保されていれば行政目的は達成。人的属性は重要視していない。しかし申請書の記載事項の変更のため12条報告を指導する。ただ、建築確認は対物性のため変更届出がなくても無確認にはならない。
代理人・設計者・工事管理者・施工者は申請書記載事項のため変更届を提出すべき)

その他の章は元東京都職員による解説だが内容は一般的であり、現在の豊富な建築基準法の解説書と比べると、優先して読む必要はあまりない

荒 秀 編 
出版社:有斐閣ビジネス
出版日:1995年2月
★☆☆☆☆
(荒氏の章は4)

五重塔と建築基準法
建築基準法以前の五重の塔の取扱いについて言及している(工作物になる。昭和26年12月22日建設省住宅局 住発第675号)
建築基準法に関する記述は非常に少なく、解説文献ではない

はまだかんじ 著 
出版社:山海堂
出版日:1983年6月

日本近代建築法制の100年  市街地建築物法から建築基準法まで
建築基準法の背景が丁寧に一冊にまとめられた貴重な文献(これほど体系的に整理された本は他にない)
根拠文献が明示されており、引用部分は鍵かっこ付きでわかりやすく整理されている
全てではないが、なぜその規制値になっているのかが理解できる
延焼ラインの「5m」に設定した背景や、「3m・5m」の基となった規則について言及がある(P.126 「実験により、5m離れていれば輻射熱による延焼が防げることが分かった」と記述がある。なお、防空建築規則第4条が元になっている(P.133))
包括同意基準を想定していることが読み取れる記述がある(P.250 「なお、条件の類似した許可が多数にのぼる場合は、審査会の議決によって事前に包括的に同意を得るようにすることも考えられる」)
著者の文章が、どの程度まで根拠文献に忠実に基づいているかは不明のため、可能であれば原典も確認した方がよい(ただし、出典が多いため現実的には難しい)

日本近代建築法制 100年史編集委員会 著 
出版社:(一財)日本建築センター
出版日:2019年6月

確認審査の実務に直接役立つ内容ではありませんが、読み物としては非常に興味深く、おすすめできる一冊です(★★★★★)
★☆☆☆☆
コンパクトに一冊にまとめられており、全体を通して読みやすい
解説は簡潔でわかりやすく、初学者にも理解しやすい構成
一級建築士による解説のため、建築主事目線の解説ではない
シンプルにまとめられている反面、内容は一般的な入門解説書に近い

井上 国博  木内 美知子 上岡 加奈 著
出版社:オーム社 
出版日:2008年8月
★☆☆☆☆
著者が不動産鑑定士かつ税理士であることから、民法や行政法の視点を踏まえた解説が丁寧に書かれている
日影規制について、過去の判例を踏まえつつ、民事的な側面も交えて解説されている。あわせて、適法な建築物に対して工事禁止の仮処分が認められた事例も紹介されている。※工事禁止仮処分のケースは非常に稀です(P.170~179)
日照保護理論の誕生となった富田浜結核病院事件の判例(安濃津地大正15年8月10日判決)について詳しく解説している(P.168~170)
建築確認の法的性質について、「確認説」と「許可説」の違いを判例に基づいて簡潔に整理している(P.56)
建築主事が見落としたまま確認済証を交付し、その内容に基づいて建築された場合でも、当該建築物は違反建築物となることが明記されている。なお、これは建築確認が「許可」ではなく「確認」と位置づけられているためである(P.57)
「着工」の定義について判例を用いて解説している。なお、「杭を1本打ち込んだだけで、法第3条第2項にいう建築中の建築物に該当するかは疑問である」とした東京高裁昭和52年12月27日決定にも一言触れている(P.66)
道路が廃止された場合、当該建築物は既存不適格ではなく違反建築物に該当するとの説明がなされている。また、既存不適格建築物として救済しようとした判例についても、判例文を引用しながら解説されている。なお、行政的立場は否定的とのこと(P.69、P.284)
42条1項4号については、「都市計画法第11条に基づく都市計画決定、および同法第60条による事業決定に基づき、事業決定前であれば指定が可能である」と説明されている。
※開発行為の場合には、42条1項4号の指定はできないのか?という点について判明次第、更新します(P.271)

道路の幅員の取り方について、関氏の『建築基準法の基本問題』をもとに簡潔にまとめている。なお、法第42条1項1号は「現実の道路の幅員」ではなく「観念上ないし台帳上の幅員」としている(P.281)
私道の廃止については、位置指定道路は廃道処分などの法的手続を経ることで、道路としての効力を消滅させることができると説明されている。一方で、現存する道路に門塀を設けて通行できない状態にしたり、物置を設置して道路形状を失わせても、それだけでは廃止にはならないと述べられている。なお、関氏の『建築基準法の基本問題』における道路法上の道路や私道の廃止に関する解説も、簡潔にまとめられている(P.285)
私道の廃止にあたって、どのような者が利害関係人に該当するかについて、民事的な側面も踏まえて解説されている(P.289)
空中権の移転に関するセクションでは、容積率を道路の反対側の敷地に移転することも可能であると述べられている。
その根拠として、「一団地の認定制度の運用改善に関する通達(昭和60年2月8日 住宅局長通達)」が紹介されている(P.349〜352)

法第6条の「命令」は、政令・省令・告示を指している(P.4)
違反建築物に対して是正措置を命じるか、あるいは行政代執行を行うかは、特定行政庁の裁量行為であるとされており、
命令や代執行を実施するか否かの判断は、あくまで特定行政庁に委ねられていることが、判例(第二審・東京高裁 昭和42年12月26日判決)を用いて解説されている。
また、特定行政庁は必ずしも是正命令を出す義務を負うものではなく、仮に命令を出さなかったとしても、隣地所有者等がそれを求める私法上の権利を有するわけではないことが明確に示されている(P.167)

他の書籍には見られない独自の視点からの解説があり、参考になる一方で、著者が建築主事ではないため、内容については読み手自身で咀嚼し、慎重に理解を深める必要がある。

鵜野 和夫 著
出版社:清文社 
出版日:1989年7月(第二刷)
★★☆☆☆
平成18年の大改正に関する解説が掲載されている
社会資本整備審議会の答申が収録されている(同様の内容は国土交通省ホームページにも掲載されている。なお、「第164回国会 衆議院 国土交通委員会 第20号(平成18年5月16日)」の議事録をあわせて読むと理解が深まる)
審査期間が最大35日延長できる理由についての説明あり(P.36 適合性判定では綿密な技術的審査が必要とされるため)
図書の保存期間を15年に定めた理由の概説あり(P.42 瑕疵担保期間が10年、大規模修繕の目安が15年であることを考慮)
特定行政庁が指定確認検査機関に立入検査を行い違反を把握した場合、指定権者への報告が義務付けられている(P.48 法第77条の31第3項)
確認審査報告書にチェックリストを義務付けた理由について説明あり(P.49 特定行政庁はチェックリストに基づき確認を行い、疑義がある場合は指定確認検査機関に詳細な報告を求めて法適合性を判断)
大臣認定プログラム使用時の扱いについて言及あり(P.86 計算過程の審査を簡略化可能。P.118 再入力・再計算により偽装防止を図る)
答申では「建築確認・検査の特例制度について適切に見直すべき」と言及されており(P.130)、令和7年4月1日の法改正で特例はようやく廃止された
適合性判定に関する制度や審査迅速化の法改正が進んでいるため、一部情報が現行制度と異なっている
構造規定の大幅な改正があったが、細かな説明は記載されていない
条文解説の本ではない

国土交通省住宅局建築指導課 監修 建築法制研究会 編集
出版社:第一法規 
出版日:2007年3月
★☆☆☆☆

判例・建築基準法
建築基準法に関する重要判例を網羅的に収録しており、実務者・学習者の両方にとって役立つ
各判例の争点が明確に整理されており、さらに著者(学者)による見解も加えられていて、思考の深掘りに最適
現在の建築実務では常識となっている判断も、判例の積み重ねであることを実感できる一冊
判例の背景や判断理由が丁寧に解説されており、建築主事・確認検査員の理解を助ける建築基準法の基本的な知識が一通りないと、内容を十分に理解するのは難しい
判例の背景や法的構造を理解するには、行政法の素養が前提となっている
収録されている判例は昭和期のものが中心で、平成・令和の最新判例は掲載されていない
現在の通説や実務運用とは異なる見解が含まれている可能性がある
最新の判例動向と照らし合わせながら読む必要がある点には注意が必要

広岡 隆 著
出版社:有斐閣
出版日:1990年11月
★★★★★
建築主事・確認検査員にお勧めの一冊

建築法規
第2版増補
「特別法コンメンタール」の著者としても知られる矢吹氏が本書を執筆している
「認定:法律上の用語としては、公の権威をもって事実又は法律関係の存否を核にすることとされ、ほぼ確認と同期どされている、ただ、建築基準法のなかでは、許可に近い意味合いで用いられることもある(法44条1項)」と述べており、建築基準法における「認定」の定義に正面から言及している、非常に珍しい文献である
市街地建築物法の制定以前の規制や、建築基準法の成立経緯、消防同意の導入背景などが整理されている
建築基準法の変遷について、簡潔で視覚的にわかりやすくまとめられている
都市計画法の成立の流れについても、要点がコンパクトに整理されている
他書には見られない独自の視点での解説が多く、実務上も参考になる
一方で、紙面の都合上、各項目の解説は簡潔にとどめられている印象がある



矢吹 茂郎 著・ 加藤 健三 著
出版社:共立出版
出版日:2015年9月
★★☆☆☆

基礎から学べる 図解 建築法規ハンドブック
全体を一冊にコンパクトに整理しており、通読しやすい構成
説明は端的で明快、表や図も使っており、建築基準法の初学者にも取っつきやすい内容
審査実務に携わる方にはおすすめできる内容であるが、最新の法改正には対応しているものはない

建築規定運用研究会 著
出版社:ぎょうせい
出版日:2009年9月
★☆☆☆☆

建築法規の精神と解説 改訂版
数少ない市街地建築物法の解説書
戦災都市における建築物の制限に関する件(バラック令)・臨時建築制限規則・特殊建築物規則・緑地地域についても解説がある、非常に珍しい一冊
市街地建築物法から建築基準法に引き継がれている条項もあるが、ここまで遡って確認するケースは少ない

確認審査の実務に直接役立つ内容ではありませんが、読み物としては非常に興味深く、おすすめできる一冊です(★★★★★)

南雲義治 著
出版社:警眼社
出版日:1949年7月
★☆☆☆☆

改正建築基準法による建築法規
筆者が元東京都職員のため、各定義について丁寧な解説があり、随所に筆者自身の言葉による説明が見られる(他書にはない説明文あり)
1項4号道路を「計画した道路について市町村が都道府県知事の認可を得て事業を行う予定の道路」と記載しており、他書にはない一歩踏み込んだ表現がある
現在は建築基準法の参考書が多く出版されているため、必ずしも優先して読む必要はないが、特定条文を深く調べる際には、その条文のみ読む使い方がおすすめ

関田一郎, 野村歓 著
出版社:理工図書
出版日:1993年10月

以下は旧版
・建築法規 新版 1977年5月
・建築法規 (建築教程新書 第7)   1959年
・建築法規 (建築教程新書 第10) 1957年
★★☆☆☆

三版 イラスト建築防火
防災・防火についてイラストで解説されており、視覚的にもわかりやすい
防火・防災分野に特化した、他に類を見ない書籍
巻末に告示等がまとめられており、実務でも活用しやすい
初学者に特におすすめできる一冊
初学者以外にも興味深い内容だが、やや物足りなさを感じる場合もある

たかぎただゆき 著  小林恭一 監修 井上勝徳 監修
出版社:近代消防社
出版日:2023年7月
★★☆☆☆

建築技術講座 第8巻
建築法規
昭和33年に刊行された書籍のため、文体や語彙に当時の時代背景が色濃く反映されており、現代とは異なる“丁寧で格式ある表現”が多く見られる。
法解釈そのものは現在と大きく変わらず、建築基準法の原理原則が長く受け継がれていることを実感できる。一方で、当時の行政実務や技術的前提を踏まえた説明が随所に書かれている。
図が手書きだったり、写真が随所に載っているため、独特で、当時の建築事情や社会状況を垣間見ることができる。現在では当たり前となっている前提が、当時はまだ議論途上であったことも伝わってくる。

南幸治 等 編
出版社:共立出版
出版日:1958年5月
★★☆☆☆

建築法規サブノート 全訂新版
筆者は元東京都職員であるため、東京都安全条例についても若干ながら補足説明がある。
東京都内における建築協定や駐車場条例の事例について紹介されている。
P.115には、2以上の直通階段を緩和するために必要とされる「屋外通路」について、図付きで解説された非常に稀な内容が掲載されている。

松浦弘明, 生川晃之輔 共著
出版社:理工図書
出版日:1988年4月
★★☆☆☆

新版 建築法規の手引き
キーワードごとに関連する法規の条項が整理されており、必要な条文を素早く探せる構成になっている
条文の趣旨や考え方を解説する本ではなく、どの法規・どの条項に当たるかを把握するための資料である
建築基準法の解説本ではない
現在は「新しい建築法規の手びき」に引き継がれているようである

小野隆正 著
出版社:井上書院
出版日:1983年3月
★☆☆☆☆

注意事項

個人の感想に基づいて作成しています。
読者の背景や知識によって感じ方が異なるため、参考程度にご覧ください。
おすすめ度は、「審査請求の弁明書の参考として適しているか」という観点での目安です。
評価が低いからといって、その文献自体の価値を否定するものではありません。

民法

スクロールできます
書籍特徴お勧め度

民法(全))
第3版
総則から相続まですべての分野がコンパクトにまとまっているため、全体像を把握しやすい
通読も可能な分量であるから、制度相互間の関係を一冊で把握しやすい
初学者にはやや難しいが、他の基本書でインプットを終えた後の知識確認には適している
個々の論点について深い記述はされていないため、論点の理解を深める目的には適していない


潮見 佳男 著
出版社:有斐閣
出版日:2022年3月
〔第3版補訂版〕も出ています。
★★★★★
行政庁の職員にお勧めの一冊

(司法法試験の受験者にも利用される一冊です)

民法の基礎1 総則
ケーススタディ形式に加え、基礎から丁寧に解説されており、理解しやすい構成になっている
要件・効果・趣旨・必要な学説がバランスよく整理されている
事案は簡潔に示され、その後に解説が続くため、色分けも相まって視覚的にも読みやすい
本文の説明がわかりやすく、初学者でも参考になる内容
全てを理解するには高度な内容も含まれており、司法試験受験者レベルの知識が求められる


佐久間 毅 著
出版社:有斐閣
出版日:2020年4月
★★★★★
行政庁の職員にお勧めの一冊

(司法法試験の受験者にも利用される一冊です)

行政法

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書籍特徴お勧め度

行政法
第7版
コンパクトにまとまって通読はしやすい
体系的で非常に分かりやすい
コンパクトにまとまりすぎていて、初学者にはやや不向き
理由や背景の説明が簡素なため、初学者には深い理解を得るのは難しい


櫻井 敬子 橋本 博之 著
出版社:弘文堂
出版日:2025年2月
★★★★★
行政庁の職員にお勧めの一冊
(司法法試験の受験者にも利用される一冊です)

行政法概説
行政法の基本概念から判例まで幅広くカバーしており、網羅性が高い
文章が読みやすく、法律初学者でも読みやすい
解説の質が高く、理論だけでなく判例の位置づけや趣旨に触れているため、理解が深まる
実務で特定の論点に直面した際、必要な箇所をピンポイントで読む使い方が特に有効
実務上の疑問点に直面したときには、『行政法 第7版』よりも本書をおすすめできます
ページ数が多く分量があるため、初学者には全体を通読するのは不向き


宇賀 克也 (東京大学名誉教授、最高裁判所判事)/著
出版社:有斐閣
出版日:2023年8月
★★★★★
行政庁の職員に特にお勧めの一冊

行政判例ノート
行政法分野の主要判例をコンパクトに整理している
重要判例が網羅的にまとめられている
事実や判旨についてコンパクトにまとまっており読みやすい
初学者にも読みやすくまとめられていますが、収録判例が多いため、一通り理解しながら読み進めるには時間を要する


橋本 博之 著
出版社:弘文堂
出版日:2023年3月
★★★★★
行政職員にも有益な判例も収録されています