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【図で解説】採光計算で道路・公園・水路・川・赤道・線路は緩和できる?

採光計算で道路・公園・水路・川・赤道・線路は緩和できる?図で解説してみた!

隣地に道路・公園・水路・川・赤道・線路がある場合、採光計算の緩和を受けることができる?

図で解説してほしい!

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

道路の場合は、道路の反対側の境界線から検討する

公園・水路・川・赤道・線路の場合は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱う

高架道路は行政庁や指定確認検査機関によって取り扱いが異なるため注意が必要

言葉だけではわかりにくいため、図を使って詳しく解説します

結論は、次の表にすべて整理しています。

まずはこちらで全体像をつかんでおくと、この記事の内容が理解しやすくなります。

道路水路・川・河川・水面赤道・里道線路公園
道路の反対側1/21/21/21/2
採光計算の緩和の取り扱い

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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この記事の流れ

採光計算の緩和とは?

採光補正係数を算定する際、水平距離Dは隣地境界線までの距離が基本!

ただし、道路や公園などに面している場合、水平距離Dが緩和されます。

採光上有効な開口部の計算式

採光上有効な開口部の面積 = 窓の面積 × 採光補正係数

採光補正係数とは、居室の窓に対して“採光上有効な面積”を算定するときに用いる係数。

水平距離Dと垂直距離Hの取り方

通常は隣地境界線までの距離Dを使って採光計算を行いますよね。

隣地が道路や公園などの場合、距離を緩和できます。

これにより、採光計算が非常に有利になり、設計の幅が広がります。

道路がある場合の緩和はどうなる?

道路の場合は、道路の反対側の境界線から検討する

道路の反対側の境界線になるため、計算上は非常に有利になります。

川・河川・水路・水面がある場合の緩和はどうなる?

川・河川・水路・水面は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱います

公園・広場がある場合の緩和はどうなる?

公園・広場は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱います

赤道・里道の緩和はどうなる?

赤道・里道は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱います

道路とは異なり、里道や赤道は1/2扱いなるんですね。

道路とは異なる扱いになるため、注意が必要です。

線路の緩和はどうなる?

線路は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱います

線路幅が広いため、1/2でも設計上は非常に助かります。

線路の場合、採光計算を適合させやすくなります。

高架道路の緩和はどうなる?

高架道路の場合は、行政庁や指定確認検査機関の取り扱いによって異なるため、注意が必要

確かに高架道路の場合、採光計算で緩和しても支障がないか不安になります。

法律には「道路」とのみ記載されていません。


そのため、実情を考慮するのか、それとも条文通りにするのかで判断が分かれています。


千葉県内の特定行政庁のように、行政庁によっては取り扱いを公開しているところもあります。

引用:千葉県建築基準法令関係取扱基準集 一部抜粋

よくある誤解や疑問にズバリ答えます!

現場で本当によく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。

緩和として使っていた空地が無くなると、どうなりますか?

緩和要件として利用していた空地が失われた場合、その建築物は既存不適格には該当せず、一般的には違反扱いとなります(既存不適格は、法改正により適合しなくなったものを指します)。
道路・公園・川・線路が消滅することは稀です。
しかし水路や赤道はやや注意が必要かもしれません(廃止や払い下げの可能性があるため)

住宅の居室がどうしても採光が取れません。いい方法はありませんか。

次の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。

道路に面していますが、緩和を使っても採光計算では採光補正係数が1.0未満になります。どう扱えばよいですか?

採光窓が道路に面している場合は、採光補正係数が1.0未満であっても「採光補正係数=1」として扱うことができます(建築基準法施行令第20条第2項)。
なお、逆にいえば採光補正係数を「1」で計算して基準を満たすのであれば、道路との水平距離などを考慮した採光関係比率を計算しないで計算書を作成することも可能です。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

公園の場合、採光計算でどの公園でも緩和して問題ないのでしょうか。

一般的には、都市公園法に基づく公園が緩和の対象となることが多いです。

また、所有および管理が市(都、国)であることも確認する必要がある場合があります。

緩和対象の公園かどうか、事前に行政庁に確認することをお勧めします。

道路の反対側に水路や公園がある場合、緩和を使用することは可能ですか。

一般的には、「道路+水路(川・公園など)1/2」の位置まで緩和を使用することができます。

行政庁によっては、取り扱いを公開しているところもあります。

引用:中野区「斜線制限等の緩和を適用できる水路敷・公園等の取扱いについて」
引用:名古屋市建築基準法関係例規集(2023年度版)P.101

まとめ

道路の場合は、道路の反対側の境界線から検討する

公園・水路・川・赤道・線路の場合は、1/2だけ外側に隣地境界線があるものとして扱う

高架道路は行政庁や指定確認検査機関によって取り扱いが異なるため注意が必要

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

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