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防災備蓄倉庫は容積率の対象外にできる?取扱いと技術的助言をわかりやすく解説!

備蓄倉庫は容積率の対象外にできる?取扱いと技術的助言をわかりやすく解説!

防災用の備蓄倉庫って、容積率の対象外にできるって本当?

戸建て住宅や事務所でも緩和の対象にできる?

事前に注意点を知っておきたい

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

防災用の備蓄倉庫は、延べ床面積の1/50まで容積率の対象外にできる

戸建て住宅でも事務所でも、建築物の用途は問わない

備蓄倉庫とするためには、壁で囲われた専用室と、扉に備蓄倉庫のプレートが必要

備蓄倉庫は同一棟でも別棟でもOK

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

防災用の備蓄倉庫とは?

防災用の備蓄倉庫とは、非常用食料や応急救助物資などを備えるための防災専用の倉庫

「専ら防災目的」で設けることが条件なため、日常用品の保管も兼ねる場合は容積率に算入されてしまうので注意

防災品を置けば、容積率から外せるんですか?

防災品を保管する専用倉庫なら、容積率から外せます。

食料、水、簡易トイレ、懐中電灯、電池、救急箱などの保管が一般的です。

防災用品であれば対象になるので、何を置くかで迷うことはないでしょう。

容積率はどれくらい緩和できる?

延べ床面積の1/50まで、容積率から除外できる

この延べ床面積には、備蓄倉庫自体の面積も含まれる

備蓄倉庫の例

1階60㎡+2階60㎡の建築物の場合、延べ床面積120㎡×1/50=2.4㎡までを、備蓄倉庫として容積率の対象外にできる

1/50だと、かなり小さい印象です。

車庫は1/5まで緩和することができるので、比べると桁違いです。

延べ面積100㎡の戸建てなら、対象外にできるのはたったの2㎡だけって感じがします。

例えば、豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例「防災備蓄倉庫等及び災害対策施設の手引き」では、一人あたり0.03㎡の設置を求めています。

延べ面積100㎡の戸建てなら、2㎡の備蓄倉庫で十分な広さになるでしょう。

延べ面積(m²)を入力すると、防災倉庫として容積率から除外できる面積の上限(1/50まで)^を自動で計算するツールを紹介します。

防災倉庫の容積不算入(1/50)計算ツール

技術的助言は公表されている?

国土交通省から技術的助言が出ています。

要点は次の3つです。
・非常用食料や応急救助物資などを備蓄する防災専用の倉庫
・倉庫である旨を表示していること
・壁で囲われた専用室であること

引用:建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(技術的助言)

行政庁や指定確認検査機関によっては、扉にプレートを貼るよう指示されることがあります。

厳しいなと感じたことも何度もあります。

その根拠は、国土交通省の技術的助言なんですね。

実は、その根拠は技術的助言です。

「そんな指示を受けたことがない」という人もいるかもしれません。

その場合、審査者や検査員が技術的助言を確認していない可能性があります。

言われなくても、助言どおりにしっかり貼ることをおすすめします。

行政庁や指定確認検査機関の取り扱いはある?

行政庁や指定確認検査機関での取扱いがあるなら、事前に知っておきたいです。

いくつかの行政庁が取扱いを公開していますが、特筆すべき内容を定めている例は見つかりませんでした。

引用:荒川区 専ら防災のために設ける備蓄倉庫に関する注意点

こちらは荒川区の例で、「形態や位置に留意して計画する」と記載されています。

誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよくある疑問に、審査の視点からシンプルに答えます。

扉のプレートはいつまでに?誰が設置する?

完了検査までに貼る必要があります。通常は施工者が準備します。

完了検査後に防災用品以外を置くと?

容積率の対象面積に含まれます。超えると違反建築物になるため、絶対に避けてください。

1階に採光のない納戸があります。5畳ほどですが、備蓄倉庫にして容積率対象外にできますか?

大きすぎるため、審査で指摘される可能性が高いです。
他の事例では、1㎡前後の備蓄倉庫がほとんどです。

防災用の備蓄倉庫に面積上限はありますか?

上限はありませんが、1/50までしか緩和されません。大きすぎると「本当に備蓄倉庫なのか」と見られ、審査で指摘される可能性があります。

防災用備蓄倉庫と聞くと別棟を想像します。
戸建て住宅内の物置でも、容積率の対象外にできますか?

同一棟でも別棟でもOKです。
戸建て住宅内の物置も、もちろん対象外にできます。

寝室奥のウォークインクローゼットを、防災用備蓄倉庫にできますか?

転用の恐れが高く、審査で指摘される可能性があります。おすすめしません。

戸建て住宅では、住宅内に防災用備蓄倉庫を複数設置できますか?

法律や技術的助言に明確な規定はありません。
ただし、住宅内に分散する必要はないため、複数あると「なぜ?」と聞かれるかもしれません。

ビルトインガレージのある一戸建て住宅ですが、住戸内に備蓄倉庫がある時、同時に容積率緩和に使用しても良いですか。

同時に利用することができます。次の記事で詳しく解説しているので合わせて読むと理解が深まります。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

この規定があると、設計しやすくなります。

設計はしやすくなりますが、保管できるのはあくまで防災用品のみです。
容積率の都合で備蓄倉庫にするのではなく、防災用品をきちんと備え、有事に備えましょう。

防災用品以外を置いたら、見つかりますか?

行政庁の職員が一軒ずつパトロールして、中身を確認することは一般的にはないようです。

ただ、「建物の使用開始後、報告や立入検査を実施することがある」と明記している行政庁もあります。

自分や家族のためにも、防災用品を置きましょう。

まとめ

備蓄倉庫は延べ面積の1/50まで容積率の対象外にできる

備蓄倉庫とするためには、壁で囲われた専用室と、扉に備蓄倉庫のプレートが必要

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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