当サイトは【毎週月曜】に新しい記事を更新しています。

居室とは?建築基準法上の定義や行政庁の取り扱いを調べてみた!

居室とは?建築基準法上の定義や行政庁の取り扱いを調べてみた!

居室の定義ってあるの?

どんな部屋が当てはまるの?

この疑問をスッキリ解決!

💡ズバリ、結論はこちら!

居室とは、「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」のこと

「居室かどうか」は室名だけでなく、具体的な使用方法で判断する

居室と判断されると、無窓居室の検討や避難規定の検討が必要になるため、あとで判明すると手戻りの原因に

この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ

法律上の居室の定義とは?

建築基準法第2条第4号に記載あり
居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。

会議室や待合室のように、いろんな人が入れかわりで使う部屋も居室になります

法律にきちんと定義が記載されているんですね

定義は明確ですが、実際の運用では判断に迷うことも少なくありません

居室と非居室の具体例とは?

代表的な事例をいくつか紹介します

居室非居室
住宅の居間、リビング、ダイニング、寝室、応接室、書斎、
事務所の事務室、会議室
守衛室、当直室
病院の病室、待合室、診察室
飲食店の客席、厨房
店舗の売り場、休憩室
工場の作業場
病院等のレントゲン室、操作室、暗室(採光の検討は不要)
※小規模なものを除く
集会室、観覧席
映画館の客席ホール
公衆浴場の脱衣室、浴室
商店の売場、店員休憩室
ホテルのロビー
喫茶室の客席、厨房
ホテルの配膳室
住宅の玄関、廊下、階段室
住宅の台所・家事室で小規模なもの(他の部屋と間仕切り等で明確に区画すること)
納戸・物置
トイレ
浴室
廊下
倉庫
機械室
車庫
更衣室

継続的に使うかどうかで判断されるんですね

継続的に使うかどうかが判断基準になりますが室名だけでなく実際の使い方まで見て判断されます。

たとえば更衣室でも中にテーブルや椅子があると居室と判断する行政庁や指定確認検査機関もあります。

非居室のつもりで設計したのに審査で「これは居室なので採光や換気も検討してください」と言われるケースもよくあります。

行政庁ごとの取り扱いは?

明確に取り扱いを定めている行政庁は少ないですが、公開されている例もあるので紹介します

引用:堺市「居室の取扱い」
よくある一般論ではなく、踏み込んだ具体的な室の判断を明記している貴重な行政庁のひとつです
引用:前橋市「住宅の台所に関する非居室扱いについて」
一般的な取り扱いに見えるが、「〇〇条は非居室に該当」と明確に条項を示していて参考になります
引用:大阪府内建築行政連絡協議会「建築基準法及び同大阪府条例質疑応答集」

過去の文献ではどのような扱い?

昭和46年ごろの、建築基準法の解説本を基に紹介します。

用語の定義:居室

居住、執務、作業、集会、娯楽等の目的のために継続的に使用する室をいう 。

居室には居間、寝室、台所、応接室、書斎、店舗の売場、工場の作業室、 当直室、会議室、待合室、観客席などが入る。

居室に該当しないものとしては、玄関、廊下、階段室、便所、手洗所、浴室、物置、納戸等がある。

なお、公衆浴場の脱衣室、浴室は居室である。

引用:「図解建築法規」 新日本法規出版 1971年

今とあまり変わってないんですね

1971年(昭和46年)の時点で基本的な考え方は確立されていて今も引き継がれています。

ただ今は室の種類が多くなったので設計者も審査側も判断に悩むことが増えています。

行政に携わった経験を踏まえて

ここでは、行政実務に携わった経験をふまえ、現場で得られた知見や気づきをご紹介します。

特別養護老人ホームの浴室は居室なりますか?

「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」に基づいて設けられ、介護の一環として使われるため、住宅の浴室とは設置目的が異なります。

一般的には、入れ替わりで複数人が使用するため居室として扱われる場合もあります。

ただし、最終的な判断は確認申請先によります。

住宅の浴室のような個人利用とは前提が違うので同じ扱いにはなりません。

非居室だと思っていたら、「居室に該当する」と審査で言われました…

どうしたらいいですか?

非居室と判断した根拠を審査者に説明する必要がありますが、最終的には確認申請先の判断になるため、判断基準が異なることがあります。

客観性と合理性のある説明であれば非居室になる可能性もあります。

ただ、その説明が非常に難しいので、最終的に居室とされるケースも多いです。

居室だと何が違ってくるんですか?

居室に該当すると、天井高さや採光、換気、排煙などの規定が適用されます。

さらに、避難に関する規定も加わるため、非居室と比べて設計上の制約は大きくなります。

そのため、非居室か居室かによって、設計方針が大きく変わります。
(逆に言えば、非居室と判断されれば、適用される規制はかなり緩やかです)


まとめ

居室とは、「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」のこと

「居室かどうか」は室名だけでなく、具体的な使用方法で判断する

居室と判断されると、無窓居室の検討や避難規定の検討が必要になるため、あとで判明すると手戻りの原因に

この記事を書いた人
ほぅちゃん

元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。

運営者情報を見る

この記事の流れ