本記事で解説する「8条区画」は、消防法施行令第8条の「令8区画」とは異なります

東京都建築安全条例の8条区画ってなに?
東京都だけの条例なの?
設計の参考になる資料ってあるの?
この疑問をスッキリ解決!
💡ズバリ、結論はこれ!
この区画は、避難階の直通階段から建物の出口までを防火区画で囲うもの
東京都独自の条例のため、他の自治体と比べて規制が厳しく、設計上の自由度が下がることも
この記事では、設計の参考になる技術的助言もまとめていますので、ぜひご覧ください
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この記事の最後に、これまで行政の現場で携わった経験から得た学びや気づきを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人


元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
建築基準法を中心に、関連する行政法や民法の仕組みも含めて、横断的にわかりやすく解説しています。
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8条区画って何のこと?
避難階で、直通階段から建物の出口までの屋内避難経路を囲う防火区画のこと



都内で設計していたら、先輩に「8条区画は注意しろ」って言われました
そんなに気をつける必要があるんですか?



8条区画は東京都だけの条例です
設計の時点でしっかり対応しておかないと、後で思わぬ指摘を受けることもあります
ここでは、基本をわかりやすく整理します
具体的には、どこを区画すればいいの?
原則として、避難階の屋内避難経路はすべて区画が必要です
ただし、火気を使わない管理事務室や便所、ダクトスペース、集合郵便受けは屋内避難経路に含めることができるため、防火区画のラインを調整できます



避難経路って、全部区画しなきゃいけないんですね…



原則として、すべて区画が必要です
でも、火気を使わない管理事務室や便所、集合郵便受けなどは避難経路に含めてOKなので、図のようにラインを調整できます
ただし、ダクトスペースだけは耐火構造の壁と防火設備で区画が必要になるので若干扱いが異なる点に注意が必要です



管理事務室で火を使うと、どうなるんですか?



火を使うと、その管理事務室は屋内避難経路に含められません
避けたい場合は、ガスではなくIHなど火気を使わない設備にする方法もあります
8条区画が必要な建築物ってどんなもの?
【8条区画が必要な建物】
・地下1階または3階以上に居室がある耐火建築物
・地下1階または3階以上に居室があるイ準耐の準耐火建築物
【8条区画が不要な建物】
・ロ準耐の準耐火建築物
・「階数が3以下かつ延べ面積200㎡以内」の「戸建住宅・長屋・共同住宅の住戸」



耐火建築物って3階以上が多いので、ほぼ全部8条区画が必要ですね
準耐火建築物は、イ準耐だけが対象なんですか?



8条区画が求められるのは、竪穴区画が必要な建物です
だから、イ準耐だけが対象で、ロ準耐なら区画は不要になります
設計の参考になる資料やQAはあるの?



東京都から出されている技術的助言やQ&Aが4つあります。
設計や確認の際にとても役立ちます。
①東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)
引用:東京都建築安全条例の一部を改正する条例の施行について(技術的助言)
②「東京都建築安全条例の運用について(技術的助言)」に係る質問と回答について
引用:「東京都建築安全条例の運用について(技術的助言)」に係る質問と回答について
③「東京都建築安全条例」に関する質疑応答集(Q&A)
引用:「東京都建築安全条例」に関する質疑応答集(Q&A)
④「東京都建築安全条例の見直しの考え方(案)」への意見募集結果
引用:「東京都建築安全条例の見直しの考え方(案)」への意見募集結果
R7年4月1日施行の改正条例の改正方針を知ることができます。



これらは都が公表している技術的助言や質疑応答集です。
条例の適用判断や設計時のポイントが整理されているので、必ず目を通しておきたい資料です。
行政経験者の視点から



開放廊下がある建物でも、8条区画って必要なんですか?



条文をそのまま読むと、8条区画は必要となります。
一方で、不要と扱う行政庁もあり、実際の対応は分かれているのが現状です。
条例の趣旨が東京都から明確に示されれば、統一的な取扱いが進むと考えられます。
解釈の問題というより、条文の趣旨の確認に関わる事項であり、行政庁ごとに判断が異なるのは今後の検討課題といえるでしょう。
引用:大田区 開放廊下を介する安全条例第8条の区画について
まとめ
8条区画は東京都独自の規定で、避難階の屋内経路全体が対象
管理事務室など一部の用途は区画から除外可能(条件あり)
条文解釈が難しい場面では、技術的助言や確認申請先の判断を確認することが重要
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元政令市職員(行政庁) × 確認検査機関の経験者である一級建築士・建築基準適合判定資格者。
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