都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区、知事指定区域以外に設置する場合は確認申請は不要とされています。
本記事では、確認申請が必要となる区域(都市計画区域など)での設置を前提に解説しています。
カーポートやガレージを車庫として設置したいけど、確認申請って必要?
しなかったらどうなる?
あとから設置している家が多いので、手続き不要で簡単に設置できる?
「10㎡以内なら確認申請は不要」ってネットにも書いてあったけど…
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
カーポートやガレージは、原則として確認申請が必要!
ただし、「防火地域・準防火地域以外」で「10㎡以下」の「増築」であれば、申請は不要
※3つの条件がそろってはじめて、確認申請が不要になる。
建築確認申請を行わなかった場合は、違反建築物となり、是正指導などの対象になる
この記事の最後では、よくある疑問をQ&A形式でまとめています。
計画時に迷いやすいポイントを整理していますので、ぜひ最後まで確認してみてください。
この記事の流れ
確認申請が必要かどうかは「新築」か「増築」かで変わる!
建築物を新築・増築する際は確認申請が必要
今回のケースに当てはめると…
更地にカーポート・ガレージを設置する場合
→これは「新築」にあたり、確認申請が必要です。
すでに住宅が建っている敷地にカーポート・ガレージを設置する場合
→これは「増築」に該当し、原則として確認申請が必要です。
※ただし、「防火地域・準防火地域以外」で「床面積が10㎡以下」であれば、申請は不要
代表的なカーポートの外観イメージ
住宅敷地内に設置されたガレージの例
よく見かけるタイプのカーポートを、自宅の敷地に設置したいと考えています。
ホームセンターで購入して、できるだけ簡単&低コストで済ませたいです。
このタイプの相談はとても多いのですが、実は注意点がたくさんあります。
そこで、よくある落とし穴も含めて記事にまとめました。
まず覚えておいてほしいのは、「建築物を新築・増築するときは原則、確認申請が必要」という基本ルールです。
ただし一部に例外もあるため、その詳細は後半でわかりやすく解説します。
更地にカーポートを設置する場合は、「新築」に該当し、確認申請が必要です。
また、すでに住宅が建っている敷地にカーポートを設置する場合は、一見違和感があるかもしれませんが、「増築」に該当し、やはり原則として確認申請が必要です。
※ただし、防火地域・準防火地域以外で、床面積が10㎡以下のカーポートであれば、確認申請は不要とされています。
新築扱いされない「増築」の具体例をチェック!
戸建て住宅の敷地内にカーポート・ガレージを新設する場合、「増築」に該当します。
よくある疑問まとめ【表でサクッと確認】
実務でよく問われる内容を簡潔に整理しています。
この他の詳細な事例は、Q&A形式で記事の最後で解説しています
カーポート設置の“あるある疑問”をQ&Aでスッキリ整理
知っておきたい 基礎知識 | これが答え! |
|---|
| カーポートとガレージの違い | 同じです。 法的にはどちらも「車庫」のため、使い分けの必要はありません。 |
| 確認申請は必要? | 原則、必要です。 |
| 基礎は必須? | 必要です。 |
| 固定資産税はかかっていないけど、確認申請が必要? | 税法と建築基準法は別の法律です。確認申請の要否とは無関係です。 |
| 確認申請が不要なケース・例外とは? | 以下の場合は不要です
都市計画区域などの指定がない土地(稀です)
防火地域・準防火地域以外で10㎡以下の増築 ※都心部や駅周辺は防火地域や準防火地域に指定されていることが多いため注意が必要です。
言い換えれば、「新築」・「防火・準防火地域以外で10㎡を超える増築」・「防火・準防火地域内での増築」のいずれかに該当すれば、確認申請が必要です。 |
「確認申請が不要なケース」が複雑でよくわかりにくいです。
どのように判断すればよいですか。
場所によって規制の内容が異なるため、一般の方が判断するのは難しいのが実情です。
「戸建ての敷地にカーポートを設置しようと思っていますが、確認申請は必要でしょうか?」といった形で、行政庁に直接確認すれば、丁寧に教えてくれるはずです。
カーポートの床面積の算定方法
確認申請が必要かどうかの判断では、「床面積10㎡」が一つのポイントになることがわかりました。
では、カーポートの床面積は、どの範囲で算定すればよいのでしょうか?
カーポートの床面積は、柱の位置や本数によって算定方法が変わる場合があります。
次の図で詳しく説明します。
カーポートの平面図
実際に車が停められる範囲を、柱の中心線を基準にして床面積として算定するイメージです。
床面積が10㎡を超える増築だと確認申請が必要です。
【参考】富山県庁の取扱い
引用:富山県 壁のない車庫の面積の算定方法
【参考】:車庫の奥行きに応じて、床面積への算入方法の取扱いを定めている行政庁もあります。
- 建築面積の算定や2025年法改正の影響を知りたいです。
-
建築面積や建蔽率の具体的な計算例、2025年の法改正については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
実務で差が出るポイントを解説
条文だけでは見えてこない、現場で迷いやすいポイントを丁寧にひも解きます。
「これ、どう判断するの?」――そんな実務の悩みに答えるQ&Aです。
ぜひ最後までご覧ください。
- カーポートやガレージでも確認申請が必要なことは理解しました。
自分で申請してもよいのでしょうか? -
資格がない一般の方でも、カーポート程度の建築物であれば、自ら設計や工事監理を行うことは可能です。
ただし、その場合は審査や検査の省略特例が適用されず、必要となる申請書類が多くなるため、実際には建築士が設計や監理を行うケースがほとんどです。
確認申請の制度は、申請者自身が建築基準法を理解し、法に適合していることを確認したうえで、書類や図面を整えて申請する仕組みとなっています。
詳しくは次の記事で解説しています。
- 戸建て住宅を建て替える予定ですが、敷地の端にあるガレージを残すことはできないとハウスメーカーに言われました。本当でしょうか?
-
ガレージが建築基準法に適合していれば、残すこと自体は可能です。
ただし、ガレージの基礎や、カーポートであれば屋根材(不燃材かどうか)や柱の材質が不明な場合、法的要件を満たしていない可能性があります。
そのため、結果として撤去するケースが多いのが実情です。
仮に残す場合でも、「不適合部分の是正工事」「図書の作成」「行政庁または確認検査機関との協議」が必要となり、時間・手間・費用を考慮すると、現実的には撤去を選ぶ方が合理的と判断されることが多いようです。
- ホームセンターでカーポートを購入しようか検討していますが、確認申請についての説明がなかった気がします。
-
現在では、確認申請について説明を行う販売店も増えています。
しかし、ホームセンターはあくまで商品の販売が目的であり、確認申請の案内をすることは一般的には多くはないようです。そのため、購入者自身で申認すれば丁寧に教請手続きの必要性を確認する必要があります。
- 街中を見ると、カーポートをよく見かけますが、あれは大丈夫なんですか?
-
防火地域・準防火地域以外で、かつ床面積が10㎡以下であれば、確認申請は不要とされています。
そのため、1台分のカーポートであれば、確認申請などの手続きが行われずに設置されているケースが多いと考えられます。
ただし、手続きが不要でも、建築基準法に適合している必要があります。
あくまで「申請がいらないだけ」であって、「法の適用を受けないわけではない」点には注意が必要です。
- 市街化調整区域でも同じ扱いですか?
-
はい、市街化区域か市街化調整区域かに関係なく、同じ扱いです。
確認申請の要否や建築基準法の適用については、区域の区分ではなく、建物の規模や防火地域かどうかなどの条件で判断されます。
- 確認申請の手続きをしなかったカーポートが敷地内にあります。これは、違反として行政から指導を受けることがあるのでしょうか?
-
違反として指導を受ける可能性はありますが、行政が日常的に訪問して調査を行うことは多くありません。
違反が発覚するきっかけとして多いのは、カーポートの設置工事中や、新築・増築など別の建築行為を行う際です。
また、近隣からの通報や事故などを契機に、調査や是正指導が行われる場合もあります。
ただし、違反状態を放置することは社会的責任を問われる行為です。
万一事故やトラブルが起きた場合、所有者や管理者が法的責任を問われる可能性もあります。
そのため、早めに適切な対応をとることが望まれます。
なお、次のような区域では、近隣からの通報により違反が発覚するリスクがあるため注意が必要
外壁後退の制限がある区域
地区計画の指定区域
建ぺい率や容積率の制限が厳しい地域(特に第一種低層住居専用地域)
市街化調整区域
建築協定の適用区域
壁面線の指定がある区域
- すでにカーポートを設置してしまいました。あとから確認申請を行うことは可能でしょうか?
もしできない場合は、どのように対応すればよいのでしょうか? -
原則として、工事に着手した後は確認申請を行うことはできません。つまり、あとからの申請は法律上「できない」のが正解です。
ただし、「なぜ確認申請を出したいのか?」によって対応は異なります。
例えば:
「銀行が住宅ローンを貸してくれない」という場合
→ 銀行に対して「確認申請は工事後には出せない制度です」と説明した上で、別の対応策(専門家の意見書など)について銀行に相談する必要があります。
「適法な状態にしたい」という場合
→ 確認申請はできませんが、建築士などの専門家に相談し、現状を法に適合させる是正工事を検討することができます。
- カーポートの確認申請には、何か緩和措置はあるのでしょうか?
-
手続きが必要かどうかについては、本記事内で詳しく解説しています。
また、床面積の算定範囲についても、本記事の中でご紹介したとおりです。
なお、建蔽率(1m後退)や容積率(1/5不算入)については一定の緩和規定がありますが、カーポートの種類によって異なります。
また、実際に建蔽率や容積率に余裕があるかどうかは、既存建築物の建築面積や延べ面積の数値によって個別に判断されます。
そのため、最終的な判断については、建築士などの専門家に相談することをおすすめします。
- カーポートの確認申請をしなかった場合、どうなりますか?罰則はあるのでしょうか?
-
確認申請を怠った場合、罰則が科される可能性があります。
特に、カーポート自体が建築基準法に適合していない場合は、最悪の場合、撤去することになります。
ここで注意が必要なのは、
「確認申請の手続きを怠ったことによる違反」と「建築基準法に適合しない建築物を建てたことによる違反」は、まったく別の問題だという点です。
このため、罰則の内容や重さ、行政による指導の内容も異なってきます。
- カーポートの確認申請を代行してほしい場合、どこに相談すればいいですか?
-
建築士に相談するのが望ましいです。
知り合いの建築士がいない場合は、お住まいの地域の建築士協会に相談し、紹介を受けるという方法もあります。
- カーポートの建築確認申請を代行してもらう場合、費用はどれくらいかかりますか?
-
業者によって費用に大きな差があるため、一概に「これが相場」とはいえません。
ただし、数万円程度では安すぎる印象があり、40万円を超えると高いと考えられます。
とはいえ、地域の特性やカーポートの種類によって大きく異なります。
そのため、複数の業者(最低3社程度)から見積もりをとることで、お住まいの地域での相場感がつかめるはずです。
なお、既製品ではないオーダーメイドのガレージを設置する場合は、上記の金額よりも高額になるのが一般的です。
- ガレージとカーポートには法的に違いがありますか?
-
建築基準法上では、ガレージもカーポートもどちらも「車庫」として扱われ、法的には同じ分類です。
- 2025年4月の法改正により、カーポートの確認申請が新たに必要になったんですか?
-
カーポートが「建築物」にあたるという考え方は以前から変わっていません。
そのため、2025年4月の法改正とは関係なく、カーポートは従来から確認申請が必要とされています。
- 建蔽率が厳しい地域に住んでいます。建築面積の算定の仕方や緩和・2025年法改正の影響を知りたい。
-
建蔽率が厳しい地域では、住宅の面積だけで上限いっぱいとなるケースがあります。
そのため、建築面積は厳密に算定し、算定の特例が使える場合には積極的に活用すすることをお勧めします。
詳しくは、次の記事で解説しています。
- カーポートの確認申請は、建築士に依頼せず自分でできますか?
-
形式上は自分で申請することも可能ですが、は専門的な判断が必要となります。
具体的には次の記事をご確認ください。
行政に携わった経験を踏まえて
ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。
インターネットで「10㎡以内なら確認申請は不要」と見たことがあります。本当ですか?
それだけでは、確認申請の要否を判断するには不十分です。
具体的には、「防火地域・準防火地域以外の区域」で、「増築」として設置する場合に限り、床面積が10㎡以下であれば確認申請は不要とされています。
言い換えると、以下のようなケースでは確認申請が必要になります
防火地域または準防火地域内にカーポートを設置する場合
→ 新築・増築にかかわらず、床面積が10㎡以下でも確認申請が必要です。
更地にカーポートを設置する場合(=新築に該当)
→ 新築の場合は、床面積にかかわらず確認申請が必要です。
この地域ではカーポートが建てられないと聞いたことがあるのに、カーポート付きの住宅があります。
なぜですか?
建築協定や地区計画による制限がなければ、一般的にはカーポートの設置は可能です。
よくあるのは、建ぺい率が40%以下など非常に低い地域で、住宅の建築面積によってカーポートを設置する余裕がなくなるケースです。
ただし、これは「設置が禁止されている」わけではありません。
敷地に余裕がある、または建物の建築面積が小さい場合には、建蔽率の範囲内であればカーポートを設置することも可能です。
まとめ
原則として、カーポートの設置には確認申請が必要
「防火・準防火地域外・増築・10㎡以下」の3つの条件を満たした場合のみ、申請が不要
新築や防火・準防火地域内では、面積に関係なく申請が必要
この記事を書いた人
ほぅちゃん
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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