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第一種中高層住居専用地域(一中高)では事務所の利用はできない?調べてみた!

第一種中高層住居専用地域(一中高)では事務所の利用はできない?調べてみた!

第一種中高層住居専用地域では事務所は建てられない?

利用することはできる?

どうしても事務所を建築したい場合、どうすれば良い?

兼用住宅と併用住宅は違うもの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

第一種中高層住居専用地域では事務所はできない

事務所として利用することもできない

ただし、事務所兼用住宅であれば建築可能

兼用住宅と併用住宅は法律上、まったく違うものなので、注意が必要

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

第一種中高層住居専用地域(一中高)では事務所はできない?

結論として、事務所単体は建築することができない!

事務所は建てられないんですね。

周りにコンビニや銀行があるので、事務所があっても問題ない街並みですが。

法律上、第一種中高層住居専用地域(一中高)では事務所はできません。

ただし、店舗や窓口のある銀行ぐらいであれば建築可能と定められています。

しかし、事務所は規制が厳しいのです。

💡ここで建てられない根拠を法文でチェック!

建築基準法第48条ー法別表第2(抜粋)

📢ここに「事務所」が書いてないため、建築が不可となる

(第一種中高層住居専用地域内において建築することができる建築物)
一 (い)項第一号から第九号までに掲げるもの
二 大学、高等専門学校、専修学校その他これらに類するもの
三 病院
四 老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもの
五 店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもののうち政令で定めるものでその用途に供する部分の床面積の合計が500㎡以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く。)
六 自動車車庫で床面積の合計が300㎡以内のもの又は都市計画として決定されたもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く。)
七 公益上必要な建築物で政令で定めるもの
八 前各号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く。)

どうしても建てたいときはどうすれば?条件はあるの?

例外的に、事務所兼用住宅であれば建築できる

ただし、条件があるため、計画時は注意が必要

事務所兼用住宅であれば建築できるんですね。

どんな条件があるのでしょうか?

条件は次の3点です

①延べ面積の2分の1以上を居住部分
 (事務所より住宅の床面積が大きいこと)

②事務所の床面積は50㎡以下

内部で行き来できること

計算式の例
計算式の例

3つのうち、1つでも欠けるとどうなりますか?

建築できません。

要するに、3つすべてを満たす必要があります。

💡ここで3つの条件を法文でチェック!

建築基準法施行令第130条の3(抜粋)

※以下は一種低層の条文ですが、一種中高層も同じ規制です

(第一種低層住居専用地域内に建築することができる兼用住宅)
法別表第二(い)項第二号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める住宅は、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供し、かつ、次の各号のいずれかに掲げる用途を兼ねるもの(これらの用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えるものを除く。)とする。
 事務所(汚物運搬用自動車、危険物運搬用自動車その他これらに類する自動車で国土交通大臣の指定するもののための駐車施設を同一敷地内に設けて業務を運営するものを除く。)

兼用住宅と併用住宅の違いは?

兼用住宅は「内部で行き来でき、構造的にも機能的にも一体」のもの

併用住宅は内部で行き来できないもの

兼用住宅と併用住宅の違い
兼用住宅と併用住宅の違い

内部で行き来できないと、どうなりますか?

内部で行き来できない場合、併用住宅に該当し、一中高では建築できません。


あくまで兼用住宅である必要があります。


そのため、内部で行き来できることは絶対に必要です。

住宅部分は住み続けて、事務所部分を貸し出しすることはできますか。

また、共用の廊下がある場合は、住宅と事務所のどちらに含めればよいですか。

住宅と住宅以外の部分が機能的に屋内で繋がっていて、分離し難いものを兼用住宅としているので、他の人が使用する場合は該当しないのが一般的です。

廊下については按分して算定する場合と、一律で事務所に計上する場合で判断が分かれます。

大阪府内建築行政連絡協議会では取り扱いを公開しているので参考になります。

引用:大阪府内建築行政連絡協議会「建築基準法及び同大阪府条例質疑応答集〔第6版〕 」

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

どうしても事務所を建てたいのですが、建築基準法第48条の許可を取得できますか?

48条許可は、公聴会や建築審査会を経る必要があり、ハードルが非常に高いため、現実的には困難です。事務所の建築を希望する場合は、はじめから事務所が許容される用途地域の敷地を選ぶことをおすすめします。

店舗はOKなのに、事務所はダメなんですか?

第一種中高層住居専用地域では、法律上「店舗」は建築可能ですが、「事務所」は建築できません。
この違いについては疑問の声もあるようですが、法令に基づいた用途制限によるものです。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

「建築できない」・「建てられない」と言っているが、すでに建っている建物を事務所にする場合は関係ないのでは。

用途変更でも同じ規制がかかります。

そのため、すでに建っている建物に入居しても同じ規制がかかるため、事務所は不可です。

兼用住宅であれば可能なため、兼用住宅の建物になっているか確認することをお勧めします。

銀行はどうして建築できますか。
同じように、たまに不動産屋も見かけます。

その用途は、事務所ではなく「サービス業を営む店舗」となっており、第一種中高層住居専用地域では、一定規模までは建築可能となっています。

税理士事務所、会計事務所、建築事務所はできますか。

その用途は、サービス業を営む店舗ではなく「事務所」のため、建築することができません。

過去に、建築できるように法改正を要望した人がいます。

引用:内閣府 第29回地域活性化WG 用途地域における建築物制限の緩和について 

まとめ

第一種中高層住居専用地域では事務所はできない

ただし、事務所兼用住宅であれば建築可能

兼用住宅と併用住宅はまったく違うもの

そのため、兼用住宅で計画する必要がある

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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