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採光計算とは?採光補正係数の計算方法をわかりやすく解説してみた

採光計算とは?採光補正係数の計算方法をわかりやすく解説してみた

採光計算ってなに?

どうやるの?

補正係数の取り方を詳しく知りたい!

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

採光計算とは、居室に必要な「光を取り入れる窓の面積」を算出すること

計算式は「床面積 × 用途別の割合 ≤ 窓の面積 × 採光補正係数」

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

採光計算の基本をおさえよう

採光計算とは、居室の「外から光を取り込む窓の面積」を計算すること

必要な採光面積を確保するには、次の式を使います

「居室の床面積 × 表1の割合 ≦ 窓の面積 ×表2の採光補正係数

 表1:用途ごとに決まった「必要な割合」)

法文建築物の居室割合
法第28条(令第19条)
※絶対的に必要な採光面積を定めたルール
幼稚園、学校の教室
保育園の保育室
1/5
住宅、共同住宅1/7
病院、寄宿舎、児童福祉施設等の寝室および居室1/7
病院・児童福祉施設等の居室のうち入院患者や入所者が談話や娯楽などで使用するもの1/10
法第35条
法第35条の3
※防火や避難規定のある建築物で適用
全ての居室1/20

表2:採光補正係数

用途地域算定式
住居系D/H×6-1.4
工業系D/H×8-1
商業系D/H×10-1
補正係数は、窓の前にある建物や距離に応じて減点調整される数値です。
Dは窓から隣地境界線や建物までの水平距離Hは窓の中心から建物上部までの垂直距離
用途地域に応じて係数の計算式が異なります。

天窓の場合×3倍で補正、縁側の場合×0.7倍で補正
※ただし、採光補正係数の上限は「3.0」

うーん、ややこしく感じますね

最初はちょっとややこしいです。

でも、順番に見ていけば大丈夫です。

よく間違えるのが、DとHの取り方なので、詳しくは次のパートで解説します!

採光補正係数はどうやって出す?

補正係数の計算式は、用途地域ごとに違います。
まずは表を見てみましょう。

用途地域算定式
住居系D/H×6-1.4
工業系D/H×8-1
商業系D/H×10-1
天窓の場合×3倍で補正、縁側の場合×0.7倍で補正
※ただし、採光補正係数の上限は「3.0」
D(水平距離)窓の真上にある建築物の先端から、次のいずれかまでの水平距離
隣地境界線まで
同一敷地内にある他の建築物まで
当該建築物の他の部分まで
H(垂直距離)窓の中心から、上にある建物の先端までの垂直距離

DとかHって、文章だけじゃピンときません。

採光計算でいちばん大事なのが、DとHの取り方です。

図を使ってわかりやすく説明します。

ケース①:基本のパターン

ケース②:窓の上に軒があるとき

ケース③:建物がセットバックしている場合

ケース④:セットバック+バルコニーあり

ケース⑤:隣地境界線が斜めなとき

ケース⑥:隣地境界線が凸凹(その1)

aの位置で採光補正係数を満たした場合でも、
開口部を複数に分けて個別に検討できるとする行政庁や確認検査機関もあります

ケース⑦:隣地境界線が凸凹(その2)

<参考文献>
近畿建築行政会議 建築基準法 共通取扱い集にかかる質問と回答P.4/6

※行政庁や指定確認検査機関によっては「開口部の幅を①+②でもOK」と扱っているところもあります。

ケース⑧:窓の正面に別の建物があるとき

ケース⑨:前面が道路や公園の場合

次の関連記事で詳しく説明しています

よくある疑問と考え方を解説!

隣地境界線や別建物まで距離はあるのに、補正係数が1未満になります。

地域ごとに定めた距離を超えていれば、補正係数は「1」として扱ってOKです。

用途地域窓から隣地境界線・
別建物までの水平距離
採光補正係数の値
住居系地域7m採光補正係数=1
工業系地域5m
商業系地域4m
道路に面していますが、補正係数が1未満になります

窓が道路に面していれば、計算上1未満でも「1」として扱えます。

トップライトの補正係数って、どうやって計算するの?

トップライトは、算出した補正係数に「×3」します。

例:D/H×6−1.4 の値に3倍をかけます。
※ただし上限は「3」です。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

屋上の縦格子手すりでも、補正係数の計算で緩和されるんですか?

光を遮らない縦格子なら、手すりがないものとして垂直距離Hを計算できると扱っている行政庁や指定確認検査機関が多いです。

透明な庇は、同じく水平距離Dの妨げにならないと判断できるため、庇がないものとして水平距離Dを計算できます。
(根拠:政令第20条)

まとめ

採光計算では「D」と「H」の取り方が最大のポイント

補正係数は用途地域や条件で大きく変わる

図や具体例で確認しながら進めるのが確実です

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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