
建築物の定義が追加されたことがあるって本当?
昭和25年の制定から変わってないと思ってた!
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
平成4年に「これに類する構造のものを含む」を建築物の定義に追加
パンチングメタルの自走式駐車場を「建築物ではない」とした判決が契機となり、法改正が行われた



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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建築物の定義とは?
建築基準法第2条第1号より抜粋!
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)



屋根と柱があれば建築物になるって、よく聞きますよね。



屋根と柱があれば建築物、これは有名な話。
でも、「これに類する構造のものを含む」って言葉は、平成4年の判決後に追加されたんです。
追加した理由は?


パンチングメタルの自走式駐車場が建築物かどうかで裁判に
判決は「建築物ではない」と判断
これを受けて、建築基準法に「これに類する構造のものを含む」が追加された



パンチングメタルの自走式駐車場、確認申請を出したことあります。
昔は建築物じゃなかったんですか?



当時、建設省も特定行政庁も建築物と解釈されていたとされています。
しかし建築主が「建築物じゃない」と主張し、全国でトラブルに。
その一つが裁判になり、広島地裁で「建築物ではない」と判決が出ました。
そのため、建設省は建築物の定義を追加する法改正を行いました。
法改正までの流れ
建築物だと判断していた。
建築主側との見解の相違が各地で問題となり、裁判に発展した事例もあった。
違反指導から裁判に発展するケースも。
広島地裁が「建築物ではない」と判断。
(平成4年3月31日判決)
「建設省が建築物と言うなら、きちんと法律に明記すべき」と要望。
(第123回国会 衆議院 建設委員会 第11号 平成4年5月19日)
高裁・最高裁の判断を待たず、「これに類する構造のものを含む」を追加する方針に。
国会では「なんでも建築物に含めるのはどうか」との意見も出たが、建設省は「建築物として規制。ただし簡易な構造の建築物も認める」と答弁。
※この法改正に合わせて、「簡易な構造の建築物に対する制限の緩和」も新たに追加されました
(第123回国会 参議院 建設委員会 第10号 平成4年6月2日)
国会で可決、平成4年6月26日に公布されました。



こんな経緯があったなんて、知りませんでした!



数十年前の話なので、知らなくても無理はありません。
地裁の判決を受け、すぐ法改正したので、大きな話題にならなかったのも理由でしょう。
高裁や最高裁でどう判断されるかはわかりませんが、先手の法改正は行政庁や設計者にとって早期に整理された点は、実務上もメリットが大きかったと考えられています。
※なお、法改正後に横浜地裁でも類似の判決(平成5年8月30日)が出ています。詳しくは調査中、追って追記予定です。
行政に携わった経験を踏まえて



建築物に該当するか、判断って難しいですか?



通達(昭和38年3月28日住指発28号など)や技術的助言があるので、悩むことは減りました。
でも、線引きが難しいケースもあります。
例えば、ビニールハウス、公衆電話ボックス、網状ネットの屋根などで、判断が難しいと感じられることも少なくありません。
まとめ
自走式駐車場が建築物に該当するかをめぐり、裁判で「建築物ではない」と判断された。
この判決を受けて、建築基準法に「これに類する構造のものを含む」が追加された。
迅速な法改正により、現場での判断基準が早期に明確化された。
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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