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【法規小ネタ】昔は二級建築士でもOK?建築主事の資格制度、実は何度も変わっている

建築主事は「一級建築士でないとなれない」というイメージがありますが、制度の歴史をみると必ずしも最初からそうだったわけではありません。昭和から平成初期にかけては、建築主事資格検定の受検資格が一級建築士に限定されておらず、二級建築士資格を持つ建築主事が、一級建築士が設計した図面を審査するケースも制度上は存在していました。
「そうだったの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
なお、一級建築士の場合は試験科目の一部免除があったため、二級建築士と比べると受験上は有利な側面もありました。

平成11年改正で制度は大きく転換

しかし平成11年5月1日の法改正により、建築主事資格検定の受検資格は大きく見直され、一級建築士試験に合格した者が前提となりました。これにより、二級建築士のみでは建築主事資格検定を受験できない制度へ移行しました。背景には、建築物の高度化や性能規定化の進展、構造安全性への社会的要求の高まりなどがあると考えられます。

その後、建築主事や確認検査員の担い手不足が顕在化し、さらに2025年の法改正により確認申請が必要となる建築物の範囲が拡大したことで、審査体制の維持が課題となりました。こうした状況を踏まえ、令和6年4月1日の法改正により、一級建築基準適合判定資格者(建築主事相当)と二級建築基準適合判定資格者(副建築主事)が創設され、実務に合わせた役割分担型の制度へと再設計されています。

建築主事制度は「厳しくなる一方」ではなく、社会状況や実務体制に応じて見直されてきました。現在の制度も、人材確保と審査品質の両立を意識した形に変化していると言えるでしょう。

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