
建築確認(確認済証明・建築計画概要書・台帳記載事項証明書)と登記簿で床面積が違うのってなぜ?
どっちが正しい?
違いを知るにはどうすればいい?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこれ!
建築基準法と不動産登記法では、床面積の計算ルールが異なる
そのため、建築確認と登記簿で面積が食い違うのはよくあること
市役所や法務局はそれぞれの制度に基づいて業務を行っており、面積の差を把握しているわけではない
違いを知りたい場合は、建築確認図面と登記の求積図を集め、専門家に相談するのが確実
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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建築確認と登記簿で面積が違うのはなぜ起きる?







建築計画概要書を取ったら、登記簿と面積が違ってました。
10㎡以上も差があるんですが、役所の誤りなのでしょうか?
それとも設計者の申請ミスですか?



実は、面積が一致しないのはよくあるケースです。
ミスではなく、正しく申請・建築されていれば問題ありません。



どうして面積が違うんですか?



理由は、面積の計算方法が違うからです。
建築確認は建築基準法、登記簿は不動産登記法に基づいています。
つまり、根拠となる法律がそもそも違うんです。
具体的な違いは、このあと説明します。
床面積が一致しない理由とは?
建築基準法と不動産登記法では、床面積の算定方法に違いがあり、両者の面積が一致するとは限らない
たとえば、建築基準法では、開放性の高い廊下については、腰壁や手すりから2m以内の部分を床面積に含めないとする扱いがある
一方、不動産登記法における床面積は、外部に開放された部分は原則として含めないとされている
不動産登記法の独自ポイント
登記で床面積として認められるには、天井があり、三方向以上が壁やガラスなどで囲まれ、かつ天井の高さが1.5m以上あることが必要です。



法律そのものが違うからなんですね。
でも、文字だけだとちょっとイメージしづらいです。



はい、法律が違うので、面積の考え方も異なります。
たとえば、ベランダやバルコニーは、建築基準法では条件付きで床面積に含めないことがあります。
そのため条件を満たさなければ床面積に含めます。
一方で、登記では基本的に含まれません。
言葉だけでは伝わりにくいので、次のセクションで写真を使って説明します。
該当条文をチェック
不動産登記規則第115条 (建物の床面積)
(建物の床面積)
第115条 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。
不動産登記事務取扱手続準則第82条
第82条
建物の床面積は,規則第115条に定めるところによるほか,次に掲げるところにより定めるものとする。
一 天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階(特殊階)は,床面積に算入しない。ただし,1室の一部が天井の高さ1.5メートル未満であっても,その部分は,当該1室の面積に算入する。
二 停車場の上屋を有する乗降場及び荷物積卸場の床面積は,その上屋の占める部分の乗降場及び荷物積卸場の面積により計算する。
三 野球場,競馬場又はこれらに類する施設の観覧席は,屋根の設備のある部分の面積を床面積として計算する。
四 地下停車場,地下駐車場及び地下街の建物の床面積は,壁又は柱等により区画された部分の面積により定める。ただし,常時一般に開放されている通路及び階段の部分を除く。
五 停車場の地下道設備(地下停車場のものを含む。)は,床面積に算入しない。
六 階段室,エレベーター室又はこれに準ずるものは,床を有するものとみなして各階の床面積に算入する。
七 建物に附属する屋外の階段は,床面積に算入しない。
八 建物の一部が上階まで吹抜になっている場合には,その吹抜の部分は,上階の床面積に算入しない。
九 柱又は壁が傾斜している場合の床面積は,各階の床面の接着する壁その他の区画の中心線で囲まれた部分による。
十 建物の内部に煙突又はダストシュートがある場合(その一部が外側に及んでいるものを含む。)には,その部分は各階の床面積に算入し,外側にあるときは算入しない。
十一 出窓は,その高さ1.5メートル以上のものでその下部が床面と同一の高さにあるものに限り,床面積に算入する
不動産登記法において、建物として登記することができる要件
「建物とは、屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものをいう。」
と規定されていて、「建物」として認められるためには、これらの要件全てを満たす必要がある。
- 外気分断性 : 屋根及び周壁などの外気を分断するものを有すること。
- 定着性 : 土地に定着したものであること。
- 用途性 : その目的とする用途に供し得る状態にあること。
- 取引性 : 不動産として独立して取引の対象となり得るものであること。
<参考>
一般財団法人資産評価システム研究センター:家屋評価の対象範囲について~建造物について不動産登記と関連づけた判断~
引用した資料ではないですが、家屋評価と不動産登記を関連付けつつも簡潔にまとめられていて非常にわかりやすいので紹介します。
車庫を用いた事例紹介



ここでは、実際の車庫を例にして、どのような場合に床面積に含まれるのかを比べてみます。




| 法律 | 車庫A | 車庫B |
|---|---|---|
| 建築基準法 | 算入 屋内的用途のため | 算入 屋内的用途のため |
| 不動産登記法 | 算入 3方向以上が壁で 囲まれている | 不算入 左右に壁が無い (壁で囲まれていない) |



車庫一つでも、壁があるかないかで変わるんですね。



建築基準法では、車庫はすべて床面積に含まれます。
でも登記では、壁で囲まれているかどうかが判断基準になります。
細かい違いなので、ざっくり仕組みを知っておくだけでも十分です。
他にもある!面積がズレやすい部分とは?
ポーチ
ピロティ
自動車車庫
バルコニー・ベランダ
屋外階段
出窓
搭屋(ペントハウス)
※これらの部分は、建築確認と登記で床面積の扱いが異なることが多いため、注意が必要です。



こういう部分で、面積がズレることがあるんですね。



はい、それぞれの法律で面積の考え方が違うんです。
確認と登記で数字が違っていたら、まずはこのような部分が含まれていないか見てみるといいかもしれません。
参考
tamakan
建築基準法と不動産登記法の床面積の算定の相違点をまとめているサイト
まとめ
建築確認と登記簿では、床面積の計算方法が異なるため一致しないことがある
代表例として、車庫・バルコニー・出窓などは判断基準が異なる
面積が違っていても誤りとは限らず、法律の違いを理解しておくことが大切
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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