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東京都安全条例|共同住宅などの路地状敷地の規制を解説!

東京都安全条例|共同住宅など特殊建築物における路地状敷地の制限を解説!

東京都安全条例の路地状敷地ってなに?

共同住宅などの特殊建築物は建てられないって聞いたけど本当?

建てる方法はあるの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

安全条例では、路地状敷地に共同住宅などの特殊建築物は原則建てられません。

ただし、いくつかの適用除外の規定があり、記事の後半で解説します。

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

安全条例による路地状敷地とは?

安全条例では、第3条と第10条で路地状敷地に建築制限がある

一戸建て住宅は第3条で制限される

特殊建築物(共同住宅など)は第10条により、さらに厳しい制限を受ける

共同住宅って、第3条だけじゃなく、第10条の路地状敷地の制限もあるんですか?

共同住宅は、第3条と第10条の両方で制限されます。

ただし、第10条の規制が圧倒的に厳しいので注意が必要です。

具体的な内容や適用除外については、次のセクションで解説します。

第3条による路地状敷地の制限については別の記事で詳しく解説しています。基本的な考え方から注意すべきポイントまでまとめているので、あわせてチェックすると理解がより深まります。

路地状敷地では何が禁止?

特殊建築物(共同住宅など)は、原則として路地状敷地には建てられない

引用:東京都建築安全条例の本文

路地状敷地って建築禁止なんですか?

かなり厳しいですね

例外があるなら教えてほしいです

特殊建築物は、路地状敷地では一律で建築が禁止されています。

奥まった形状のため、道路から放水が届きにくく、消火活動にも支障が出ることが理由なようです。

ただし、いくつか適用除外もあるので、次のセクションで紹介します。

安全条例で対象となる特殊建築物の種類については、別の記事で詳しくまとめています。共同住宅や車庫、店舗など具体的な用途を整理してあるので、あわせて読むと理解が深まります。

適用除外の規定とは?

ただし書により、次の4つのケースは適用除外となります。
1.路地の幅員が10m以上+敷地面積1000㎡未満
2.小規模な共同住宅(階数3以下、延べ面積200㎡以下、住戸数12戸以下、路地の長さ20m以下)
3.公衆浴場や工場+路地の幅員が4m以上+路地の長さが20m以下
4.安全上支障がないと知事(区長)が認定した場合

4つしかないんですね。

全部に当てはまらないとダメですか?

4つのうち、一つでも当てはまれば第10条の適用除外となります。

ただ、実際に該当するケースはかなり限られます。

特に知事(区長)の認定はハードルが高く、認められる例はごく稀です。

次に、この4つの規定を順に解説していきます。

1.路地の幅員が10m以上+敷地面積1000㎡未満による適用除外

路地の幅員が10m以上あり、敷地面積が1000㎡未満であれば適用除外になる。

路地が十分に広く、かつ大規模な建物でない場合は、安全上のリスクが小さいと考えられるため。

路地が10m以上あって、さらに敷地が1000㎡以下なんて、珍しい敷地ですよね。

この条件って両方とも満たさないとダメなんですか?

はい、路地幅10m以上と敷地1000㎡未満の両方を満たす必要があります。

そのため、実際に該当する敷地はかなり限られます。

2.小規模な共同住宅による適用除外とは?

以下の5つをすべて満たせば、小規模な共同住宅として適用除外になる
①共同住宅であること
②階数は3以下
③延べ面積200㎡以下
④住戸数は12戸以下
⑤路地の長さは20m以下

小規模な共同住宅が対象なんですね。

敷地が広くても延べ面積は200㎡までなんですか?

はい、小規模な共同住宅による適用除外です。

敷地が広くても延べ面積は200㎡までに制限されます。

延べ面積に共用廊下も含まれますか?共同住宅だと除外できると聞きますが、この規定も同じですか?

共用廊下が容積率から除外できるのは、容積率の算定による特例です。安全条例の路地状敷地とは関係がないため、共用廊下の床面積も延べ面積に含めたうえで200㎡以下であることを確認する必要があります。
※床面積が発生しない開放廊下であれば、延べ面積には算入されません。

3階建ての共同住宅を計画する際の注意点はありますか?

路地状敷地では、代替進入口を道路に面させることが難しいため、この規定に適合させるのは困難です。一般的には、適合させるには有効幅員が4m以上ある路地が必要になります。この点については「東京都建築安全条例とその解説」にも記載があるので、あわせて確認してみてください。

3.公衆浴場や工場による適用除外

次のいずれかに該当すれば適用除外になる
①公衆浴場
②作業場の床面積が50㎡を超える工場+路地の幅員が4m以上+路地の長さが20m以下
 ※床面積50㎡以下の工場は、第9条の対象となるため第10条の制限を受けません
③作業場の床面積が50㎡以下の自動車修理工場+路地の幅員が4m以上+路地の長さが20m以下

公衆浴場や工場の例外があるんですね。

これらの用途を設計するケース自体が少ないため、実務で意識する場面は多くありません。

加えて、路地の幅や長さに制限があるため、適用できる敷地は限られています。

4.知事(区長)の認定による適用除外とは?

建築物の周囲の空地や敷地条件などを踏まえて、知事(区長)が「安全上支障がない」と判断した場合は適用除外となる

申請すれば適用除外になるんですか?

認定を受けるには申請が必要ですが、必ず認められるわけではありません。

審査のうえで「安全上支障がない」と判断された場合に限られます。

申請すれば必ず認定されるの?

安全条例では路地状敷地に特殊建築物を建てることは原則禁止です。認定申請はその例外規定にあたるため、審査のハードルは非常に高く、認定例はごく少数にとどまっています。

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

死角部分を避ければ建築できますか?

路地状敷地そのものに対して建築を制限する規定なので、建物の配置によって回避することはできません。よって建築不可と考える必要があります。

道路から見える位置に建てれば、路地状敷地でも建築できます

上記と同様に、路地状敷地そのものに適用される規制なので、建物を道路から見える位置に配置しても規制を回避することはできません。

適用除外の4つの規定は、全部に当てはまらないといけないのですか?

すべてではなく、4つのうちどれか1つに該当すれば適用除外となります。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

小規模な共同住宅であれば、適用除外になるため建築できるんですね。

3階建てが建てられるので助かります。

「階数3以下」という基準はあります。

しかし、3階建てだと代替進入口が必要になりますが、路地状敷地の場合、代替進入口が道路に面することができません。

そのため、路地の幅が4m以上無い場合、一般的には2階建てしか建てられません。

路地状敷地の代替進入口の基準については別記事で解説していますが、この基準は特殊建築物には適用されません。具体的な基準も含め、次の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

安全条例では路地状敷地に共同住宅などの特殊建築物は原則建築不可

ただし、4つの適用除外規定があり条件を満たせば建築可能なケースもある

実際に該当するケースは少ないため、計画時には慎重な確認が必要

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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