
「無窓居室」ってどういう意味?
もし該当したら、どんな対応が必要?
無窓居室の種類が多くて整理が難しいので、一覧表で全体像を知りたい
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこちら!
無窓居室とは、採光・排煙・換気などの基準を満たす窓が設けられていない居室のこと
無窓居室に該当すると、防火や排煙などに関する追加の規制がかかる
この記事では、無窓居室の種類と対応策を、表やフローを使って分かりやすく解説します



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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無窓居室とは?基本の考え方と3つの分類
無窓居室とは、建築基準法上の「一定の基準を満たす窓」が設けられていない居室のこと
無窓居室には、主に次の3種類がある
・採光無窓
・換気無窓
・排煙無窓
これらはそれぞれ条文が異なり、必要な対応策や規制内容も変わる



無窓居室ができないように設計しています。
でも、どうしても窓を設けられず、無窓居室になってしまう場合があります。
そんなときは、どのように対応すればいいですか?



無窓居室に該当すると、建築基準法上の制限が強化されます。
内装仕上げで対応できる場合もありますが、機械換気設備の設置や、主要構造部を耐火構造・不燃材料で区画する対応が必要なこともあります。
工事費にも影響するため、どの無窓居室にどんな規制がかかるのかを正しく把握しておくことが大切です。
次のセクションでは、種類別に対応策を一覧表でまとめています。
無窓居室にかかる主な規制一覧



無窓居室の種類ごとに、どんな規制や対応策が求められるかを整理しました。
細かい条文を読むよりも、まずはこの表で全体像をつかむのがおすすめです。
「どの条文で、どんな条件を満たさないと無窓居室になるのか」が一目でわかります。
| 規制項目 | 無窓居室の定義 | 無窓居室に当てはまる時の規制 |
|---|---|---|
| 採光 ・政令19条 | 【絶対採光】 採光が必要な建築物(住宅、学校、病院、児童福祉施設等)であれば、無窓居室とすることができない。 必ず採光窓が必要になることがら、絶対採光と呼ぶ行政庁も。 基準:採光上、有効な部分の開口部は各居室面積の1/5から1/10以上とする | |
| 換気 ・法28条 | 【換気無窓】 換気に有効な窓が、居室面積の1/20未満のもの | 機械換気設備を設ける |
| 排煙 ・政令126条の2 ・政令116条の2第1項2号 | 【排煙無窓】 排煙上、有効な窓(天井から80cm以内)が居室面積の1/50未満のもの | 機械排煙設備を設けるか、告示により同等以上のものとする |
| 非常用照明 ・政令126条の4 ・政令116条の2第1項1号 | 【採光無窓】 採光上、有効な窓が居室面積の1/20未満もの | 非常用照明を設ける |
| 内装制限 ・政令128条の3の2 | 【排煙無窓】 下記の(1)か(2)のどちらかの居室(天井高さが6mを超えるものを除く) (1)50㎡を超える居室で、排煙上、有効な窓(天井から80cm以内)が居室面積の1/50未満のもの (2)温湿度調整を必要とする作業その他用途状やむを得ない居室で採光が確保されないもの | 居室や廊下の壁、天井の仕上げを準不燃材料とそる |
| 主要構造部 ・法35条の3 ・政令111条 | 【採光無窓】 下記の(1)か(2)のどちらかの居室 (1)採光上、有効な窓が居室面積の1/20未満もの (2)直接外気に接する避難上有効な開口部の大きさが幅75㎝以上、高さが1.2m以上ないもの又は1m以上の円が内接できないもの | 居室を区画する主要構造部を耐火構造又は不燃材料とする ※1:告示により適用除外あり 次の記事で告示の解説をしています。「採光無窓でもOK?無窓居室の区画緩和の規定を解説!」 |
| 歩行距離 ・政令120条の1項表(一) ・政令116条の2第1項1号 | 【採光無窓】 採光上、有効な窓が居室面積の1/20未満もの | 歩行距離を30m以内とする ※2:告示により適用除外あり |
| 敷地内通路 ・法35条 ・政令116条の2第1項 ・政令127条 ・政令128条 | 【採光無窓・排煙無窓】 ・採光上、有効な窓が居室面積の1/20未満もの ・排煙上、有効な窓(天井から80cm以内)が居室面積の1/50未満のもの ※どちらかに該当すれば無窓居室になります(いずれかに該当すれば無窓居室です)。つまり、一方だけ確保できていても、本規定上は無窓居室になってしまいます。 | 敷地内通路1.5m(階数3以下で延べ面積が200㎡未満は90㎝)を確保する |
※1:告示による適用除外(R2告示第249号)
次のいずれかの条件に該当し、避難上支障がないと認められる無窓居室は、規制の適用を除外できる。
【1号】
①自動火災報知設備が設置されていること
②次のいずれかに該当すること
・居室の床面積が30㎡以下
・避難の居室で屋外への出口までの歩行距離が30m以下
・避難階の直上階又は直下階の居室で屋外への出口又は屋外避難階段の出入口までの歩行距離20m以下
【2号】
無居室からの避難の用に供する通路の構造並びに消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び警報設備の設置の状況及び構造に関して支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するもの。
※2:告示による適用除外(R5告示第208号)
次の条件に該当する無窓居室は、規制の適用を除外できる。
【条件】
無窓居室の床面積、居室からの避難の用に供する通路の構造並びに消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び警報設備の設置の状況及び構造に関して支障がないものとして国土交通大臣が定める基準が定める基準に適合するもの。



こんなに多くの種類があるとは思いませんでした。
無窓居室って、一つじゃないんですね。



そうなんです。建築基準法を細かく見ると、これだけ多くの無窓居室の種類があります。
それぞれの基準や対応策が異なるため、確認や検討は一つずつ丁寧に行うことが大切です。
なお、法35条の3に基づく「採光無窓による主要構造部の区画」については、次の記事で詳しく解説しています。
よくある誤解や疑問にズバリ答えます!



現場でよく聞かれる疑問を、行政実務や審査の視点でシンプルにお答えします。
行政に携わった経験を踏まえて



行政庁や指定確認検査機関に無窓居室のことを問い合わせたら、「何の無窓居室ですか?」と聞かれました。
この「何の」とは、どういう意味なんでしょうか?



無窓居室には複数の種類があり、どの条文に基づく無窓居室なのかを確認したかったのだと思われます。
問い合わせの際は、あらかじめ条文を特定して伝えると、やり取りがスムーズになります。
例えば、「排煙無窓による内装制限がかかりますが、1.2m以下の腰壁も対象になりますか?」といったように、具体的に質問すると伝わりやすいです。
まとめ
無窓居室とは、採光・換気・排煙などの基準を満たさない居室のことで、種類によって適用される規制が異なる。
条文ごとに「採光無窓」「換気無窓」「排煙無窓」などがあり、必要な設備や構造対策が変わる。
告示によって一定の条件を満たす場合は、規制の適用が除外されることもある。
行政庁や確認検査機関へ相談する際は、どの条文に基づく無窓居室かを明確にして伝えるとスムーズ。
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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