
住宅のリビングや居室に採光の窓が取れない!
そんな時、50lxの照明設備で緩和できるって本当?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
居室の床全体で50lx以上の明るさを確保できる照明をつければ、必要な窓面積が「1/7→1/10」に緩和できる
照明器具の種類や形状に制限なし(白熱灯、LED、天井埋込型などすべてOK)



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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まずは基本!採光計算のルールを確認
採光計算とは、居室の「外から光を取り込む窓の面積」を計算すること
基本の計算式はこちら:
「居室の床面積 × 1/7 ≦ 窓の面積 × 採光補正係数」
つまり、『居室の床面積×1/7』以上の採光上有効な窓を設ける必要がある



照明をつけるだけで、1/7の基準がゆるくなるんですか?



住宅の居室には床面積の7分の1以上の採光用の窓が必要です。
建築基準法の改正により、照明設備の設置で1/10に緩和することができます。
照明の種類や設置条件も緩く、非常に有効な緩和規定となっています。
照明設備をつければ、窓の必要面積は「1/10」でOK!
緩和規定の概要
住宅の居室は「床面積×1/7」以上の窓が必要。
ただし、床全体で50ルクスの照度を保てる照明設備をつければ「1/10」に緩和できる
照明設備を設けるだけで、採光に必要な窓面積は1/7から1/10まで緩和されます。
比較的使いやすく、実務でも活用されることが多い制度です。
そのため、採光が足りないときの実務でよく使われる緩和策です。
ただし、この緩和は「必要な窓面積を減らす」だけの緩和制度です。
そもそも採光補正係数がゼロの窓では、どれだけ面積があっても効果はありません。



このあと、国土交通省の概要資料・技術的助言・パブリックコメントを紹介します。
内容が多いため、ポイントだけ知りたい方は次のセクションにまとめた要点をご覧ください。
“窓は小さくてもOK?” 国交省が示した1/10緩和の概要
引用:国土交通省
脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の
向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について P.52/62既存建築物の活用や省エネ推進の観点から、1/7規定の見直しとして緩和制度が導入されました。
プロもチェック!採光緩和に関する技術的助言の中身を見てみよう
引用:国土交通省 技術的助言
国住指第533号 国住街第 240号令和5年3月 24日技術的助言のポイントまとめ
確認申請:平面図に照明を明示
完了検査:現地で目視確認すればOK
※拍子抜けするかもしれませんが実はゆるめの運用になっています



採光基準が緩和され、納戸などでも「1/10以上の窓+50lxの照明」があれば、居室として使えるようになりました。
照明の種類や設置方法に制限はありません。白熱灯でもLEDでも、吊り下げ式でも埋め込み式でもOKです。
調光式の場合でも、最大時に50lxあれば問題ありません。
照明を設置するだけで対応できるため、現場では実用的な方法としてよく使われています。
ただし、採光補正係数がゼロになるような部屋では、どんなに照明を設置してもこの緩和は使えません。
従来どおり、補正係数の確保も必要です。
※この制度は採光補正係数の緩和ではなく、必要面積の緩和のため
あの緩和に寄せられた声とは?パブコメで見えた実務のリアル
引用:国土交通省 照明設備の設置、有効な採光方法の確保の基準に関する意見募集の結果を一部抜粋 技術的助言では触れていない国交省の意見も明記されています。
実務に関わる方は、一度読んでおくと安心です。
技術的助言とパブコメの要点まとめ【忙しい人向け】



技術的助言とパブコメをもとに、設計前に確認しておきたい要点を整理しました。
見落としを防ぐためにも、事前に目を通しておくことをおすすめします。
| 疑問点 | 考え方(一部加工・抜粋) |
|---|---|
| 平面図に記載する内容は? | 照明設備の設置位置 50 ルクス以上の照明設備を設置する旨 引用:技術的助言 |
| 完了検査ではどう確認する? | 照明設備が、確認申請図書と同様の位置に設置されていることを目視等により確認 引用:技術的助言 |
| 居室のどの場所でも50ルクスが必要? | 居室の床面全てにおいて50ルクス以上の照度を確保する必要があります。 引用:パブリックコメント |
| 照明器具の種類や形に制限はある? | 種別や形状等は制限していない 一般的な白熱電灯・LEDどちらでもOKなようです 引用:パブリックコメント |
| 調光タイプは使える? | 貴見のとおり 引用:パブリックコメント |
行政に携わった経験を踏まえて



完了検査でシーリングローゼットを目視で確認するってことは、照明設備自体は無くても良いってことですか?



照明設備の設置の有無は、最終的な判断は申請先によります。
技術的助言には「設置可能であればよい」とも読み取れます。
しかし法適合の前提は床面照度50lxの確認にあるため、本来は完了検査時に照明設備の設置が必要です。
なお、技術的助言に拘束力はないため、優先すべきは申請先の判断です。



居室の床面積の1/10でいいなら、最初から1/7にする必要なかったのでは?
これまでの1/7は、実は過剰な基準だったんじゃない?



かつては、室内の明るさや湿気対策を「自然光」に頼るしかありませんでした。
そのため、床面積の1/7以上という開口部が必要とされてきたんです。
でも現在は、照明や断熱設備の性能が大きく向上し、人工的な手段でも衛生的な室内環境を確保できるようになりました。
この技術の進歩を踏まえて、照度50lx以上の照明を条件に、1/10まで緩和できるようになったというわけです。
まとめ
住宅の居室で採光面積を「1/7 → 1/10」に緩和するための要件
・照明器具の種類や形状に制限なし(白熱灯、LED、天井埋込型などすべてOK)
・床面で50lx以上の照度を確保できる照明設備を設置すること
※調光式の場合は最大出力時に50lx以上を確保する必要あり
・照明は床全体で50lx以上の照度が得られる位置に設置すること
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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