この場合の「違法な建築確認」とは、建築主事や指定確認検査機関は申請図面が法律に適合していると判断しているものの、近隣住民の目から見ると不適合な点がある、というようなケースを指します。
※建築主事や指定確認検査機関が法令に不適合と判断した場合は、当然ながら確認済証は交付されません。

近所にマンションが建つって聞いたんです…
でも、道路も狭いし日影になるし、なんか変じゃないですか?
こういうのって、止める方法ってあるんでしょうか?
建築確認ってのを止めてもらえれば良いのでしょうか?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
建築確認は「形式的に適合していれば通る」のが原則
ただし、差止訴訟や取消訴訟で争える可能性はある
重要なのは“確認前に動く”こと、“早めの情報収集”



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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【事例紹介】近所に突然マンション計画?


建築確認は住民への通知を前提とした制度ではないため、手続きの進行に気づきにくい場合があります。



近所にマンションが建つって聞いたんです。
でも、敷地が狭いし、法律的にちょっと怪しい気がして…。
知らないうちに進むマンション計画にご注意を
ある日突然、近所に大きなマンションが建つという話が耳に入りました。
「えっ、あんな狭い道に?」「うちのベランダ、日影になるんじゃ…?」
ざわつく近所、焦る住民たち。
でもその一方で、現地では粛々と建築確認の手続きが進んでいる様子。



こんなとき、どうすればいいんでしょうか?
法律的におかしい気がするけど…止めることなんてできるのかな。



市役所にも聞いてみたけど、“確認申請が通っていれば…”って、取り合ってもらえなくて。
じゃあ、確認っていったん通ったらもう何もできないの?



この記事では、そういった不安を持つ方に向けて、
“確認前に止める方法”と“確認後に争う方法”をわかりやすく解説していきます。
【なにが問題?】確認申請って止められないの?
確認済証が交付されたら、原則として差し止めはできません!



工事が始まる前に止めたいんですけど…
建築確認って、一度通ってしまったらどうにもできないんですか?



実は、建築確認は“形式審査”です。
そのため、建築基準法に適合していれば、止めることはできません。
でも、逆に言えば“明らかに違法”な計画なら争う方法もあります。
なんでこんな建物が通るの?その理由は“形式審査”にあります
建築確認とは、「その建築計画が建築基準法などに適合しているかどうか」を形式的に審査する制度です。
言い換えれば、”書類が整っていて、法律上の条件を満たしていれば、原則として“通ってしまう”ものです。
これが、一般の方にとって「なんでこんな建物が建つの!?」というトラブルの原因になりがちです。
審査側も、住民から「なんとか止めてくれ」と相談を受けても、確認が法的に適正である限り、止める権限がないのが現実です。
【なにが問題?】近隣住民は口出しできないの?
建築確認は原則として「住民の意見」が反映される手続きではありません。



でも、住民として困るんです。
日照もなくなるし、プライバシーも…。
こっちは何も言えないんですか?



お気持ちはよくわかります。
建築確認は、基本的に申請者と審査者の間で進む手続きなので、住民の意見が反映されないのは確かです。
でも、まったく何もできないわけではありません。
差止訴訟や取消訴訟という法的手段をとれば、争う余地はあります。
住民にも訴訟を起こす権利があるってご存じですか?
建築確認は、あくまで申請者と審査者との間で交わされる「手続き」です。
そのため、近隣住民は直接その判断に関与できません。
ただし、「原告適格」があると認められれば、住民でも訴訟を通じて争うことは可能です。
次のセクションでは、
建築確認が交付される「前」に取れる手段=差止訴訟
交付された「後」に取れる手段=取消訴訟
それぞれについて、詳しく解説していきます。
【どう解決する?】確認前に止めるには?
差止訴訟という法的手段がありますが、条件はかなり限定されています。



もし建築確認がまだ交付されてないなら、なんとかして止める方法ってないんですか?



はい、確認前であれば“差止訴訟”という方法があります。
違法な建築確認がされそうな場合に、裁判所を通じて止めることができる手続きです。
※隣人に違法建築の「疑い」があるだけでは、差し止めを求める法的権利は認められません
声を上げるなら、確認前が勝負
訴訟による対応が難しい場合でも、完全に無力というわけではありません。
事前の説明会で意見を述べる
地元議員を通じて行政に働きかける
など、“手続きの前段階”での働きかけは非常に重要です。
そして何より大事なのは、「建築確認が交付されてからでは遅い」という現実を知っておくことです。
【どう解決する?】確認済証が出てしまったら、もう遅い?
確認後に建築を止めたい場合は、「取消訴訟」を起こす方法がある



もう確認済証が出ちゃった場合はどうなりますか…。
でも、あの建物、本当に法律に合ってるとは思えなくて…。
もう何もできないんでしょうか?



差止訴訟は使えませんが、違法性が明らかであれば“取消訴訟”を起こすことは可能です。
出された確認を「なかったこと」にするには?
確認済証がすでに出されたあとでも、「もう何もできない」というわけではありません。
そんなときに使えるのが「取消訴訟」という方法です。
これは、出された建築確認を「間違っている」として、裁判で取り消してもらう手続きです。
ただし、誰でも使えるわけではなく、いくつかの注意点があります。
また、裁判を起こすには、書類や法律の知識が必要になります。
「これはおかしい」と思ったら、早めに弁護士に相談することが大切です。
確認後でもチャンスはゼロではありませんが、
差止訴訟よりも条件が厳しく、早めの行動がカギになります。
【行政の視点】実務では建築確認はどう対応されている?
建築主事や指定確認検査機関は「法に合っているか」だけを見ている



そもそも、建築確認って誰が出してるんですか?
ちゃんと違法なものは止めてくれてるんじゃ…?



建築確認は、建築主事や指定確認検査機関が審査します。
でも、彼らが見るのは“形式的に法律に合っているか”だけなんです。
迷惑でも止められない?建築確認の仕組みを知ってますか
建築確認は、原則として市町村などにいる「建築主事」や、民間の「指定確認検査機関」が審査します。
ただし彼らが確認するのは、**あくまで「法令に適合しているか」という“書類上の形式”**です。
つまり、図面や申請内容が建築基準法などに合っていれば、たとえ周囲に迷惑がかかるような計画でも、確認済証が交付されてしまうのです。
これは「審査者が冷たい」のではなく、制度上“確認主義”に徹しているため、住民の生活への影響までは判断に含まれていないのが現実です。
【まとめ】確認申請を止めたいときの行動ポイント



じゃあ結局、近所で“おかしな建築”が動いていたら、
どうすればいいんでしょうか?



まずは“情報を早くつかむこと”が大切です。
そして、違法の可能性があるなら、確認前に行動するのがカギになります。
訴訟が難しい場合も、説明会で意見を出したり行政に働きかける方法はあります
まずは計画内容を確認する
→ 建築計画のお知らせ看板などから情報を得ましょう
明らかな違法性がありそうなら、早めに専門家に相談を
→ 弁護士に状況を伝えることで、法的な選択肢が見えてきます
確認前なら“差止訴訟”、確認後なら“取消訴訟”が可能なケースも
→ ただしどちらも条件は厳しく、スピードが重要です
※特に取消訴訟の方が条件が厳しいです



まず“確認前”に動かないと、手遅れになりやすいんですね…



はい。建築確認は一度通ってしまうと、原則として取り消すのは非常に難しくなります。
気づいたら、“すぐに動く”ことが本当に大切です。
情報とタイミングが遅れると、行動の選択肢が狭まります。
行政に携わった経験を踏まえて



役所も協力してくれませんか?
間に入って相手方と話をしてくれるだけでも助かるんですが…



お気持ちはよくわかります。
ただ、行政はどちらか一方の味方になるわけにはいかず、立場上、公平な対応を求められるため、間に入ることはできないようです。



じゃあ、市役所って何かしてくれるんですか?
建築主とも話してくれないし、止めることもできないなら、いったい何ができるんですか?



正直なところ、行政庁には法令に基づく役割があり、その範囲で対応が行われます。
法律に従って対応する立場なので、調整や介入のようなことは難しいのが現実です。



訴訟って、やっぱりハードルが高いですよね…。
他に、もっと簡単に動ける方法はないんでしょうか?



確認済証の交付後であれば、手続として「審査請求」が用意されていますが、要件や期間に注意が必要です。
訴訟よりも手続きのハードルは低めですが、法的な主張が必要になるため、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
建築確認は「形式的に法律に合っていれば通る」制度で、住民の声は反映されない
差止訴訟や取消訴訟など、住民にも争う手段はあるが、条件は厳しく早めの対応が重要
説明会や相談、意見提出など、確認前の段階で動くことが一番のポイント
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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