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東京都安全条例(窓先空地・長屋)│避難上有効なバルコニーの大きさや基準を解説!

東京都安全条例(窓先空地・長屋)│避難上有効なバルコニーの大きさや基準を解説!

窓先空地に面して避難上有効なバルコニーを設けるけど大きさや設置条件って決まってるの?

長屋のバルコニーにも同じ基準がある?

行政庁ごとに取扱いが違うなら事前に知っておきたい!

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

窓先空地や長屋に設ける避難上有効なバルコニーは、東京都の技術的助言で基準が示されている

条例本文には具体的な数値や条件は書かれていない

各行政庁も取扱いを公開していないことが多く、実務ではこの助言が広く参照される運用上の目安となっています。

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

そもそも「避難上有効なバルコニー」ってなに?

東京都建築安全条例では、一定の建築物に避難バルコニーの設置が求められている

特に敷地の狭い共同住宅や長屋では、バルコニーや避難ハッチを通じた避難経路の確保が不可欠とされている

東京都では、安全条例で避難バルコニーの設置が必要って聞いたことがあります。

条件や基準があるなら、事前に知っておきたいです。

条例では、避難上有効なバルコニーや器具の設置が求められています。

低層階なら避難器具でOKですが、上層階はバルコニーが必になることも。

ただ、東京都は狭い土地が多く、バルコニーを設置することにより設計の難易度が上がります。

だからこそ、寸法やルールは早めにチェックしておきましょう。

避難バルコニーの設置義務、チェックすべきケースは?

条項概要
(長屋)
第5条
2階以上に設け、幅50cm以上の通路に面していることが必要
(行き止まり廊下等の禁止)
第10条の8 
行き止まり廊下の適用除外の条件として、先端付近に避難上有効なバルコニーを設置
(共同住宅の窓先空地等)
第19条
窓先空地や窓先空間に面する避難上有効なバルコニーの設置が必要
(寄宿舎又は下宿の制限の緩和)
第21条
共用部分に避難上有効なバルコニーまたは避難器具を設置すれば、一部規定が適用除外となる

今回は、とくに相談が多い共同住宅と長屋に設置する「避難上有効なバルコニー」についてポイントをわかりやすく解説します!

窓先空地の「避難上有効なバルコニー」の基準を整理!

安全条例の条文には、バルコニーの基準に関する記載はありません。

ただし、東京都が公表している技術的助言の中で、具体的な基準が示されています。

以前は、行政や検査機関によって判断がバラバラでした。

「ここではOKだけど、あっちはダメ」といったことも…。

平成30年に東京都が「技術的助言」を出したことで、現在では実務上の判断基準として取り扱われるケースが多いです。

技術的助言で明確に!避難バルコニーの基準とは

  1. 道路又は窓先空地に直接面して設けること。
  2. 隣接住戸又は直下階のバルコニー等に避難でき、かつ条例第19条第1項第2号の窓が直接面している道路又は窓先空地その他の安全な避難先に避難できること。
  3. バルコニーは、奥行き75cm以上、幅150cm以上とすること。
  4. 屋内からバルコニーに通ずる開口部は幅 75㎝以上、高さ120cm以上、下端の床面からの高さ 15cm以下とすること。
  5. バルコニーは、外気に開放されていること。
  6. バルコニーの床は、耐火構造、準耐火構造、その他これらと同等以上の耐火性能を有するものとし、かつ、構造耐力上安全なものとすること。
  7. 11階以上の階については、避難上有効なバルコニーを設けること。
  8. 避難上有効なバルコニーは、道路又は窓先空地への避難のしやすさや避難時の安全性の観点から、条例第19条第1項第2号の窓が直接面する道路又は窓先空地に直接面して設け、当該道路又は窓先空地まで避難できるよう計画することが原則である。
    なお、避難器具を設置する場合についても、道路又は窓先空地に直接面して設けることが原則である。
  9. 条例第19条第1項第3号の避難上有効なバルコニーに通じる開口部を、道路又は窓先空地に直接面する窓とは別に設ける場合や、窓に避難器具を設置する場合等については、本基準によることが合理的でない場合も考えられるため、採光、通風及び避難上の支障の有無を具体的な計画に応じて判断する必要がある。

こんなに条件があるなんて驚きました

設計前にしっかりチェックしないと大変ですね

一般的な平面計画では適合させやすい一方、敷地形状や建物形状によっては慎重な設計調整が必要になる場合があります。

例えば、敷地が不整形だったりL字型の建物だったりすると思わぬところで条件に引っかかることがあります

そのため、事前に一つずつ丁寧に確認するのがおすすめです

ちなみに、審査側もかなり慎重にチェックしています

【盲点!?】長屋の避難バルコニーに明確な基準はある?

条例にも技術的助言にも、実はバルコニーの明確な寸法や基準は記載されていません!

実は、長屋に設置する「避難上有効なバルコニー」には、条例では寸法や構造の基準が示されていません。

そのため、
・「安全条例に基づく避難上有効なバルコニー」
・「建築基準法(防火避難規定の解説)に基づくもの」
のどちらで扱うかで、判断が分かれることがあります。

長屋のバルコニーに面する窓の大きさは条文上の明確規定が見当たらないため、窓先空地の考え方に準じた「幅750mm×高さ1500mm以上」の目安を求められる事例が一定程度見られます。

このため、審査現場では「安全条例の避難上有効なバルコニー」を求められることが多い印象があります。
(事前に確認申請先に確認することをお勧めします)

【比較で納得】安全条例と建築基準法のバルコニー基準の違い

安全条例と建築基準法では、バルコニーの考え方に少し違いがあります

設計の前に、どちらの基準が適用されるのかを確認しておきましょう

ここでは、それぞれの基準の違いをわかりやすく比較しています

安全条例と建築基準法の「避難バルコニー」の違いとは?ざっくり比較!

スクロールできます
基準東京都安全条例
(技術的助言)
建築基準法
(防火避難規定の解説)
面積バルコニーは、奥行き75㎝以上、幅150㎝以上とすること。バルコニーの面積2㎡以上、奥行75㎝以上(避難ハッチの面積は除き2㎡)
バルコニーに
通ずる開口部
屋内からバルコニーに通ずる開口部は、幅 75cm以上、高さ120cm以上、下端の床面からの高さ 15cm以下とすること。バルコニーに通じる戸は、幅75㎝以上、高さ180㎝以上、下端の床面からの高さは15㎝以下
開放性バルコニーは、外気に開放されていること。バルコニーは十分外気に開放されていること。
耐火・
準耐火構造
バルコニーの床は、耐火構造、準耐火構造、その他これらと同等以上の耐火性能を有するものとし、かつ、構造耐力上安全なものとすること。バルコニーの床は、耐火構造・準耐火構造とする
設置の位置バルコニーの位置は、直通階段とおおむね対象の位置とする
避難器具隣接住戸又は直下階のバルコニー等に避難できること。
避難器具は消防法に準じて設けること。
タラップその他の安全に避難できる設備を有する
外壁の構造バルコニーから2m以内の外壁は耐火構造等とし、開口部は特定防火設備または両面20分の防火設備

審査基準が違うことも?行政庁ごとの取り扱いをチェック

各行政庁の取り扱いを整理しました。

多くの行政庁では独自の運用を定めておらず、東京都の技術的助言に示された基準が実務上の参考として広く用いられている傾向があります。

行政庁取り扱い基準集避難上有効なバルコニーの取扱い
東京都取扱基準
足立区足立区建築基準法等の取り扱いについて
荒川区建築基準法関係の解説及び運用基準
板橋区建築基準法等に関する板橋区の取扱いについて
江戸川区江戸川区建築基準法等における取扱い基準
大田区建築基準法等の取扱いに関する基準
葛飾区建築基準法等における取扱い
北区
江東区
品川区品川区における建築基準法等の取扱い
渋谷区建築基準法等に関する渋谷区の取扱い
※認定の取り扱いのみ
新宿区建築基準法等に関する新宿区の取扱い
5-5避難上有効なバルコニー又は器具等について
※窓先空地等に面するバルコニーの取扱い(長屋はなし)
※隔板の基準については技術的助言に明記されていませんが、それ以外の部分は助言に準じた内容となっています。
杉並区建築基準法等における取り扱い基準
墨田区
世田谷区建築基準法等の取扱について
台東区建築基準法等に関する質問とその答え(Q&A)
千代田区
中央区中央区建築基準法等取扱い基準
※建築基準法のバルコニーの取扱いのみ
豊島区建築基準法等における豊島区の取扱い基準
※窓先空地等に面するバルコニーの取扱い(長屋はなし)
※設置位置の取り扱いのみ
中野区東京都建築安全条例に関すること
ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。道路に直接面する窓、窓先空地について(19条)
※窓先空地等に面するバルコニーの取扱い(長屋はなし)
※設置位置の取り扱いのみ
練馬区建築基準法取扱い基準
文京区
港区
目黒区建築基準法等の取り扱い
八王子市建築計画に関する制限及び取扱い
町田市建築基準法等の取り扱い基準

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

平成30年の技術的助言が基準になっていますが、それ以前はどのように審査されていたのでしょうか。

以前は明確な基準がなかったため、行政庁や指定確認検査機関ごとに判断が分かれていました。

平成30年に技術的助言が示されたことで、基準が明確になり、審査のばらつきは大きく解消されています。

最近では、バルコニー自体の基準というよりも、「避難上支障があるか」や「バルコニーが窓先空地に面しているといえるか」といった、個別ケースに関する相談が主になっています。

(例:下階の張り出しにより、バルコニーと窓先空地に距離がある場合など)。

まとめ

避難上有効なバルコニーの設計・審査の参考として、東京都の技術的助言が広く参照されています

長屋については、法令に明記された基準がなく、解釈が分かれることも

バルコニーの基準は各行政庁も取扱いを公開していないことが多いため、実務ではこの助言が共通の基準となっている

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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