
長屋ってどんな建物?
設計のときに気をつけることは?
一戸建て住宅や共同住宅と何が違うの?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
長屋
住戸ごとに屋外から直接出入りできる!
共同住宅
共用廊下や階段を通って住戸に出入りする!
建築基準法上、定義が異なり適用される規制も変わる
共同住宅の方が規制が厳しいが、条例によっては長屋の方が厳しい場合もある



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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長屋と共同住宅はどこが違う?形の違いを解説
長屋は、2戸以上の住戸がつながった建物で、各住戸には屋外から直接出入りできる
共同住宅は、共用の廊下や階段を通って住戸に出入りできる
①これが共同住宅の典型例


②外から直接出入りできるのが長屋


③長屋と共同住宅の違いを比較
| 長屋 | 共同住宅 |
|---|---|
| 各住戸に屋外から直接出入りできる 共用の廊下・階段なし 特殊建築物には該当しない | 共用廊下や階段を通って各住戸に出入りする 共用の廊下や階段がある 特殊建築物に該当する |



共用の廊下や階段があるかがポイントなんですね



共用の廊下や階段があれば共同住宅
なければ長屋
このルールを覚えれば、だいたい判断できます
これはどっち?共同住宅か長屋か、特殊事例を解説!


この建物の用途として正しいのはどれでしょう?
1.共同住宅
2.共同住宅+長屋
3.共同住宅+一戸建て住宅



共用の廊下や階段があるから、共同住宅だと思います。
でも、一部の住戸は共用部を通らずに出入りできるんですよね。
これってどう判断されるんでしょうか…。



「問答式 建築法規の実務 編集/国土交通省住宅局建築指導課・市街地建築課」では「共同住宅+長屋」と明確に記載されています。
そのため、このケースは②になります。
どちらが厳しい?共同住宅と長屋の規制比較
建建築基準法では、共同住宅は特殊建築物に該当するため、一般的には適用される規定が多くなります。
長屋は特殊建築物に該当しないため、一戸建てに近い規定になります。
ただし、条例で長屋に対して独自の規制が設けられている場合もあり、内容によっては共同住宅より長屋のほうが厳しくなることもあります



長屋のほうが、共同住宅よりも緩いんですか?



建築基準法では、共同住宅は特殊建築物にあたるため、規制が厳しくなります。
一方で、長屋は特殊建築物に該当しないため、多くの点で一戸建てと同等の規制です。
ただし、条例で長屋に上乗せ規制があることもあるので、計画時には条例の確認が重要です。
一戸建てと長屋の違いとは?建築基準法上の規制を比較
| 規制 | 一戸建ての住宅 | 長屋 |
|---|---|---|
| 採光 | 規制内容は共通 | |
| 換気 | 規制内容は共通 | |
| 排煙 | 規制内容は共通(緩和あり) | |
| シックハウス | 規制内容は共通 | |
| 用途地域 | 規制内容は共通 | |
| 兼用住宅の適用 | 規制内容は共通 ※なお、共同住宅は兼用住宅の規定が適用できません | |
| 界壁 | 検討が必要 | 検討不要 |
| 条例 | 条例により規制が異なるため、各計画ごとの確認が不可欠です | |
条例ではどちらが厳しい?共同住宅と長屋の規制を比較



小規模な共同住宅と長屋を例に、東京都建築安全条例の規定を比較してみましょう。
この条例では、条件によっては長屋のほうが厳しい規制が課される場合があります。
| 条例 | 規制の概要 |
|---|---|
| 第17条(共同住宅の主要な出入口) | 主要な出入口から道路まで、1.5m以上の通路が必要 |
| 第5条(長屋の主要な出入口) | 主要な出入口から道路まで、2m以上の通路が必要 |
長屋に関しては、「主要な出入口を道路に面させること。ただし、一定の幅以上の敷地内通路が確保されていればこの限りではない」とする条例が設けられている場合があります。
こうした場合、共同住宅よりも長屋のほうが厳しい要件になることがあります。
ただし、共同住宅と長屋に対する規制は全国的にばらつきがあり、一概に比較することはできません。
必ず、計画敷地と建物の形状に加え、該当する条例の内容を照らし合わせて確認してください。
なお、長屋と共同住宅で敷地通路の幅を統一している行政庁もあるようです。
行政に携わった経験を踏まえて



地方では長屋が多い印象があります。
何か理由があるんでしょうか?



地域や条例の内容によって異なりますが、建築基準法の枠組みでは長屋の方が規制が少ないことが多いです。
そのため、実務では共同住宅ではなく長屋として長屋として計画されるケースも見られます。
2〜3階建ての長屋形式アパートが、その代表的な例です。



長屋を計画中ですが、プライバシーのため玄関前に少しだけ手すり壁を設けたいと考えています。
この場合、その壁が共用廊下と見なされてしまい、共同住宅扱いになるのでしょうか?



どのような手すり壁を、どの範囲に設置するかによって判断が異なります。
このようなケースは個別判断となるため、注意が必要です。
なお、堺市はこの取扱いを公表している数少ない行政庁のひとつですので、参考として紹介します。
※取り扱いは自治体ごとに異なり、堺市の基準がそのまま他地域に適用されるとは限りません。確認申請先の相談することをおすすめします。
引用:堺市 建築基準法取扱い集
まとめ
長屋は各住戸に外部から直接出入りできる構造
共同住宅は共用の廊下や階段を介して出入りする
建築基準法では共同住宅のほうが規制が厳しい
条例によっては長屋の通路規制が上乗せされることもある
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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