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建築主事は特定行政庁の部下?役割や関係を文献から読み解く!

建築主事は特定行政庁の部下?役割や関係を文献から読み解く!

建築主事と特定行政庁の関係は?


上下関係はあるの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

建築主事と特定行政庁の間に、法令上の上下関係はない

建築主事は法律上、知事または市長の指揮監督を受けるとされている

一方で、特定行政庁にはそのような指揮監督に関する規定はない

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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上下関係はあるのか?法律の立場

建築主事って、特定行政庁の部下だと思ってました。

市長とか知事が上の立場っていうイメージなんですが、法律ではどうなっているんでしょうか?

法律上、建築主事と特定行政庁の間に上下関係はありません。

この点について、昭和後期の文献では次のように記されています。

特定行政庁と建築主事との関係について、よく上下の関係、すなわち、監督者と被監督者との関係にあるようにいわれるが、この考え方は、法律的には正しくない。

法律的には、建築主事と特定行政庁とのいずれが上下になるかは触れられていないのである。

引用:建築基準法50講(第3版)

上下関係がないなら、建築主事と特定行政庁は対等ってことですか?

法律上は、両者の間に上下関係を定める規定がないため、制度上は独立した立場として整理されています。

「特定行政庁は市長、建築主事は課長クラス」
――そう聞けば、上下関係があるように思えますよね。

実際の組織図でも、市長と課長なら明らかに上司と部下。

でも建築基準法では、このふたりが“対等”という不思議な関係になります。

昭和の文献に見る“二重の地位”とは

正直、制度の仕組みがちょっとややこしいです…。

そう感じるのも無理はありません。

というのも、「知事・市長」と「特定行政庁」が制度上は同じ人物として扱われているからです。

この点は、昭和後期の文献にも書かれています。

法律的には、建築主事が指揮監督を受けるのは知事なり市長であって特定行政庁ではない。

(略)

現実には知事なり市長が特定行政庁という地位を兼ねているので建築主事は特定行政庁の指揮監督を受けるといってもそ、れほど問題はないが、

知事や市長は、
 特定行政庁という地位 と、
 建築主事を指揮監督しうるという地位

といういわば二重の地位を有し、建築主事を一般的に指揮監督しうるのは後者の地位に基づくものである。

引用:建築基準法50講(第3版)・一部抜粋・加工

図解でスッキリ!市長・特定行政庁・建築主事の関係を図で整理

つまり、建築主事に対する指揮監督の権限は、「特定行政庁としての立場」ではなく、「知事や市長としての立場」に基づくとされています。

だから、建築主事と特定行政庁の間に上下関係はないんです。

この制度、誰に関係あるの?
― 設計者・行政・市民それぞれの視点でチェック!

このQ&Aでは、「建築主事と特定行政庁の関係」が、設計者・行政職員・市民それぞれにとってどんな意味を持つのかを整理しています。

制度の理解が深まると、申請や対応の精度も変わってきます。

建築主事や特定行政庁の関係って、本当に意味あるんですか?
結局はどちらも課長が兼ねてるだけですよね?

たしかに、多くの行政庁では課長が兼ねています。
でも都道府県や政令市では、建築主事を課長と分けたり、建築主事を複数人設置するケースもあります。
この場合、誰が誰の指示を受けるのかという関係が重要になってくるんです。

市長・特定行政庁・建築主事で意見がバラバラなとき、最終的に誰の意見が通るんですか?

内部で意見が異なる場合でも、最終的な確認処分は建築主事の判断に基づいて行われます。
組織内では協議のうえ調整されますが、外部からは「行政庁としての統一された判断」として扱われます。

どうせ市長が特定行政庁になるなら、「特定行政庁」って言葉って必要なんですか?

たしかに普段はあまり必要に感じないかもしれません。
でも、限定特定行政庁がある県では、建物の規模によって「知事」か「市長」かが変わる場合があります。
だから「特定行政庁」という用語が必要なんです。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

建築主事は知事や市長の指揮を受けるってことは、確認申請の判断も知事や市長が優先されるんですか?

最終的に判断するのは建築主事です。

行政処分を行うのも、確認済証を交付するのも、すべて建築主事の役割です。

まとめ

建築主事と特定行政庁に法的な上下関係は存在しない

建築主事は知事や市長の「職務上の立場」から指揮を受ける

制度を正しく理解することで、現場での対応力が高まる

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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