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令和7年4月改正の東京都安全条例の「窓先の空間」とは?図で解説してみた!

令和7年4月改正の東京都安全条例の「窓先の空間」とは?図で解説してみた!

窓先の空間ってどんな規定?

窓先空間にするための条件やメリットは?

参考資料はある?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこれ!

窓先の空間とは、令和7年に新たに制定された「採光及び通風上有効な空間のこと

窓先の空間とするためには、「代替の避難経路」が必要

窓先空間の下は規制がないため、地上部分に建物や工作物を設置できる

技術的助言が出ているので、設計や審査の参考になる!

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この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

窓先の空間とは?

採光及び通風上有効な空間のこと

窓先空地と異なり、「窓先の空間」の下に工作物や建築物・植栽の設置ができる

※窓先空間は「代替の避難経路が確保されている2階以上」に限ります!

※1階が共同住宅の時は窓先空地が必要なため、工作物や建築物の設置はできません

文章では窓先空間がイメージしにくいです。

窓先空地も上空に空間があるため、窓先空間との違いがわかりません。

画像の通り、窓先空間は宙に浮いている状態です。

そのため、例えば1階が共店舗の場合、空間の下には規制がありません(1階が共同住宅の場合、窓先空地が必要で規制がかかります)

したがって、空間の下には建物や工作物を設置できます。

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

窓先空間にする条件とは?

「屋内の代替避難経路」または「屋外の代替避難経路」のどちらかの設置が必要

これも新たに制定された内容ですか?

窓先空間と一緒に制定された避難経路を指しています。

この代替避難経路がないと、窓先空間になりません。

①屋内の代替避難経路とは?

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)を一部加工

「避難上有効なバルコニーから地上の窓先空地に降りる」のではなく、
代替措置として屋内の避難経路を別で確保するということですか?

そのとおりです。

「避難上有効なバルコニー代替の避難経路屋外通路道路」
の順で避難経路を確保することにより、1階の窓先空地だった部分に建築物や工作物の設置できるようになります。

もちろん、建築物などの設置ができるのは、1階が店舗や事務所など、共同住宅以外の用途の場合です。

(1階が共同住宅の時、窓先空地が必要なため建築物の設置ができない)

代替の避難経路を設置して「窓先空間」とした場合、どんなメリットがありますか?

図のケースの場合、

改正前は、店舗前は窓先空地のため何も設置できません

改正後は、店舗前に駐輪場を設置したり、さらに植栽を行って緑化を確保することができます

行政庁によっては、駐輪場や緑化の義務が厳しかったので、助かります。

条例改正により合理化が進み、設計の選択肢が広がります。

この図では屋内の代替避難経路について説明していますが、他に代替措置はありますか?

東京都の技術的助言では、2つのパターンが用意されています

①「屋内の代替避難経路」
②「屋外の代替避難経路」

今回は「①屋内」のケースを説明しましたので、次は「②屋外」のケースを解説します。

②屋外の代替避難経路とは?

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

屋外の代替避難経路も認められているんですね

屋外の代替避難経路も認められています。

どちらにするかは設計者が選べます。

代替の避難経路の基準とは?

代替避難経路に基準はありますか?

どんな経路でもよいのでしょうか?

幅や防火区画は必要ですか?

もちろん基準はあります。

概要は次の通りです。

<屋内の代替避難経路の概要>
・避難上有効なバルコニー又は器具等を設置
・幅1.2m以上
・避難経路は耐火構造の壁で区画又は防火区画



<屋外の代替避難経路の概要>
・避難上有効なバルコニー又は器具等を設置
・外気に開放された部分
・避難経路は耐火構造又は防火設備で区画
・幅60㎝以上で。
・隔て板は有効幅員が60㎝以上

どちらが設計しやすいかは建築計画によるかと思います。

基準の詳細は技術的助言のP.11とP.12に記載されています。

ぜひご確認ください!

引用:令和7年東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)

窓先空間の注意点は?

2階以上のみ窓先空間が認められる

1階に共同住宅があると窓先空地が必要で、地上部分に建築物の設置ができない

「窓先の空間」は2階以上のみ設置可能です。

そのため1階に共同住宅があると窓先空地が必要です。
(1階は窓先空間にできません)

この場合、窓先空間の下は窓先空地のため、建築物の設置ができません。

窓先空間のメリットは?

1階が店舗などのテナントの場合、窓先空間の下を有効に活用できます。

1階がテナントの場合、前面は窓先空地のため、駐輪場や植栽を設置できませんでした。

加えて、窓先空地から屋外通路を設ける必要があり、制約が多くなっていました。

以前は窓先空地になるため何も設置できませんでした。

そこで、「代替の避難経路を設けて窓先空間を設置」の計画であれば、テナント前に駐輪場や植栽を計画できます。

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、審査の視点でシンプルにお答えします。

この規定を採用している建築計画は多いですか?

1階が共同住宅の場合は、この規定は適用できません。
そもそも、1階を店舗や事務所とする建築物は一定数あるものの、実際には「1階も含めて共同住宅」である計画のほうが多い印象です。
そのため、この規定が適用されるケース自体が限られているのかもしれません。

便利な緩和規定ですが、結局どこがネックになるのでしょうか?

・1階が共同住宅ではないことが前提となる点
・代替の避難経路を別途確保する必要があるため、窓先の空間を前提に設計を始める必要がある点

まとめ

窓先の空間とは、令和7年に新たに制定された「採光及び通風上有効な空間」のこと

窓先の空間とするためには、「代替の避難経路」が必要

窓先空間の下には規制がなく、地上部分に建物や工作物を設置できる

令和7年3月に技術的助言が出ている

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ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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