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地下鉄の出入口は道路内建築の許可が必要?調べてみた!

地下鉄の出入口は道路内建築の許可が必要?調べてみた!

歩道の上にある地下鉄の出入口って、道路内建築の許可がいるの?


街中でよく見かけるけど、簡単に許可が出るもの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

地下鉄の出入口は屋根と柱・壁があるので、建築物に該当する

そのため一般的には道路内建築の許可が必要

この時、建築審査会の同意や、道路占用許可が必要になる

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

地下鉄の出入口は許可が必要?

街中で地下鉄の出入口をよく見かけます。

歩道の上にあると許可が必要なんですか?

屋根や柱・壁があるので、当然これも建築物に該当します。

建築基準法上の「道路」に建てるなら、道路内建築の許可が必要です。

どんな手続きが必要?

建築基準法の道路内建築許可と、道路法の占用許可の両方が必要

街中でよく見かけますが、道路内建築の許可は簡単に出ますか?

一般的に慎重な審査が行われ、許可の可否は個別判断となります。

特定行政庁が「安全・防火・衛生面に問題がなく、他の建物や周囲に支障を与えない」と判断したときに許可されます。

しかも建築審査会の同意も必要なので、ハードルは高めです。

じゃあ、道路占有許可は簡単に取れるんですか?

地下鉄の出入口って公共性もあるし、必要な設備ですよね

こちらも慎重に審査されるのが一般的で、許可の可否は状況によって異なります。

歩道の幅が狭くなると、人や自転車が通りにくくなって事故の原因にもなります。

そのため、道路管理者も慎重に判断します。

どこまでが許可の範囲?

地上の出入口だけじゃなくて、地下通路や駅も許可が必要なんですか?

許可が必要なのは、地上に出ている部分だけです。

実は建築基準法を読むと明確に書いてあります。

(道路内の建築制限)
第44条 建築物は道路内に建築してはならないただし、次に該当する建築物についてはこの限りでない。
一 地盤面下に設ける建築物

建築基準法を抜粋・一部加工

地面の下なら、道路内建築の制限ってかからないんですね?

地面の下なら、道路内建築の許可は必要ありません。

しかし建築物であることには変わりないので、地下でも確認申請は必要です。

必要な手続きと、どこまでが許可の対象かを混同しないよう注意が必要です。


許可申請の床面積って、どこまで含まれますか?

地下の連絡通路も入れるんですか?

地面の下は道路内建築の許可が不要なため、許可申請では基本的に地上部分の床面積だけを対象とします。

一方、確認申請では地下の連絡通路も含めて申請することになります。

その結果、確認申請と許可申請で床面積が一致せず、違和感を覚えるかもしれませんが、これが一般的な取り扱いです。

敷地の範囲はどこまで?

敷地って地上だけですか?

地下通路も含めるんでしょうか?

敷地の設定は特定行政庁の判断なので、はっきり決まっているわけではありません。

「道路占用と敷地設定を合わせるべき」、「地下通路も建築物だから敷地設定に含めるべき」、「地上に建物がないのに敷地設定に含めるのは不自然」など、意見がバラバラです。

同じ行政庁の中でも、駅ごとに取り扱いが異なる場合もあるようです。

ちなみに、連絡通路が広い場合は、敷地に含めておかないと容積率に抵触することがあります。

なんだか複雑ですね

地下鉄に建築基準法をそのまま当てはめると、合わない点が多いので無理もありません。

建築基準法が施行されたとき、地下鉄の建築物はあまり想定されていなかったと思われます。

そのため、制度との整合が難しいとの声が現場で挙がることもあります。

※昭和2年には東京都では銀座線が走っていました

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

駅ごとに敷地の扱いが違う場合、新しく相談があったときは、特定行政庁はどう判断するんですか?

他の駅の取扱いと比較したり、地下鉄事業者に過去の事例を確認したり、同じ路線の別の行政庁に相談するなどの方法があります。

ただし、正解があるわけではないので、合理的な説明を行政庁自ら構成する必要があります。

ちなみに、過去に取扱いを内部で決めている特定行政庁では、そこまで迷うことはないようです。

なお、バリアフリー対応としてエレベーターを設置・増築する場合、その際の既存部分への遡及範囲の判断は非常に難しいのが実情です。
(たとえば「特定防火設備で防火区画すれば、避難規定は遡及しない」といった判断事例もあり、対応は様々です。)


地面の下は許可がいらないのはわかりましたが、高架道路の下に建物をつくる場合は、許可が必要なんですか?

建築基準法施行令を読むと、高架道路下に建てる場合は許可が必要です。

なお、許可の検討対象にはなると思われるため、特定行政庁に相談することをお勧めします。

通常は、まず相談のうえで個別に判断されることが多いです。

建築基準法施行令(抜粋)
(道路内に建築することができる建築物に関する基準等)
第145条 
2 法第44条第1項第4号の政令で定める建築物は、道路、(略)、高架の道路の路面下に設けられる建築物並びに、(略)、及び自動車修理所とする。

建築基準法第44条第1項第4号及び施行令145条により、定められて建築物のみ道路内建築の許可を出すことができます。
道路内建築の許可対象は法令により限定されており、全ての建築物が対象になるわけではありません。

まとめ

地下鉄の出入口は屋根と柱・壁があるので、建築物に該当する

そのため一般的には道路内建築の許可が必要

この時、建築審査会の同意や、道路占用許可が必要になる

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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