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【2025年改正】東京都建築安全条例が変わる!窓先空地が緩和へ!技術的助言をわかりやすく解説

東京都安全条例が令和7年4月に改正!窓先空地が緩和へ!技術的助言を解説してみた!

令和7年4月施行の安全条例の改正内容について知りたい!

窓先空地が見直されるってホント?

参考資料はある?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこれ!

窓先空地は避難規定を合理化により、建築計画の多様化に対応できるように。

新たに「窓先の空間」が追加

令和7年3月31日に技術的助言が出ているため参考になる!

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この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

窓先空地の改正のポイントは?

(1)窓先空地に代わる「窓先の空間」が新設
 (代替の避難経路を確保した2階以上に限ります)


(2)窓先空地に面する住戸の幅員算定が合理化

1階や2階が店舗や事務所の場合、代替の避難経路を設けた「窓先空間」であれば、窓先空間の下に建物や植栽を設置できると聞きました。

他にも改正点が多くて、ポイントがたくさんありますね。

今回の改正は非常に大きな内容です。

共同住宅の設計において自由度と選択肢が広がり、より合理的な規制となるよう改正が行われました。

窓先の空間とは?

採光及び通風上有効な空間のこと

窓先空地と異なり、「窓先の空間」の下に工作物や建築物や植栽の設置ができる

※窓先空間は代替の避難経路が確保されている2階以上に限ります!

※1階が共同住宅の時は窓先空地が必要なため、工作物や建築物の設置はできません

文章では窓先空間がイメージしにくいです。

窓先空地も上空に空間があるため、窓先空間との違いがわかりません。

画像の通り、窓先空間は宙に浮いている状態です。

そのため、例えば1階が共同住宅以外の場合、空間の下には規制がありません。
(1階が共同住宅の場合、窓先空地が必要で規制がかかります)

したがって、空間の下には建物や工作物を設置できます。

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

窓先空間にする条件とは?

「屋内の代替避難経路」または「屋外の代替避難経路」のどちらかの設置が必要

これも新たに制定された内容ですか?

窓先空間と一緒に制定された避難経路を指しています。


この代替避難経路がないと、窓先空間になりません。

①屋内の代替避難経路とは?

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)を一部加工

「避難上有効なバルコニーから地上の窓先空地に降りる」のではなく、
代替措置として屋内の避難経路を別で確保するということですか?

そのとおりです。


「避難上有効なバルコニー代替の避難経路屋外通路道路」
の順で避難経路を確保することにより、1階の窓先空地だった部分に建築物や工作物の設置できるようになります。


もちろん、建築物などの設置ができるのは、1階が店舗や事務所など、共同住宅以外の用途の場合です。

(1階が共同住宅の時、窓先空地が必要なため建築物の設置ができない)

代替の避難経路を設置して「窓先空間」とした場合、どんなメリットがありますか?

図のケースの場合、改正前は店舗前は窓先空地のため何も設置できません。

改正後は、店舗前に駐輪場を設置したり、さらに植栽を行って緑化を確保することができます

行政庁によっては、駐輪場や緑化の義務が厳しかったので、設計者にとって実務上の負担軽減が期待されます。

条例改正で合理化が進み、設計の選択肢が増えると思います。

この図では屋内の代替避難経路について説明していますが、他に代替措置はありますか?

東京都の技術的助言では、2つのパターンが用意されています

①「屋内の代替避難経路」
②「屋外の代替避難経路」


今回は「①屋内」のケースを説明しましたので、次は「②屋外」のケースを解説します。

②屋外の代替避難経路とは?

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

屋外の代替避難経路も認められているんですね

屋外の代替避難経路も認められています。

どちらにするかは設計者が選べます。

代替の避難経路の基準とは?

代替避難経路に基準はありますか?

どんな経路でもよいのでしょうか?

幅や防火区画は必要ですか?

もちろん基準はあります。

概要は次の通りです。

<屋内の代替避難経路の概要>
・避難上有効なバルコニー又は器具等を設置
・幅1.2m以上
・避難経路は耐火構造の壁で区画又は防火区画


<屋外の代替避難経路の概要>
・避難上有効なバルコニー又は器具等を設置
・外気に開放された部分
・避難経路は耐火構造又は防火設備で区画
・幅60㎝以上で。
・隔て板は有効幅員が60㎝以上

どちらが設計しやすいかは建築計画によるかと思います。

基準の詳細は技術的助言のP.11とP.12に記載されています。

ぜひご確認ください!

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)を抜粋

窓先空地に面する住戸の幅員算定の合理化とは?

文章だとわかりにくいので、図で説明します。

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

今までは、A・B・CとE・F・Gの6つの住戸の面積合計で、窓先空地や屋外通路の幅を算定していました。


窓先空地と避難経路は別々なのに、建物全体で算定する必要があり、納得できませんでした。

そのような意見は行政庁にも指定確認検査機関にも届いており、審査側も不思議に思っていました。

今回は見直しがあり、別々に算定できるようになり、合理的になりました。

「窓先の空間」がある場合、住戸の面積の算定はどうなりますか?

技術的助言ではその点も解説があります。

図と技術的助言の本文を熟読することをお勧めします。

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)
別々で算定できる例

引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)
このケースでは、窓先の空間と、窓先空地の幅員算定は住戸の面積の取り方が異なる
「窓先空地を小さくするために、代替の避難経路と窓先空間を設置する」といった設計はできないようである。
引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場で本当によく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

「窓先の空間」の幅はいくつ必要ですか?

従前と同様に、窓先空地と同じ幅が必要です。
今回の改正では、この空地の必要幅に関する緩和はありません。
(見直しがあったのは、「幅員の算定方法の合理化」です。)

窓先空地の規定が見直された結果、設計しやすくなりますか?

従前より合理的な設計が可能となり、設計の幅や選択肢が広がったと感じます。

また、東京都建築安全条例の窓先空地の規定は、これまで審査側でも判断に悩むことが多い内容でした。
今回の技術的助言により具体的な考え方が示されたことで、設計者・審査側の双方が共通認識を持ちやすくなり、実務上も扱いやすくなったと感じます。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

指定確認検査機関と行政庁、どちらに相談すればよいですか?

通常通り、申請先を決めて審査担当者と協議を重ねることをお勧めします。

公園に面していれば、窓先空地が不要でも問題ないように思われますが。

今回はその規定について改正は行われないのでしょうか。

パブリックコメントで改正の要望を出した人がいます。

しかしながら、東京都の見解として
「公園に直接面している場合でも、将来にわたり災害時の避難手段の確保を図るとともに居住環境の悪化を防ぐため、敷地内に窓先空地を設ける必要があります。」
とのことです。

そのため、引き続き窓先空地は敷地内に設ける必要があります。

引用:東京都庁:「東京都建築安全条例の見直しの考え方(案)」への意見募集結果

まとめ

窓先空地は避難規定を合理化により、建築計画の多様化に対応できるように。

新たに「窓先の空間」の概念が追加

令和7年3月31日に技術的助言が出ているため参考になる!

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この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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