
建築基準関係規定って何のこと?
みなし規定とはどう違うの?
具体的に何条かもりたい!
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
建築基準関係規定とは、建築確認の審査で適合しているかをチェックされる法律のこと
「建築基準関係規定」と「みなし規定」は定義こそ異なりますが、どちらも審査対象になる点では同じ
「建築基準関係規定」「みなし規定」さらに間違えやすい関連法令を一覧にまとめたので、この機会に整理しておくのがおすすめ



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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建築基準関係規定とは?
建築基準関係規定とは、政令第9条で定められた確認申請で審査の対象となる「建築基準法以外の法律」のこと



他の法律も対象になるんですか?てっきり建築基準法だけかと…



建築基準法だけじゃなく、消防法や都市計画法なども建築基準関係規定に含まれます。
そのため、それらの法律にも適合していないと、確認済証はもらえません。
どの法律が関係規定にあたるのか、きちんと把握しておくことが大切です。
どの法律が関係規定になるの?



どの法律の、どの条文が関係規定になるのか知りたいです。
まぎらわしい法律もあれば、あわせて教えてほしいです。



一覧にまとめたので、ぜひご覧ください。
建築基準関係規定 (審査の対象)
| 法令 | 条文 | 規制の概要 |
|---|---|---|
| 消防法 | 第9条 第9条の2 第15条 第17条 | 火の使用に関する規制の市町村条例への委任 住宅用防災機器の設置 常設映画館等の映写室の規格 消防用設備等の設置及び維持 |
| 屋外広告物法 | 第3条から第5条 | 広告物等の制限 |
| 港湾法 | 第40条第1項 (第50条の5第2項) | 分区内の規制 |
| 高圧ガス保安法 | 第24条 | 家庭用設備の設置等 |
| ガス事業法 | 第162条 | 基準適合義務 |
| 駐車場法 | 第20条 (都市再生特別措置法第19条の14、第62条の12及び第107条、 都市の低炭素化の促進に関する法律第20条) | 建築物の新築又は増築の場合の駐車施設の附置 |
| 水道法 | 第16条 | 給水装置の構造及び材質 |
| 下水道法 | 第10条第1項、第3項 第25条の2 第30条第1項 | 排水設備の設置等 排水設備の技術上の基準に関する特例 都市下水路に接続する特定排水施設の構造 |
| 宅地造成及び特定盛土等規制法 | 第12条第1項、第16条第1項、第30条第1項及び第35条第1項 | 宅地造成に関する工事の許可・変更の許可等 特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の許可・変更の許可等 |
| 流通業務市街地の整備に関する法律 | 第5条第1項 | 流通業務地区内の規制 |
| 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律 | 第38条の2 | 基準適合義務 |
| 都市計画法 | 第29条第1項、第2項 第35条の2第1項 第41条第2項(第35条の2第4項) 第42条(第53条第2項) 第43条第1項 第53条第1項(第52条の2第2項) | 開発行為の許可 変更の許可等 建築物の建ぺい率等の指定 開発許可を受けた土地における建築等の制限 開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限 都市計画施設等内の建築許可 |
| 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法 | 第5条第1項~第3項(同条第5項で準用) | 航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区内における建築の制限等 |
| 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律 | 第5条第4項 | 自転車等の駐車対策の総合的推進 |
| 浄化槽法 | 第3条の2第1項 | 合併処理浄化槽設置の義務 |
| 特定都市河川浸水被害対策法 | 第10条 | 排水設備の技術上の基準に関する特例 |
みなし規定 (審査の対象)
| 法律 | 条文 | 規制の概要 |
|---|---|---|
| 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 | 第14条第1項~第3項(第4項) | 特別特定建築物の建築主等の基準適合義務等 |
| 都市緑地法 | 第35条 第36条 第39条第1項 (第41項) | 緑地地域における緑化率 一の敷地とみなすことによる緑化率規制の特例 地区計画等の区域内における緑化率規制 |
| 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律 | 第10条 | 建築主の基準適合義務 |



建築基準関係規定が17個、みなし規定が3つあります。
あわせて20個の法律が建築確認の審査対象です。
紛らわしい法律は?



建築基準関係規定と間違えやすい紛らわしい法律をまとめました。
もちろん、これらは確認審査の対象外です。
間違えやすい規定(審査の対象外)
| 法律 | 条文 | 規制の概要 |
|---|---|---|
| 都市計画法 | 第58条の2 | 地区計画区域内の行為の届出 |
| 都市計画法 | 第65条 | 都市計画事業の認可を受けた都市計画施設等における建築の制限 |
| 土地区画法 | 第76条 | 土地区画整理事業施行地区内で建築行為 |



地区計画って関係規定だって聞いたことがあります。
でも、それって審査の対象なんですか?



ちょっとややこしいですが、整理するとこうなります。
「地区計画の届出」は審査の対象外。
でも、「地区計画条例」は審査の対象です。



じゃあ、地区計画条例は関係規定ってことでいいんですよね?



地区計画条例は建築基準法に基づく条例であり、「政令9条で定める建築基準関係規定」とは区別されます。
この点は実務でも混同されやすいため、整理して理解しておくことが大切です。
<補足>
「建築基準法令の規定」と「政令第9条による建築基準法関係規定」は異なります。混同されやすい部分ですが、用語の違いを意識しておくと安心です。
つまり、地区計画条例は「建築基準法令の規定」です。「建築基準関係規定」は一般的に政令第9条を指しています。



土地区画整理法76条の許可を担当している職員に、「許可通知書がないと確認済証は交付できない。確認申請時に許可通知書を添付すること。」と言われたことがあります。



土地区画整理法76条の許可は、建築確認の審査対象ではないので、法令上は添付は求められていません。
この対応は、違反防止を意識した結果と考えられます。法令上は添付不要ですが、実務では慎重に求められるケースもあるため注意が必要です。
※なお、関係規定ではないにせよ、確認済証と76条の許可が両方そろわないと着工できない点には注意です。
行政に携わった経験を踏まえて



開発行為の完了検査って関係規定なんですか?
もし違うなら、「開発行為の検査済証」がなくても「建築物の検査済証」はもらえるんですか?



法令上は、開発行為の検査済証がなくても建築物の検査済証の交付自体は可能とされています。
ただ、それを実行すると、建築主事や確認検査員が開発行為と同じような検査をしなければならなくなります。
でも、建築主事が開発許可の内容や図書まで把握しているわけではないので、現実的には難しく、実務上は関係規定に近い扱いをされることもあります。



そもそも、なんで「みなし規定」なんてものがあるんでしょうか?
政令9条で関係規定としてまとめたほうが、わかりやすくないですか?



この理由については、文献に記載があります。
他法令においてその規定の一部を建築基準関係規定とみなす規定としたことについては、2002 (平成14)年のハートビル法の改正時における法制局審査において議論があったとのことである。
その中で、従来のように建築基準法施行令で規定してもよいが、他法令で規定することも可能との見解を得、規制としての実効性を担保するため、 建築確認手続きの一環として基準の適合性審査を行うことを国会で明確に定める趣旨から、他法令にみなし規定として定めることとしたとしている。
引用:日本近代建築法制の100年 市街地建築物法から建築基準法まで P.457



昔って、建築基準関係規定がはっきりしていなかったって本当ですか?



当初は関係規定が法律で明確に示されておらず、後年の通達で整理されました。
昭和61年になって、ようやく通達で「建築確認の対象となる法令」が17個と明示されました。
「建築確認対象法令について」 (昭和61年3 月28日付け建設省住指発第80号 建設省住宅局建築指導課長通知)の通達が発出され、建築確認対象法令として、消防法等の17の法令が示されている。
その中で、次のような建築確認対象法令の基準が示されている。・制度の趣旨及び目的が建築基準法の趣旨及び目的と異ならないこと
・具体的な技術的基準であること
・裁量性の少ないものであること
・原則として、営業許可、公物管理上の許可等に係るものでないこと
引用:「日本近代建築法制の100年 市街地建築物法から建築基準法まで P.457」を抜粋・一部加工



その後、1998年(平成10年)の法改正で建築確認が民間に開放されたことを受けて、政令第9条で建築基準関係規定が明確に定められました。
当時は14の法令しか対象ではありませんでしたが、現在では20の法令が建築基準関係規定として位置づけられています。
まとめ
建築基準関係規定とは何か、スッキリ整理!
・政令9条の位置づけ
かつては関係規定が明示されておらず、昭和61年に通達で初めて整理。平成10年の法改正で政令9条により正式に明記
・建築基準関係規定とは
建築基準法以外にも、建築確認の審査で適合が求められる法律のこと
現在は17の法令+みなし規定3つ=計20件が対象
・みなし規定との違い
法的な定義は異なるが、審査上は同様に扱われる
「関係規定」と「みなし規定」は混同されがちなので要注意
・地区計画・土地区画整理法などの誤解
地区計画条例は「建築基準法に基づく条例」であり関係規定ではない
土地区画整理法76条許可も関係規定ではなく、許可強化通知書は添付不要であるが、現場では事実上求められることも
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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