
第一種低層住居専用地域や第一種中高層住居専用地域に、動物病院やペットクリニックって建てられるの?
もし可能なら、注意しなきゃいけない点ってあるのかな?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
第一種低層地域や第一種中高層地域では、動物病院やペットクリニックの建築はできません。
営業を考えるなら、最低でも第二種中高層地域が必要です。
どの地域で何が可能かは、記事の後半に用途地域の一覧表を掲載していますので、ぜひご覧ください。



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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第一種低層地域や第一種中高層地域で動物病院・ペットクリニックは可能?
結論から言うと、
第一種低層地域や第一種中高層地域では、動物病院やペットクリニックの建築や営業は不可



えっ、ダメなんですか?
近所にクリニックがあるから、てっきり動物病院もOKかと思ってました。



一種低層は、たしかに、人の病院やクリニックは建てられます。
でも、動物病院はダメなんです。
法律では、はっきりと区別されていて、別のものとして扱われます。
どの用途地域なら動物病院・ペットクリニックが建てられる?
| 用途地域 | 動物病院・ペットクリニック |
|---|---|
| 一種低層 二種低層 | |
| 一種中高層 田園住居地域 | |
| 二種中高層 | 一時預かり(入院)部分は15㎡まで |
| 一種住居 二種住居 準住居地域 | 一時預かり(入院)部分は3000㎡まで |
| 近隣商業地域 商業地域 | |
| 準工業地域 工業地域 | |
工業専用地域 | ×と判断する 建築主事もいます |



動物病院が建てられるのは、第二種中高層地域からです。
第一種中高層地域では建てられないため間違えないよう注意が必要です。
なぜ第一種低層地域や第一種中高層地域ではダメ?解釈をやさしく解説
第一種低層地域は、低層の住宅を守るために設けられた地域です。
このため、原則として住宅のほかに建てられるのは、小規模な店舗を兼ねた住宅や、保育所・診療所・小中学校などに限られています。
店舗を兼ねる住宅を建てたい場合は、非住宅部分の用途が「理髪店・美容院・クリーニング取次店・質屋・貸衣装屋・貸本屋」など、いわゆる「理髪店等のサービス業」に該当する必要があります。
しかし、動物病院やペットクリニックは、近隣住民が日常的に利用する業種とは言いがたく、この「理髪店等のサービス業」には含まれないというのが一般的な解釈です。
さらに、動物の鳴き声やにおいなど、住環境への影響も考慮されることから、地域の性質に適さないと判断されます。
そのため、法律上は一種低層での建築は認められていません。
第一種中高層地域でも「理髪店等のサービス業」とはみなされないため、第一種低層地域と同じく建築はできません。



サービス業の店舗っぽく見えるんですけど、ダメなんですか?
物品販売の店舗ではないですし、飲食店でもありません。
だからこそ、サービス業店舗に該当しそうですが。



たしかに、サービス業っぽいですよね。
でも、法律上のポイントは「日常的に使われるかどうか」です。
たとえば美容院やクリーニング店、コインランドリーは生活の一部として使われています。
一方で、動物病院は対象が“ペット”。
頻繁に通うものでもないし、用途も限られます。
しかも、鳴き声・におい・騒音など、まわりへの影響も大きいんです。
だから、「理髪店等のサービス業」には該当しないため、建築は認められないという解釈が一般的です。
(参考:『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例』)
よくある誤解や疑問にズバリ答えます!



「新しく建てるのがダメなのはわかるけど、今の家で開業するのもダメ?」
「抜け道とか特別な許可って使えないの?」
こんな質問をよく受けます。
ここでは、制度の考え方や例外の有無について、できるだけわかりやすくお答えします!
- 「建築」と「営業」という言葉に違いはありますか?
-
いずれの場合でも、第一種中高層住居専用地域までは、建築も営業も認められていません。あまり厳密に使い分けを意識する必要はないです。
- 住んでいる家で、動物病院やペットクリニックを開業するのはダメですか?
-
「建築できない」というのは、新築だけの話ではありません。
今ある家を使って営業することも認められていません。
動物病院として使用するには「用途変更」に該当するため、建築時と同じ規制を受けることになります。 - どうしても開業したいんですが、裏ワザや抜け道はありますか?
-
たとえば「以前は商業地域だった場所が、都市計画の変更により第一種低層地域になった。それでも昔から動物病院として使われていた建物を建て替えたい」といった、きわめて特殊な事情があれば、特定行政庁に相談できる可能性はあります。
とはいえ、そうしたケースは極めてまれで、ほとんど例がないのが実情です。
現実的には、最初から動物病院の建築が認められている用途地域(たとえば第二種中高層地域など)を選ぶのが、もっとも確実な方法です。 - 「用途地域の許可」って制度があるそうですが、それを使えば開業できますか?
-
用途地域における「許可」とは、本来法律で禁止されている用途について、例外的に建築を認める制度です。
そのため、手続きは非常に厳格かつ慎重に行われます。許可が認められるためには、「良好な住環境を害するおそれがない」と行政が判断することが前提です。
開業を希望する場合は、まず特定行政庁に事前相談を行い、近隣の住環境に悪影響を及ぼさないことを、論理的かつ合理的に説明する必要があります(配慮された建築計画や設計が不可欠です)。さらに、公聴会で近隣住民や土地・建物の所有者の意見を聴取し、そのうえで建築審査会の同意を得る必要があります。
このように、非常に高いハードルをクリアしなければならないため、実際に許可を取得するのはかなり困難です。
可能であれば、最初から営業が可能な用途地域を選んで計画を進める方が、はるかに現実的と考えられます。 - ネットで「第一種低層住居専用地域でも動物病院は営業できる」と見ました。実際には可能な場合もあるのでは?
-
例えば「第一種低層住居専用地域でも動物病院・ペットクリニックの営業が可能」と案内しているホームページを見かけることがあります。
しかし「建築不可」とするのが一般的な解釈です。
特に、全国の行政庁や確認検査機関が実務の参考とする『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例』(日本建築行政会議編)では、一種中高層における動物病院・ペットクリニックは明確に「不可」とされています。
この文献は、特定行政庁や指定確認検査機関で構成される団体が作成したもので、全国的な判断基準として広く使われています。
そのため、現場でもこの内容を前提とした判断が行われるのが通常です。
もちろん、最終的な判断は建築主事や確認検査員が行いますが、この文献は多くの行政庁で実務の参考として使われています。
したがって、特別な事情がない限り、「一種低層や一中高でも営業できる」とは考えず、営業可能な用途地域を選ぶのが現実的と言えるでしょう。 - 動物病院・ペットクリニックの違いはありますか。
-
動物病院とペットクリニックに、建築基準法上で明確な違いはありません。
いずれも同じ「用途」として扱われており、第二種中高層地域から建築・営業が可能です。 - もし動物病院・ペットクリニックが建築可能な用途地域で一時預かり(入院)も行う場合、どうなりますか。
-
動物病院・ペットクリニックが建築可能な地域であっても、一時預かり(入院)スペースを併設する場合には注意が必要です。
こうしたスペースは、「畜舎」として扱われ、用途地域ごとに面積制限が課されます。例えば、
・二種中高層では、預かり部分を15㎡以内に抑える必要があります。
・一種住居では、3000㎡以下という制限がありますが、通常の規模であれば問題になることは少ないでしょう。
・二種住居(準住居、商業地域など)では、こうした制限は特に設けられていません。なお、動物病院やペットクリニックでは、診療に加えて「入院施設」があることが一般的です。
そのため、実際にはこの部分が「畜舎」に該当することになります。スクロールできます用途地域 一時預かり(入院)を併設する場合の
動物病院・ペットクリニック一種低層
二種低層
一種中高層
田園住居地域二種中高層
一時預かり(入院)部分は15㎡まで一種住居
一時預かり(入院)部分は3000㎡まで二種住居
準住居地域近隣商業地域
商業地域準工業地域
工業地域
工業専用地域
×と判断する
建築主事もいます
行政に携わった経験を踏まえて



第一種低層住居専用地域では、原則として動物病院はできないと聞きました。本当に営業している例はあるのでしょうか?



用途制限の観点から見ると、第一種低層住居専用地域では、原則として動物病院のような用途は認められていません。
もしそのような物件がある場合、動物関連事業の登録制度と、建築基準法の用途地域規制が別々の仕組みで運用されているためと考えられます。
開業を検討する場合は、必ず事前に用途地域の規制を確認することが欠かせません。
まとめ
第一種低層地域や第一種中高層地域では、動物病院は建てられません。
「理髪店等のサービス業店舗」にも該当せず、法律上は営業不可とされています。
開業を検討するなら、二種中高層などの許容地域を選ぶのが安全。
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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