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天空率は北側斜線や高度斜線で使えない?行政視点で誤解しやすいポイントを解説!

天空率は北側斜線や高度斜線で使えない?誤解しやすいポイントを解説

北側斜線って、天空率に注意点あるって本当?

高度斜線では、天空率は使えないの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

北側斜線は、隣地境界線からの場合にのみ天空率の適用が可能

そのため、真北側が道路境界線である場合は天空率を使えず、斜線制限のみで検討

高度斜線は、法律上、天空率の緩和ができない

ただし、「高度地区の計画書」や「規定書」、天空率による適用除外や緩和の規定があれば、天空率を用いることが可能

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

北側斜線に天空率が使えないのはどんな敷地?

北側斜線では、真北が道路境界線なら天空率は使えません

北側斜線って天空率が使えるんですよね?

でも、使えないパターンがあるって本当ですか?

法律上、天空率は、隣地境界線からの北側斜線に対してのみ適用できます。

そのため、真北側が道路境界線となっている場合は、天空率を使用することができません。

この敷地では真北が道路のため、道路境界線になっています。そのため、天空率は使えません。

高度斜線に天空率は使えないって本当?

高度斜線は、建築基準法上、天空率による緩和の対象外とされています。

ただし、「高度地区の計画書」や「規定書」において、天空率による適用除外や緩和の規定があれば、天空率を用いることが可能です。

「高度斜線は天空率で緩和できない」

ってどの指定確認検査機関でも言われます。

建築基準法を解説しているホームページにも書いてあります。

よく見かける説明ですが、正確とは言えません。

本当のところは、こちらです。

正解間違い
法律上、高度斜線には天空率を使って適用除外することはできない。高度斜線には天空率を使って適用除外することはできない。

何が違うのかよくわかりません

あくまで「建築基準法は高度斜線は天空率で緩和できない」だけです。

この考えについて次のように整理できます。

① 都市計画法で、高度地区の内容(高度斜線)を定める
② 建築基準法により、建物の高さは高度斜線に適合しなければならない
③ 建築基準法には、斜線制限を天空率で適用除外できる制度があるが、高度斜線には天空率を使えない

このように、高度地区の高さ制限は①〜③の流れで決まります。
多くの解説では③だけが強調されがちですが、実は①の段階で「天空率に適合すれば、高度斜線の制限をかけない」と定めることが可能です。

わかりやすく言うと、

「高度地区の制限がある→天空率で緩和する」という流れではなく、「そもそも天空率に適合すれば、高度地区の制限をかけない」と定めることも、高度地区の計画書で可能です。

そのため、「高度斜線は天空率で適用除外できない」と一律に判断するのは正確ではなく、本来は行政庁に確認する必要があります。

結論

高度地区の計画書に、天空率による適用除外の規定があれば、天空率を適用することができる!

天空率でOKなら高度規制なしの行政庁はある?

では実際に、天空率で適合すれば高度地区の規制をかけていない行政庁はあるのでしょうか。

そうは言っても、実際にそのような行政庁は聞いたことがありません。

「ないこと」の証明は難しいため、もしご存じの事例があれば、ぜひお問い合わせから教えていただけると助かります。

なお、千葉県庁では、高度地区の指定に関するガイドラインの中で、天空率の緩和について次のように触れています。

引用:千葉県高度地区研究会ガイドライン(千葉県庁HP)

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

どうして「高度地区は天空率が使えない」って誤解してる人が多いんですか?

実際には、「天空率を使っていい」と定めている計画書を見たことがないので、使えないという説明が多くなるんです。

その説明でトラブルになった話も聞きません。

でも本来、高度地区の制限は計画書ごとに決まっているので、設計者も審査者も、ちゃんと中身を確認する必要があります。

計画している敷地の一部が真北に道路があります。

その部分は北側斜線、残りは天空率で分けて検討していいんですか?

北側斜線・道路斜線・隣地斜線のいずれも、斜線制限と天空率を部分ごとに使い分けることはできません。

今回のようなケースでも、すべて北側斜線で検討する必要があります。

斜線制限と天空率は併用できません。
この図のように、真北側に道路境界線と隣地境界線が混在する敷地では、天空率は使えず、北側斜線制限のみで適合させる必要があります。

まとめ

北側斜線は、隣地境界線からの場合にのみ天空率の適用が可能

真北側が道路境界線だと、天空率は使えず北側斜線制限のみで検討

天空率と斜線制限の併用は、部分ごとでも不可

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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