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【知らなきゃ損】採光が足りない住宅の居室やリビングでもOKになる方法がある?抜け道や緩和とは?

【知らなきゃ損】採光が足りない住宅の居室やリビングでもOKになる方法がある?抜け道や緩和とは?

住宅のリビングや居室に採光の窓が取れない!
…どうすればいい?

適用できる緩和制度や設計上の選択肢を知りたい!

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

住宅の居室には、原則「採光上有効な開口部」が必要です。

適合が難しい場合、以下の3つの方法で緩和・対応が可能です。

1.LDKの場合、キッチンを除いて採光計算する方法(ただし閉塞感に注意)

2.採光基準を満たせないなら「非居室(納戸)」扱いにする(やりすぎ注意)

3.照明設備の設置により、基準を「1/7→1/10」に緩和する(おすすめ)

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

採光計算の基本をおさえよう

採光計算とは、居室の「外から光を取り込む窓の面積」を計算すること

基本の計算式はこちら:

「居室の床面積 × 1/7 ≦ 窓の面積 × 採光補正係数」

つまり、『居室の床面積×1/7』以上の採光上有効な窓を設ける必要がある

住宅にも採光って必要なんですか?

窓がなかったらダメ?

住宅の居室には、床面積の7分の1以上の採光用の窓が必要です。

住宅の居室は適合が求められ、実務上「絶対採光」と呼ぶ行政庁や指定確認検査機関もあります。

義務基準のため、満たさなければ確認済証は交付されません。

採光が足りないときの3つの対処法とは?

リビングや居室の採光規定に適合させるための主な対応策

1.リビング(LDK)であれば、キッチンを採光計算の面積から除外をする

2.採光基準を満たせないなら「非居室(納戸)」扱いにする

3.照明設備の設置により、基準を「1/7→1/10」に緩和する

抜け道や緩和の手段として、3つあるんですね

実際の現場でも、この3つはよく使われています。

基準がはっきりしているため、審査での指摘や手戻りも少ないです。

では、それぞれの方法を順番に見ていきましょう。

①LDKのキッチン部分を除外する方法とは?

LDKの採光を検討する際、条件を満たせばキッチン部分を除外できます

具体的には、キッチンを最小限の面積にし、垂れ壁などで区画します

引用:一般財団法人 神奈川県建築安全協会  よくあるご質問

最近はLDKを一体で設計するのが一般的です。

吊戸棚や垂れ壁でキッチンを区切ると、圧迫感が出ることもあります。

建築主の希望をよく確認して進める必要があります。

ただ、採光が足りない場合には、有効な対策になる場面もあります。

天井が低いときは窮屈になるため、注意が必要です。

②採光不要にしたいなら「納戸」などの非居室に!

「納戸」などの非居室として扱えば、採光の規定を受けずに済みます

これは採光が取れない室として一番よく使われる方法です。

「非居室」にすれば、採光の規定はそもそも適用されません。

図面で何と書く?「非居室名」はこれ!

非居室として扱いやすい名称「居室では?」と指摘の可能性あり
納戸
サービスルーム
ストレージルーム


※サービスルーム・ストレージルームは、まれに指摘を受けます
DEN
ユーティリティルーム
多目的ルーム
書斎

※これらは「居室では?」と審査時に指摘が入る可能性が高いです。「納戸」と記載するのが最も安全です。

図面に書くだけでなく、実際に「非居室」として使う必要があります
詳しくは次の記事で解説しています


注意事項として、不動産広告で「納戸」を「居室」として表記することは認められていません。

新築ではほとんど見かけませんが、中古物件では表記ミスと思われるケースがあります。

表示規約にもとづき、正しい用途名称で表記することが大切です。

なぜ「納戸を居室と表記」してはいけないのか?

引用:公益社団法人 首都圏不動産公正取引協議会

不動産公正取引協議会の表示規約施行規則第10条により、納戸を「居室」として広告に出すことは禁じられているようです。

③照明設備の設置で「必要な窓面積」が1/10に緩和できる

住宅の居室には「床面積×1/7」以上の窓が必要です。

ただし、床面で50ルクス以上の明るさを確保できる照明設備を設ければ、この基準は「1/10」まで緩和されます。

照明設備を設けるだけで、採光に必要な窓面積は1/7から1/10まで緩和されます。
現場で使われることの多い緩和制度です。
そのため、採光が足りないときの実務でよく使われる緩和策です。
ただし、この緩和は「必要な窓面積を減らす」だけの緩和制度です。
そもそも採光補正係数がゼロの窓では、この緩和制度は効果はありません。

窓だけじゃ採光が足りない…

そんなとき、この緩和は設計の自由度が上がると思われます。

1/10緩和の技術的助言とパブリックコメントをあわせて確認!

引用:国土交通省
脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の
向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について P.52/62
引用:国土交通省 技術的助言 
国住指第533号 国住街第 240号令和5年3月 24日

採光基準が緩和され、「1/10以上の窓+50lxの照明」があれば、居室として使えるようになりました。

照明の種類や設置方法に制限はありません。白熱灯でもLEDでも、吊り下げ式でも埋め込み式でもOKです。

調光式の場合でも、最大時に50lxあれば問題ありません。

照明を設置するだけで対応できるため、現場では実用的な方法としてよく使われています。

ただし、採光補正係数がゼロになるような部屋では、どんなに照明を設置してもこの緩和は使えません。

従来どおり、補正係数の確保も必要です。

※この制度は採光補正係数の緩和ではなく、必要面積の緩和のためです

関連記事もあわせてチェックしてみてください

おまけ:もうひとつの抜け道「用途上やむを得ない居室」

「用途上やむを得ない居室」として、採光の義務を除外できる場合があります。

ただし、戸建住宅でこれが認められるのは、ピアノ室などごく限られたケースです。

法律上、「用途上やむを得ない居室」は採光の義務を免除される場合があります。

一方で法35条の3によって「無窓居室」として扱われ、不燃区画や告示対応が求められることも。

そのため、ピアノ室などでも採光上有効な窓を設けることをお勧めします。

法35条の3「無窓居室」とは?─ 不燃区画・告示対応のポイント

現在、記事を作成中です。近日中に公開します。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

窓が取れず、家じゅうが納戸だらけに…

これで大丈夫なんでしょうか?

行政庁や確認検査機関によっては、「納戸は1つまで」「納戸の面積は居室を超えないこと」など、独自の取り扱いを定めているケースもあります。

そのあたりの注意点は、次の記事で詳しく解説しています。

納戸を、こっそり居室として使ってもいいんですか?

非居室を実質的に居室利用することは不適合となる可能性があります。

採光のない部屋は、衛生面や精神面でもおすすめできません。

また、是正指導等の対象になる可能性も否定できません。

まとめ

採光規定には原則として「床面積×1/7以上」の窓が必要

LDKならキッチンを除外して採光面積を確保できる場合あり

採光不足の部屋は「納戸」などの非居室とする方法も有効

照明設備で1/10緩和も可能だが、補正係数ゼロの部屋では効果はない

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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