当サイトは【毎週月曜】に新しい記事を更新しています。

着工の定義とは?建築基準法の着手・竣工の違いを行政視点で解説!

建築基準法の着工・着手・竣工の定義とは?行政視点で詳しく解説!

着工の定義ってなに?

着工って具体的にいつ?

例えば仮囲いや地盤調査は着工に該当する?

該当するケース・該当しないケースをそれぞれ知りたい!

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

建築基準法の着工とは、いわゆる「工事の着手」のこと

つまり、建築工事のための工事が開始された時点のことを指す

この着工が既存不適格の基準時となったり、確認済証の交付後に工事を着手することができる

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

あわせて確認されることが多い規定

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ

工事の着手に該当する例は?

杭打ち工事

地盤改良工事

山留め工事

根切り工事

地盤改良って着工になるんですか?

基礎工事の前なのに、ちょっと意外です。

地盤改良は建築物の基礎を支えるための重要な工事です。

たとえ基礎そのものを打っていなくても、地盤改良は「着工」に該当する扱いになります。

工事の着手に該当しない具体例は?

地盤調査のための掘削、ボーリングの実施

現場の整地、やり方

地鎮祭

現場の仮囲いの設置

現場事務所の建設

既設建物の除却

現場への建設資材、建設機械の搬入

工事請負契約の締結

着工にあたらない工事って、思ったより多いんですね

資材の搬入・現場事務所の建設・既存建物の除却も含まれないとは意外でした

確認済証が交付される前に着工すると、違反になるおそれがあるんです

そのため、どの作業が「着工にあたらないか」を事前に整理しておくことが大切です

たとえば、地鎮祭や仮囲いの設置などは、建築物の構造部分に関わらないため「着工」には該当しません

行政庁ごとの取り扱いの違いは?

行政庁ごとに取り扱いは異なりますか

一般的に、どの行政庁も同じ取り扱いなようです。

理由は、過去の通達「建築工事着工の時点(昭和41年住指発83号)」と、「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」という文献を参考にしているためです。

引用:愛知県建築基準法関係例規集

愛知県においては、建築基準法に基づく「着工」「竣工」の取扱いについて、特段の独自運用は設けいません。
他の多くの行政庁と同様に、国土交通省の通達や書籍をもとに標準的な解釈・運用を行っています。

引用:東京都大田区工事の着手についての取扱い

大田区も愛知県など他の行政庁と変わりなく、特別なローカルルールや独自運用は設けていません。

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

着工前に確認済証が下りていないとどうなる?

確認済証が交付される前に着工すると、建築基準法第6条に違反し、行政庁から是正や工事中止などの違反指導を受ける可能性があります。確認済証の交付を受けるまでは、工事を開始することはできません。

竣工ってなんですか?

竣工は、工事が完了した日のことをいいます。
ちなみに、着工は工事を始めた日のことです。

つまり、
着工=工事を開始した日
竣工=工事が完了した日


つまり、着工は“工事のスタート”、竣工は“工事のゴール”を意味します。

なお、「竣工」という用語は建築基準法上に定義はなく、上記は実務上の一般的な解釈をもとに解説しています。

法改正前に着工したかったので、確認済証の交付後すぐに工事を始めました。
着工初日に施工写真を撮り、その後すぐ工事を止めても問題ないでしょうか?

建築基準法第3条第3項における「工事の着手」とは、単に一時的に工事を行うだけでなく、客観的に工事が継続していることが必要です。
中間検査・完了検査、または近隣からの通報によって現地調査が行われた際に、工事停止の理由が不明確であれば「着工とは認められない」可能性があります。
法改正前の規定を適用したい場合でも、形式的な着工にとどまらないよう注意が必要です。

建築基準法で「着工」の定義は定められているのですか?

「着工」という用語自体は、建築基準法には明文で定義されていません。
法第3条第3項の「工事の着手」や、第6条の「工事に着手」といった表現がありますが、これらが指す具体的な内容や範囲は法律上に明確な規定はなく、定義も設けられていません。
なお、法律に用語の定義規定がない場合には、文献や通達で一般的な解釈が示されていたとしても、「法律で定められている」とは言いません。

建築基準法第3条第3項の「工事の着手」と、第6条の「工事に着手」は、同じ判断になるのでしょうか?

通常は同じように判断されますが、工事の内容や目的によって、異なる解釈がなされる場合もあります。たとえば、以下のようなケースです。

▶ 手掘りによる根切りは、第3条第3項「工事の着手」に該当するか?

→「本来は重機を使用すべき工程を、意図的に手掘りにした」と判断される場合、既存不適格を回避する目的で形式的に“着手”を装ったものと見なされ、形式的な着工と判断される可能性があるため、行政庁の判断により認められないケースもあります。

▶ 同じ手掘りでも、第6条「工事に着手」に該当するか?

→ 工事が建築物の建築を目的として実際に進められていると認められれば、第6条上は「着工」と判断される可能性があります。

※行政庁では、違反建築物の未然防止の観点から、形式的な着工には厳しく対応する傾向があります。

「着工」と「着手」って、何か違いがあるんですか?

建築基準法では、「工事の着手」や「工事に着手」といった表現が使われており、「着手」が法律用語として正式な表現です。

一方、「着工」は一般的な言い回しであり、「着手」とほぼ同じ意味で使われることが多く、実務上も特に問題になることはありません。

つまり、厳密には違いがありますが、日常の会話や説明の中では、使いやすい方を選んで差し支えありません。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

行政庁ごとに「着工」の扱いは違うのでしょうか?

通達「建築工事着工の時点(昭41住指発83)」や、「建築確認の基準総則・集団規定の適用事例」を参考にしているため、異なる扱いは少ない印象はあります。

ただし、「根切工事で重機が必要か?」など細かい点については、行政庁に確認することが重要です。

(この場合、「法第6条の着工」と「法第3条3項の着工」のどちらの相談であるか、また施工の工程や着工理由など、詳細に確認されます)

定義がないなら、行政庁の判断を覆すことはできますか?

行政庁は通達と文献を基に「判断」しているため、通達や文献に反する判断をすることは考えにくいです。

まとめ

着工とは、いわゆる「工事の着手」のこと

つまり、建築工事のための工事が開始された時点のことを指す

この着工が既存不適格の基準時となったり、確認済証の交付後に工事を進めることができる

仮囲いや地盤調査は着工に該当しないが、他のケースも確認しておくこともお勧めします

あわせて確認されることが多い規定

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ