
限定特定行政庁とは?
設置の目的は?
特別区も限定特定行政庁に該当する?
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限定特定行政庁とは、政令で定められた権限のみを行う建築主事を置く行政庁
制度上は「特定行政庁へ移行するまでの過渡的措置」とされているが、実際には限定特定行政庁として運用を続けている自治体も多く見られる
特別区は建築基準法上、政令で定められた限定的な権限を持つため、制度上「限定特定行政庁」に位置づけられている



この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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限定特定行政庁とは?
政令で定める権限のみを行う建築主事を置く行政庁
昭和45年の法改正により制度が誕生



都道府県によっては、限定特定行政庁を多数設置していますね



都道府県によっては、限定特定行政庁を積極的に設置したい意向があったようです。



特別区も限定特定行政庁ですか?



限定特定行政庁とは、建築基準法で政令指定された事務に限り建築主事を置く行政庁を指します。
特別区はこの制度上の要件に該当するため、限定特定行政庁として位置づけられています。
昭和後期の文献には次のように書かれていました。
政令で定める権限のみを行う建築主事をおく場合、特別区が建築基準法97条の3にもとづく限定的な権限を有する建築主事をおく場合には、それぞれの市町村長または特別区長は、それぞれが行う事務の限度で特定行政庁になる。
一般に、これを「限定特定行政庁」(または所管特定行政庁)とよんでいる。
引用:新建築基準法50講
限定特定行政庁の制度の目的は?





調べてみたところ、限定特定行政庁の制度の目的について、同様の文献に次のように書かれていました。
この特例制度は、財政規模が小さい市町村でも建築行政を容易にするために設けられたもので、同法4条2項の規定により建築主事をおくまでの過渡的な措置と考えられている。
引用:新建築基準法50講



行政庁によっては、特定行政庁に移行する場合もあります。
しかし限定特定行政庁のままでいる行政庁も多いのが実情です。
行政に携わった経験を踏まえて



限定特定行政庁は、特定行政庁と同じ法解釈をすべきですか?



限定特定行政庁と特定行政庁には上下関係はないです。
それぞれが同時に特定行政庁になることもありません。
そのため、担当事務が異なる以上、必ずしも同一の解釈をする必要はないと考えられます。
ある市町村においては、市町村長と都道府県知事という二人の特定行政庁が存在するということとなった。
しかし、この場合であっても、政令で定める事務については市町村長が特定行政庁となり、その他の事務については都道府県知事が特定行政庁となるということであって、ある事務について、市町村長および都道府県知事の両者が同時に特定行政庁となるということはない。
引用:建築基準法50講(第3版)



世田谷区は人口約94万人、国分寺市は約13万人です。
どちらも特定行政庁になっていますが、人口が多い世田谷区のほうが偉いのですか?



世田谷区は特別区であるため、「限定特定行政庁」にあたります。
一方、国分寺市は「特定行政庁」です。
そのため、権限の範囲は国分寺市のほうが大きくなります。
なお、地方自治法上、特別区は市よりも下位に位置づけられており、市と同等の権限を持っていません。
※権限の範囲は制度上の違いによるもので、自治体の規模や優劣とは関係ありません。
まとめ
限定特定行政庁とは政令で定める権限のみを行う建築主事を置く行政庁
制度上は「特定行政庁へ移行するまでの過渡的措置」とされているが、実際には限定特定行政庁として運用を続けている自治体も多く見られる
特別区は権限が限定されているため、限定特定行政庁になる
元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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