
「倉庫業を営む倉庫」と「営まない倉庫」ってどんなもの?
用途地域の制限も変わるの?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
他人の荷物を預かって保管するビジネスをしている倉庫は、法律上「倉庫業を営む倉庫」になる
逆に、自分の倉庫に自分の荷物を置くだけなら「倉庫業を営む倉庫」にはあたらない
これの違いを区別して「倉庫業を営まない倉庫」と呼ばれる



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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「倉庫業を営む倉庫」と「営まない倉庫」の違いとは?
他人の物品を保管することを業としている場合は「倉庫業を営む倉庫」(営業倉庫)になる
自ら所有する倉庫を、自らの物品を保管するために用いる場合は「倉庫業を営む倉庫」に該当しないため、いわゆる「営まない倉庫」になる
引用:「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」から一部抜粋
引用:大和物流倉庫 用語集 営業倉庫 表にある自家用倉庫は、「倉庫業を営まない倉庫」にあたります。



ちょっと難しくて分からないです…。



大丈夫です!
違いを表でまとめたので見てみましょう。
| 項目 | 営まない倉庫 | 倉庫業を営む倉庫 |
|---|---|---|
| 定義 | 利用者が自分で荷物を出し入れする収納スペース(レンタルボックス・レンタル倉庫など) ※保管・管理も利用者本人が行う | 契約に基づいて他人の荷物を預かり、保管する営業用の倉庫 ※保管・管理は業者が行う |
| 契約形態 | 賃貸借契約 | 寄託契約(倉庫業) |
| 倉庫業許可 | 不要(倉庫業には該当しないため) | 必要(国土交通大臣の登録) 温湿度管理や防塵などの設備基準に加え、約款の整備・相談窓口の設置・管理責任者の配置といった運営基準を満たす必要がある。 さらに、建築確認を受けていること、施設や設備が基準に適合していること、管理責任者の明確化、倉庫寄託約款の策定など、厳格な許可基準をクリアする必要があります。 |
他人の荷物を契約に基づいて預かり、保管・管理を事業として行う場合は「倉庫業を営む倉庫」に分類されます。
一方で、自分の倉庫に自分の荷物を置くだけなら「営まない倉庫」になります。
要点は「誰の荷物を預かり、誰が管理するのか」です。
他人の荷物を保管・管理なら「営む倉庫」、自分の荷物を保管・管理だけなら「営まない倉庫」と覚えると分かりやすいでしょう。



なるほど、大事なのは「誰の荷物を誰が管理するか」なんですね。
街でよく見るレンタル倉庫やトランクルームは、自分で管理するから「営まない倉庫」ってことですか?



レンタル倉庫やレンタル収納スペースは「自分の物」を「自分で保管・管理」します。
だから「営まない倉庫」に分類されます。
レンタル倉庫はあくまで場所を借りて、自分で保管する仕組みなんです。
逆に「営む倉庫」は企業が責任を持って他人の荷物を管理する倉庫です。
どの用途地域で建てられる?早わかりチェック表



「営む倉庫」「営まない倉庫」ともに、建てられる場所は限られています。
用途地域ごとの可否をまとめたのでチェックしてみてください。
| 用途地域 | 営まない倉庫 (レンタル倉庫) | 倉庫業を営む倉庫 (営業倉庫) |
|---|---|---|
| 一種低層 | ||
| 二種低層 | ||
| 一種中高層 | ||
| 二種中高層 | 床面積1500㎡以下+2階以下 | |
| 一種住居 | 3000㎡以下 | |
| 二種住居 | ||
| 準住居 | ||
| 田園住居 | ||
| 近隣商業 | ||
| 商業 | ||
| 準工業 | ||
| 工業 | ||
| 工業専用 |



倉庫業を営む倉庫は、準住居地域から建てられるんですね。
想像より規制が厳しいです…。



営む倉庫は事業用なので、個人利用の倉庫とは違います。
だから住居系の地域にはなじまず、用途制限も厳しくなっています。
営む倉庫にはどんな事例がある?
具体的には、次のような倉庫サービスがあります。
・食品倉庫
・精密機械倉庫
・建材倉庫
・ワイン・酒類倉庫
・危険物倉庫
・文書保管倉庫
引用:福岡倉庫株式会社 倉庫サービス 引用:福岡倉庫株式会社 ワイン・酒類保管|倉庫サービス 引用:福岡倉庫株式会社 危険物保管



自社の商品をたくさん保管すると…どうやって管理するんだろう?
そういうのを専門にやってくれる会社があると便利そうですね。
温度や湿度の管理が必要な商品って、結構あるんでしょうか?



そうしたニーズに応えるのが「倉庫業を営む倉庫」です。
身近なものでも、実は保管に手間がかかる品は多いんです。
引用した企業HPを見ると、営む倉庫のイメージがよく分かります。
よくある誤解や疑問にズバリ答えます!



現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。
行政に携わった経験を踏まえて



倉庫業を営む倉庫は、倉庫業法の許可が必要なんですね。
しかも、その基準はかなり厳しいと聞きます。
では、建築基準法上は「営む倉庫」と「営まない倉庫」で扱いは変わるんでしょうか?



建築基準法上の扱いに大きな違いはありません。
ただし、倉庫業法の許可基準は非常に厳しいため、建築段階から「許可取得を前提」とした設計を進めることが確実といえます。
営まない倉庫でも、後から用途変更して倉庫業の許可を取得するケースはあります。
ただし、すべての営まない倉庫が用途変更できるわけではないため、事前に十分な調査・確認を行うことが重要です。
引用:国土交通省東北運輸局 倉庫の用途が「倉庫業を営む倉庫」でないと登録できないのでしょうか? 引用:国土交通省 倉庫業登録申請の手引き 上記以外にも、「倉庫業の適切な運営の確保は、我が国経済の安定にとって重要」と明記されています。
また、営業倉庫で3年以上の実務経験を有するなどの要件を満たした倉庫管理主任者による適切な管理が義務付けられています。
こうした仕組みにより、国民生活や経済活動に欠かせない多種多様な物品を、大量かつ安全に保管できる体制が担保されているようです。
まとめ
「倉庫業を営む倉庫」と「営まない倉庫」の違いは、荷物の所有者と管理の主体で決まる
他人の荷物を契約に基づいて預かり、管理する場合は「倉庫業を営む倉庫」
自分の荷物を自分で管理するだけなら「営まない倉庫」と整理される
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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